表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

ポンタとコムギの光り輝くヒミツのトンネル

 おほしさまとおつきさまが、ひそひそとあいさつをするじかん。


 おうちでかわれているどうぶつも、やせいのどうぶつたちも、なにかをしめしあわせたようにそっとすみかをでていきます。


 みんながめざすばしょは、よるだけにあらわれるトンネルでした。


 トンネルは、キラキラとかがやき、チリンチャランとオルゴールのようなおとがして、べつのせかいにつながっています。それもひとつだけではありません。

 

 まいばんちがうところにひっそりとあらわれては、あさになるときえてしまうのです。


 これは、にんげんのしらない、どうぶつたちのちょっぴりふしぎなヒミツのものがたり。


  


 ☆☆☆


 


 かずあるトンネルのうちのひとつ。


 そらいろのやねのおうちや、ゆうやけいろのやねをしたおうち。


 くさいろのやねをしたおうちなど、にんげんたちがすむしずかなまちのはずれ。


 そのおくにある、ちいさなこうえんのトンネルにむかってはしっていくどうぶつたちがいました。


 せんとうをはしるのは、トイプードルのポンタです。


 ポンタは、ふつうのおうちでかわれているこうきしんがつよいおとこのこ。


 だからこそ、このじかんがとてもたのしみでしかたなかったのです。


「みんなげんきにしているかなー! はやくあいたいなー!」


 ポンタはみみをパタパタさせて、ハムスターのコムギやだいすきなネコのミーコたちにあえることをたのしみに、ほかのどうぶつたちといっしょにこうえんへとつづくみちをはしっていきます。


 おうちのならぶみちや、ふるいほうどうきょうをわたり、かわのよこをかけぬけると、ようやくこうえんへのみちがみえてきました。


 じめんは、つるつるのアスファルトからザッザッとおとがするじゃりみちにかわっていきます。


 ポンタは、ハッハッ――うれしそうにいきをはずませながら、スピードをあげました。


「たのしみだなー! きょうはどんなことがまっているかなー?」


 めをかがやかせて、いろんなことをうかべています。


 ミーコとあそんだりするのはもちろん、さむいばしょにすむキツネ、コンスケといっしょにとうもろこしをたべるのか……それとも、やさしいタヌキ、タヌキチとおいかけっこするのか。


