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<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

甘やかされた結果ですよ。

作者: 凍頂

2023.1.10にタイトル変更致しました。

※あらすじにも記載済み。

※この話には直接的な描写はありませんが、それに近い発言が含まれています

 帝国の毎年行われる新年祭は今年は通常とは違い大いに盛り上がった

それは複数の小国が帝国に反旗を翻してきた。その鎮静化に普段であれば1年かからずに終えるのだが、予想以上5年の歳月がかかったのだ。複数の小国であったのと各国が自らの技術を使い、力を合わせてたのもある。帝国内でもスパイが見つかり捕縛され、自白剤を飲ませありとあらゆる情報吐かせた。


 時間が経ち戦争から5年目の春に最小限の犠牲を出しながらも鎮静化に成功した。戦争に参加した者達、それに支援した者達は称賛された。中でも大きな称賛を得たのはホワイト家とスカーレット家だった。この2つの家は帝国の初代皇帝からずっと忠誠を誓っている家であり、今も帝国を支える2つの柱としている。


ホワイト家は情報戦と帝国内の平和維持に力を入れ、スカーレット家は外敵を排除し、友好条約を結んだが国で起きた災害等の助けを求められたら応援に向かわせ救助や復興力を入れる。




 帝国中がお祭り騒ぎになる新年祭の夜、宮殿では皇帝に近い者達による新年の挨拶が行われていた。

最初に皇帝一族が壇上に登り新年の挨拶を行いその後、今回の戦争で大いに活躍したスカーレット家の若き公爵が挨拶を行った。

スカーレット家は両親を戦争の1年前に事故で亡くし、一人息子である彼が自動的に公爵家当主となった。その次の年には戦場に向かうこととなりある意味波瀾万丈とも言える経験をした。

最後にホワイト家の若き当主が挨拶に入る。


「皆様、新年の挨拶を申し上げます…。」


挨拶を終え終盤長かかった頃


「最後に皆さんにご報告がごさいます。」


周囲の貴族達がざわつく。おそらく皆が期待してるのは彼の婚約者が決まったことではないかと言う報告だった。

ホワイト公爵の美貌と地位、名誉は誰もが欲するものなのは一目瞭然である。


「私、クリス・ホワイトは…ヴィオラ・バイオレット伯爵令嬢を妻として迎えることをご報告申しあげます。」


周囲のざわつきがさらに大きくなる。


「えっ…バイオレット家って確か…」


「そ、それってどう言う…」


「待てクリス!」


壇上の前に出てくるのはフレイ・スカーレットだった。


「頭がおかしくなったか?ヴィオラは私の幼き頃からの婚約者だ!人の婚約者を妻に迎えるなど出来るわけないだろ。」


「あぁ、その件でしたら…既にあなたと彼女の婚約は昨日に無かったことになってます。勿論、陛下から印も貰ってますよ。」


彼は書類を掲げ、周囲に見せた。婚約破棄の書類には2人のサインと承認を認めた陛下の印が押印されていた。


「待て!俺はそれにサインした覚えは…まさか…!」


「心当たりありそうですね。そういうことですよ。」


彼には心当たりがあった。戦場から帰還してしばらくの事、ヴィオラから『この書類は当主のあなたのサインが必要なの!』と迫られ渋々サインした記憶があった。


(その書類がまさか…破棄の書類だったとは…)


「ヴィオラ!!」


隣にいたヴィオラの肩を掴み、問い詰める。その表情は裏切られたことによる怒りや悲しみが混合した表情だった。


「私を裏切ったのか!?」


その表情に動じることなく、冷淡な表情のヴィオラは彼の頬を平手打ちした。


「昔は貴方のこと好きだった…貴方の為にと立派な公爵夫人になるって決意して、様々な勉強や仕事を覚えてきた…。本来なら貴方がやるべき事も私がやってた。戦時中も寝る間も惜しむ間も無く領地の災害や飢饉の対処もしてきた…貴方が戦場から帰還しても安心して過ごせるようにって…。でもね…貴方が帰還してから地獄の日々だったわ。」


ヴィオラの瞳には憎悪の炎が灯っていた。


「貴方は…帰還してからも亡きお義父様の仕事の引き継ぎをすることなく、当たり前のように私に押し付けて…自分は複数の敗戦国の姫を孕ませた上に屋敷に匿って…領地の税をその女達に貢がせてた…!」


周囲のざわつきがさらに大きなっただけでなく、敗戦国の人間を匿ってたことにも驚きを隠せないでいた。


「私は…貴方の奴隷じゃないのよ。」


ヴィオラはフレイの元を去り、クリスの隣に立った。


「ちなみに私達の婚約は陛下から承認を得てますので、あと…戦争中と戦後に随分と好き勝手してたみたいですね。」


クリスは手元にあった報告書を読み上げる。その内容は

・敗戦国の気に入った姫を孕ませてた。

・戦時中の作戦や指令は部下に押し付けて、本人は剣を振るっていただけだった。

・戦後は匿った女達の身分もないのに使用人達をこき使っていたこと、異議を唱えれば暴行を加えていた。

・領民からの税を女達に身勝手に使用。

その他など…


内容を聞いた周囲の人間は彼にありとあやゆる負の感情の視線を向けていた。


「ちなみに、これらは貴方の部下、屋敷の使用人や執事達からの情報です。…陛下、いかがいたします。」


報告を読み上げたのち、陛下の顔ちらりと見る。

陛下の表情は怒りに満ちていた。


「何故5年もかかったのか…幼き頃からスカーレット家の実力は見てはいたが、わかった気がするな。兵よ、そのものを捕らえ、牢に入れよ。」


放心状態となったフレイは兵により連行された。

華やかな新年祭はとんでもないスキャンダルの暴露により幕を閉じた。






 後日、フレイの裁判が行われた。殺人は行ってないが国の柱としてあるまじ行為の数々は許されるものではなかった為爵位、土地、屋敷全て剥奪され、彼には孤島の炭鉱場で無期労働の判決が下された。


妊娠させた敗戦国の姫達は実は妊娠しておらず、変身魔法により妊婦に見せかけていた。彼女達はフレイを誘惑し、帝国に寄生して内側から国を滅ぼそうとしていた事が判明し、即刻処刑が執行された。


陛下は柱が1本失われたことの大きさに頭を抱えていたが、クリスはフレイの直属の部下であるオニキス家が適性であることと、彼の家の実績と実力をまとめた報告書と推薦状を提出した。それからしばらくしてオニキス家が新たなら帝国の柱として誕生した。

元スカーレット家の土地は陛下、クリス、ヴィオラとオニキス家と話し合った結果全てオニキス家のものへとなった。



 その後、クリスとヴィオラは夫婦となり、娘も生まれ幸せに暮らしている。

クリスはヴィオラの過去の重労働に少し休んだほうがいいと言うか、彼女はあの時は辛かったが元々仕事は好きなのと休みすぎると訛ってしまうからと今も公爵夫人として責務を全うしている。

クリスが何故このような行動をおこなったのかは現在執筆中です。

タイトル回収はその時に

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