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詩文毒症  作者: 夜霧ランプ
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チキンソテー

照り焼きにしたんだろうね

あのね聞いてね 秘密の事ね

語り出しはそんなもんだ

お鍋の中で煮られている物

あれは死んでる肉なんだよ


うんうんそうだね 鶏が

命を捧げてくれたのね

そう答えたらきょとんとして

命を捧げるわけがないじゃん

怒って何処かへ行っちゃった


あのね聞いてね 秘密の事ね

語り出しはそんなもんだ

フライパンで焼かれてる

あれは生きてる卵なんだよ


うんうんそうだね美味しそうだね

そう答えたらきょとんとして

たったそれだけ? って言って

怒って何処かへ行っちゃった


あのね聞いてね 秘密の事ね

語り出しはいつもの通りだ

今日丸焼きにされちゃった

これは私の恋人だったの


そう言って片手にナイフを持った

彼女はみんなの腹を抉った


「我が家はとても暖かい

人に恥じない家でした」


まさかあの子にとってはね

鶏のほうが家族だなんて

誰が信じてくれますか


毎日悲鳴が聞こえてた?

鶏の声じゃないですか?

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