「うーん、いちばんはミーコちゃんだけど……えらべないなー。でも、きっとたのしいよね!」


 ポンタは、しっぽをブンブンふりながら、うれしそうにとびはねて、そのいきおいのままかいだんをかけあがっていきます。


 すると、ひだりがわ、くさのはえたさかみちから、カスタネットをやさしくたたくようなカッタン、カッタン……というおとがきこえてきます。


 ポンタは、そのおとにもしやとおもって、おとのなるほうへとめをむけました。


「あ、やっぱりコムギちゃんだ! だいじょうぶ? ボクのうえにのる?」


 そこには、けんめいにはしるハムスター、コムギがいました。


 コムギは、ポンタのおうちのちかくにすんでいるおんなのこ。


 からだこそ、にぎりこぶしほどで、ちいさいのですが、おっちょこちょいなポンタをみまもってくれるしっかりものです。


 ポンタがトンネルのむこうにいくときは、いつもいっしょにむかうおともだちでもあります。


 ポンタがおはなしにむちゅうになっていると、そのコムギがこえをあげました。


「だいじょうぶ! それよりもまえまえっ!」


 そのことばにポンタがまえをむくと。


 そこには、おおきなダンボールがドン! とおいてあったのです。


 ポンタは「わっ!」と、あたまがあたるすんぜんでブレーキをかけて、なんとかぶつかることをさけれました。


「あぶなかったぁ~! ありがとう、コムギちゃん!」


 ポンタはみみをパタパタさせながら、コムギにおれいをいいます。


 そんなポンタに、すこしあきれながらもコムギは、「だいじょうぶなら、よかったわ」とつげました。



 ☆☆☆



 しばらくして。


 ポンタとコムギは、トンネルのさき。


 どうぶつたちしかはいることのできないヒミツのせかいに、あしをふみいれていました。


 そこでは、うさぎがはしるはらっぱがひろがり、ゾウやキリンもいます。


 おそらでは、たいようがかがやいていて、そのまわりを、どうぶつのくもがゆらゆらと、まるであそんでいるかのようにうごいていました。


「うわぁぁ……やっぱりすごーい!」


 なんどみてもワクワクするけしきに、ポンタは、こえをあげてしまいます。


 いっぽう、そのとなりでけなみをととのえていたコムギは、すましがおで、「おおげさよ、すこしおおきいくらいじゃない?」といいました。


 コムギにとっては、こえをあげるほどではなかったのです。


 けれど、けっして、ワクワクしていないわけではありません。


 ポンタのように、じぶんのおもったことをすなおにいうことがはずかしかっただけなのです。


「うん、まぁ……わるくはないわね」


 コムギが、プイッとよこをむきながらそういいました。


 それにたいしてポンタは、とてもうれしそうにそのばでピョンピョンはねます。


「だよね、だよね! きょうもコムギちゃんとこれてよかったなー!」


 そんなストレートなことばに、コムギは、だまりこんでしまいます。


 だけど、いやなきもちではありませんでした。


 ポンタのこういうすなおなところがすきで、いっしょにいたからです。


 コムギは、すこしほほぶくろをあかくしてしまいますが、ポンタとのかいわをたのしみながら、あゆみをすすめていきました。



 ☆☆☆



 ポンタとコムギは、ミーコのにおいをたどって、せのたかいくさがたくさんはえているばしょにきていました。


「えーっと、ミーちゃんのにおいは――」


 ポンタは、くろくてちいさなおはなをヒクヒク。


「もうすこしさきだね!」


 そういうと、コムギといっしょにながれてくるにおいをくさをかきわけながら、たどっていきます。


 ついさっきまで、だれとあそぶかなやんでいましたが、やっぱりいちばんあいたいのは、だいすきなミーコだったのです。


 すると、あしもとからこえがしました。


「ちょっと、ポンタ!」


 ポンタはそのこえのするほうへと、しせんをむけます。


 そこにいたのは、いっしょにきたハムスターのコムギでした。


 コムギは、ポンタのあおいろのくびわをクイクイっとひっぱります。


 ひっぱったわけは、ポンタのうしろでこえをかけようとしては、あたまのはっぱをつかって、にんげんのすがたにかわろうとしていたタヌキのことがきになっていたからです。


「どうしたの? コムギちゃん」

「どうしたの? じゃないわ。 そこのタヌキがなにかいいたそうにしてるじゃない」


 と、ほほぶくろをプクゥとふくらませて、コムギがいいました。


 すこしくちは、わるいかもしれませんが、これはコムギなりのやさしさです。


「だ、だ、だいじょうぶだよ……コ、コムギちゃん。ぼくのことは、きにしなくていいから……」


 そういいながらも、タヌキはからだをふるわせて、かおをあげようともしません。


 このこが、タヌキチ。


 きょうだいのめんどうみがよくて、こころやさしいせいかくなのですが、じぶんにじしんがないせいで、だれにたいしても、きんちょうしてしまうおとこのこです。


「えっ?! そうだったの?」


 すこしおくれてコムギのことば、ききなれたタヌキチのこえに、ポンタはふりむきます。


 そこには――。


 したをむいたままかおをまっかにしているタヌキチがいました。


 きづいてあげれなかったことに、せきにんをかんじたポンタは、すぐにあやまります。


「ごめんねー! タヌキチくん……ボク、ぜんぜんきづかなくって!」

「あ、あ、いやだいじょうぶだよ……? ポンタくんもしたいことあるだろうし、ちょっとその……」

「その?」

「……ううん、なんでもない」


 ポンタがやさしくたずねても、タヌキチは、じぶんのかんがえをくちにできませんでした。


 ほんとうは、キツネのコンスケにあいたくてしかたなかったというのに。


 それは、タヌキチがほんとうにやさしいからでした。


 そして、おなじくらいじぶんにじしんがなかったからです。


 おともだちであるポンタにめいわくをかけてはいけない。


 すがたをかえること――へんげもできないじぶんなんかが、おねがいしたらいけない、そんなことをおもうほどに。


 そんなタヌキチのようすに、すこしだけ、シーンとしてしまいます。


 けれど、そのくうきをすぐにかえてしまうことばを、ポンタがいいました。


「タヌキチくん……ねぇ、ほんとうのこと、きいてもいい?」と。


 ポンタは、しっていたのです。


 タヌキチがほんとうのことをいわないとき、あたまのはっぱがほんのすこしうくのを。


「おこらないから、ちゃんといいたいこといって! ね?」


 タヌキチは、おどおどしながらも、ポンタたちのやさしさにゆうきをもらい、じぶんのきもちをはなしはじめました。



 ☆☆☆



  いろとりどりのおはなばたけがひろがるばしょ。

 

