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脈を打つ臓器
哲学書は好みじゃない
声の届かない何処かへ
何かを放っているような
電波の色が青ざめた
水銀灯の中でチカチカ
混乱と言うには整頓されていて
狂乱と言うには少し苦い
形がつかめない物に
手を伸ばそうとしている
赤ん坊の視界なんだ
僕はそれを見ているけど
それが何であったのかは
説明されても表せないんだ
フォルムが狂ってしまったと
写実画家が投げ出す領域を
闊歩している魂は
随分愉快な道行きを
歩んでいるのだと
今でも 黙祷
賢い猿は狂った有機物だから
神様 悪魔 幽霊とか
見えない物 触れられない物
概念でしかない物
なんでも信じてる
概念ではない物
それを見つめられる誰かは
ちょっと早く進化しちゃった
次の世界の「人」なんだろうね
彼等が書いたかも知れない
SFが読んでみたかったな




