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平和の日の午後
ベリーピースフルな話だね
それは深い森の中だ
行き先知れずの迷路が続く
行きどまりに行きついたのに
背後から何かが追ってくるって
捕まりたくないと騒いでも
そいつはどんどん迫って来る
悪夢のような気持ちがすると
語るけれどもそいつはどうも
名前も知らない奴なんだ
確かにそいつの後ろの方を
歩幅を合わせて歩いていたが
追いかけられているのだと
思い違える程
良い言い方をすれば傲慢な奴だ
特別何があったって言うんだ
自信家って言うのはいつでも
自分が主人公の物語を
考え続けているんだねぇって
呆れてしまった赤ずきんは
怯えている狼を
持っていたナイフで刺しましたとさ
毛皮をはいでおばあさんの家への
贈り物にしましたとさ
人間達にとっては
なんにも起りはしませんでした
めでたしめでたしと言う所