 そこでポンタたちは、においをたよりにコンスケをさがしていました。


「じゃあ、へんげをおしえてもらいたくて、コンくんをさがしてたの?」


 タヌキチがコンスケにあいたかったのは、へんげのじゅつをおそわりたかったからなのです。


「う、うん……ぼくってどんくさいからさ。いくらひとりでれんしゅうしてもうまくできないんだよ……それに、きょうだいもいるしね」

「そっかー……タヌキチくん、おとうとくんにも、いもうとちゃんにもやさしいもんねー!」

「や、やさしいなんて! そんなことないよー! いまだって、できることならコンくんになりたいって、おもっちゃうし……」

「えっ?! そうなの?」


 このことばに、ポンタはふしぎなきもちになりました。


 いいところは、たくさんあるのに、なんでちがうだれかになりたいっておもってしまうのだろう。


 なんで、じぶんのよさにきづけないのだろうと。


 そして、ふと、きになりました。


 あたまのうえにいるコムギも、だれかのことをうらやましいとおもっているのかを。


「みんな、だれかのことがうらやましいのかな……?」


 だれにもきこえないくらいちいさなこえで、ポンタは、そうつぶやきます。


 けれど、こたえはでません。


 すると、あたまのうえからこえがひびきます。


「ポンタ、いろいろとおもうかもしれないけど、あのこたちがしんぱいじゃない?」


 ポンタのあたまにのっているコムギです。


 ながくいっしょにいるからでしょう。


 コムギは、ポンタが、タヌキチのことばをきいて、なやんでいることにきづいていたのです。


 もちろん、じゅんすいにすがたのみえないタヌキチのきょうだいのこともしんぱいしていました。


「だ、だいじょうぶだよ! おいしいきのみさがしにいくっていってたから。そ、それに」

「それに?」


 くびをかしげるコムギにむけて、タヌキチはいいます。


「な、なにかあったら、ぼくがかけつけるから」と。


 つよいことばではないですけれど、こえには、つよさがにじみでていました。


 そして、ポンタはきがついたら、タヌキチにこえをかけていました。


「タヌキチくん! きみは、いまのままで、じゅうぶんかっこいいよ!」と。


 なんで、こんなことをくちにしたくなったのか、じぶんでもわかりませんでした。


 ただ、そういいたくてしかたなかったのです。


 それは、コムギもおなじで、タヌキチのほうにからだをむけると、「そうね!」とげんきよくへんじをしました。


 じぶんをうけいれてくれるおともだちに、タヌキチは、なんだかうれしくなり、じぶんのおなかをちいさくポンポンとならして、おれいをつたえます。


「えへへ、ふたりともありがとう……」と。


 そんなタヌキチをまえに、ポンタはしっぽをブンブン。


 コムギもうれしくなり、さんびきでコンスケのもとへむかうことにしました。



 ☆☆☆



 ポンタたちは、おはなばたけをとおりぬけたさきにあるふわふわで、すこしひんやりする、でもとけないゆきがつもっているところにきていました。


「コンスケくーん!」


 ポンタがおおきなこえで、かまくらのまえにいるキツネのコンスケによびかけます。


 すると、しっぽをゆらしながら、コンスケは、ポンタたちにちかづいてきました。


「おお、ポンタにタヌキチ、コムギまで! どうかしたのか?」

「えーっとね、タヌキチくんがね――」


 うしろで、モジモジしているタヌキチにかわって、ポンタがじじょうをせつめいしようとします。


