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セカンドライフ猫  作者: いづる
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セカンドライフ 猫2

人間が、近寄ってくる気配を感じて他の仲間がざわざわと殺気だつ。落ち着かなく鳴くものや、必要以上にウロウロしだすもの。


そして、ドアが開けられると薄暗い部屋の中に明かりが差し込む。

部屋のボロボロのカーテンや、爪痕が残る壁。家具などの間から中に入り込むとかなりきつい匂いと浮遊している埃や毛玉。そして、何個もの器が空になっていて、そこには餌や水が入っていたのだろう。そして糞。乾燥してカピカピになっているもの。糞をして間もないホカホカの糞や尿。あと、弱って死んでいったものの死体。それに群がるウジ。その中を逃げ回る猫たち。マスクを重ね合わせてつけていても吐きそうなのをこらえて、二人とも作業を進める。

1匹ずつ網をもって捕獲していくが、人間を初めてみる子や人間に不信感をもっている子達なので至る所に逃げ回り大暴れする。時間が勝負なのだが大きな網を持って、手作業で1匹ずつ追っかけて捕まえていくので、相応の時間がかかる。捕まえた子からキャリーケースの中へ順に移動させていく。次々と捕らえられていく仲間の姿を見ながら、残った子達はさらに殺気だつ。それでも最後の1匹をケースにいれた頃にはかなりの時間がたった。キャリーケースに入れた猫をワゴンに積み入れる作業の塚松 翔太も含めて3人はへとへとになる。

全部で20匹になった。かなりの数だ。


飼い主さんは、どうしたのだろうか?

こういうケースの場合、部類の猫好きで野良猫など拾ってきては増えてしまう。

挙句の果ては噂が広まってわざわざ家の前に捨てにくるやからも多い。

迷惑な話だがそれで、さらにどんどん数は増えてくる。

生活がひっ迫しても自分の食費を切り詰めてどん底になってもがんばろうとする。まあ、一概にはいえないが。他頭飼いが崩壊すると飼い主を悪者あつかいにするが、そう決めつけるのはどうなんだろうかとも思う。


実際、この一粒で救済できる数は限られる。それでも電話は日々かかってくる保護依頼の相談や捕獲。今いる子たちや保護で新しく来る子たちの世話や里親探し、不妊、去勢手術、ワクチン、治療による通院など朝から夕まで走りまわっているのが現状だ。

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