 けれど、とうもろこしをたべたいとかんちがいしたコンスケは、ふしぎそうなかおをしました。


「ん? とうもろこしならかまくらにあるぞ。ちょっとまってろ」


 コンスケはそういって、かまくらにはいっていきました。




 ☆☆☆




 フカフカなじゅうたんがしかれ、ランタンのかけられたかまくらのなか。


 ポンタをはじめとしたさんびきは、コンスケにまねかれてあしをふみいれていました。


 ポンタとコムギは、さしだされたとうもろこしにむちゅうです。


 すると、コンスケのとなりにすわっていたタヌキチが、おどおどしながらも、ゆうきをふりしぼってコンスケにじぶんのきもちをつたえました。


「ぼ、ぼく……コンくんみたいになりたいんだ!」


 とうもろこしにむちゅうだったポンタとコムギも、そのこえに、かおをあげます。


 すると、よそうがいのことばが、コンスケからでてきました。


「オレみたいになりたいって? うれしいけどな、オレはタヌキチになりたいぞ?」と。


 それだけではありません。


 さきほどまで、わらっていたコンスケが、すこしだけまじめなかおにかわっていたのです。


 そのことばに、そのばにいるぜんいんがくびをかしげてしまいます。


 それをみていたコンスケは、こまりがおをうかべながらも、じぶんのことをはなしはじめました。




 ☆☆☆


 

 「……ということだな」


 コンスケは、きょうだいとはなれてそだったため、タヌキチがうらやましかったとはなしました。


 はじめてきいたはなしに、ポンタもコムギもめをまるくしてしまいます。


 もちろん、タヌキチおどろいていました。


「まさか、コンくんがぼくのことを……」と、かたまるほどです。


 けれど、コンスケは「だれだってちがうものにあこがれるもんだ」とわらいました。


「えへへ……そっか、そうなんだ!」

「おう、だから、えんりょなくたよってくれ!」

「う、うん……」


 タヌキチは、みとめられたことがうれしくて、ポンポンとおなかをたたきます。


 にひきのやりとりをきいていたポンタは、いいところがあっても、だれかになりたいというきもちのしょうたいがすこしわかったようなきがしました。


 それは……。


「じぶんのことって、みえないんだ……」


 そうなのです。


 これが、ポンタがなんとなくきづいたことでした。


 だれだって、だれかにいいところをいってもらえないときづきにくいのです。


 どんなにすてきでも、じぶんのすがたがみえないから。


 どうじに、こうもかんがえるようになりました。


 こうやって、いつもそばにいてくれるコムギも、おなじようになやんでいるかもしれないと。


 すると、タイミングよく、そのコムギがなにかをごまかすように、せきをしながらたちあがりました。


「ポンタ、ミーコのところにいくんでしょ? ここでゆっくりしていたら、あさになっちゃうわよ!」

「あ、そうだった!」


 コムギのことばをうけたポンタは、みんなにおわかれのあいさつをして、かまくらをあとにしました。




 ☆☆☆




 なだらかなおかをくだったさき、やわらかそうなくさがかぜゆれ、とうめいなかわがながれているばしょ。


 そこでは、くびにスズをつけたネコのおんなのこ、ミーコにポンタ、そのあたまのうえにのったコムギがおなじようにかわをみつめては、きょうりょくして、さかなをとろうとがんばっていました。


 そうです。


 ポンタとコムギは、ようやく、ミーコにあうことができたのです。


 ミーコは、まえあしをきようにつかい、おさかなをとっていきます。


 ポンタとコムギもきょうりょくしておさかなをねらいますが、うまくいきません。


 それでも、さんびきは、このじかんをこころからたのしんでいました。


 すると、ミーコがポンタにこえをかけてきます。


「うふふっ、ポンタくん、コムギちゃんとすごくなかよしよね」と。


 そのことばにポンタは、くびをかしげます。


 なんとなく、すごくということばがきになったからです。


「コムギちゃんとは、いつもいっしょだからね! でも、みんなとかわんないよ?」


 ポンタがそういうと、コムギはすこしからだをビクッとさせます。


 そのようすにきづいたミーコは、かわでさかなをとりながらも、ポンタとコムギをみて、ほほえみました。


「ポンタくんは、コムギちゃんがいちばんすきよ。コムギちゃんもね」


 そうです。


 ポンタは、じぶんできづいていませんでしたが、コムギのことがいちばんだいすきだったのです。


 だから、ここにくるまでのあいだ、ずっとコムギのことをかんがえていたのです。


「ボクが、コムギちゃんのことをいちばんすき? コムギちゃんも……?」

「そうよ」


 ミーコのいうとおり、それはコムギもでした。

 にひきとなかのいいミーコは、きづいていたのです。

 にひきのほんとうのきもちを。


 けれど、そのコムギは、ポンタのあたまのうえでほほぶくろをまっかにしてうごこうともしません。


 コムギは、ポンタとちがってじぶんのきもちにきづいていたのです。


 だからこそ、じぶんのきもちをすなおにいえませんでした。このいまのかんけいをかえたくなくて。


「ポンタくん、そばにいてくれるなんて、あたりまえじゃないのよ? ほんとうにすきだから、どんなときもいっしょにいてくれるの」


 ポンタは、だいすきなミーコのことばにハッとしました。


 すきと、だいすき、ミーコとコムギをおもうきもち。


 そのちがいは、まだわからない。


 けれど、あたまのうえで、いつもはハッキリいうコムギがだまっていることに。


 いままで、どこへいくにも、そばにいてくれたことにきづいたのです。


「えーっと、なんていっていいかわかんないけど……コムギちゃんありがとう! そして、ミーコちゃんもありがとう!」


 ポンタは、じぶんのきもちをおしえてくれたミーコと、そばにいてくれたコムギにおれいをいいました。


「わ、わたしは、べつに、そういうのじゃないから……まぁ、たのしいのは、たのしいけどね」


 コムギは、じぶんのきもちをいいあてられたことが、はずかしくて、ほほぶくろをまっかにしたままポンタをみようとしません。


 けれど、ありがとうといえたポンタは、なんだかむねのあたりがすこしだけすっきりしていました。


 でも、おなじくらい、ミーコにわるいことをしたんじゃないかなとおもっていたのです。


 じぶんなのに、じぶんのことがよくわからないなんて。


 いまだって、なんだかすこしざわざわ、さわがしいかんじがします。


「ぼくのことなのに、ぼくのからだなのに、このきもちはなんだろう……なんだかすこしくるしい」


 ポンタがおちこんでいると、ミーコがはなしかけてきました。


「おちこまないでね! ポンタくん! みんな、じぶんがいちばんわからないんだから!」


 そういうと、こんどは、ポンタのあたまのうえにいるコムギのほうをみて、「わたしも、ポンタくんがすき」といったのです。


 じつは、ミーコもポンタのことがすきでした。

 でも、そのことをなかなかいえなかったのです。


 それはコムギとおなじように、いまをかえたくなかったからでした。


 ですが、いまはちがいます。


 このさきどうなるのかわからないけれど、おたがいのきもちをつたえあう、ポンタとコムギのすがたがとてもキラキラしたようにみえたのです。


「コムギちゃんが、ポンタくんをすきなようにわたしも、ポンタくんのことがすき!」


 こんどははっきりとすきということばをくちにしました。


 そんなミーコにかたまるポンタ、ほほぶくろをふくらませるコムギ。


 いつもちがうひょうじょうをみせるにひきをみて、ミーコはしあわせそうにわらうのでした。



 ☆☆☆



 それからすこしじかんは、ながれて。


 なんどめかのよる。


 トンネルのむこうのせかいでは、ハムスターをあたまにのせたトイプードルと、くびにスズをつけたネコが、さかなとりをたのしみ。


 すがたをかえるへんげのじゅつを、キツネからならうタヌキのきょうだいのすがたがみられましたとさ。



 ☆☆☆



 これは、にんげんのしらない、どうぶつたちのちょっぴりふしぎなヒミツのものがたり。


 もしかしたら、みんなのおうちにすむどうぶつも、よるになると、こっそりぬけだしているかも……。



 おしまい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