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五.はだかのおつきあい

 森の奥にひっそりと佇む小さなエルフの里。アンに案内されたレイは、エルフの里、族長の家へと案内されていた。白髪と長い白髭を生やしたエルフお爺さん。お付らしき金髪碧眼エルフが左側に控えている。


「フォーフォッフォッフォ。儂がこの〝エルフの里〟を束ねる族長、エルメシアン・ダルメシアン三世じゃ」


「俺は冒険者をやっているレイだ。騎士として旅をしている」


 互いに自己紹介をする族長とレイ。暗黒騎士のような漆黒の軽鎧を纏ったレイが怪しまれないよう、アンは命の恩人として族長へと紹介する。


「そうか。旅の者よ、アンを助けてくれて感謝感激雨霰ですぞよ」


「いやいい。俺はたまたま居合わせただけだ」


 アンは何故かレイの横で正座待機しており、プラチナブルーの瞳から浴びる視線を少年はとても熱く感じていた。


「命の恩人とあらば、手厚く歓迎せねばなるまい。困った事があれば、何なりと申し付けるがよいぞよ」


「族長、感謝する」


 素直にお礼を言うレイ。続けて族長はレイへ、何故こんな辺境の地を旅していたのか、旅の目的を問う。少し考えたレイはこう答える。


「俺には倒したい相手が居る。俺は仲間に裏切られ、この地へ飛ばされた(・・・・・)


「復讐とな……」


 レイの言葉に族長が眉尻を上げる。レイは意に介さず、目を逸らさず真っ直ぐに族長を見つめる。再び元の笑顔に戻った族長は、深く追及しようとしなかった。


「何やら訳ありのようじゃの。まぁよい。今日はゆっくりと里で過ごすがよいぞよ」


「心遣い感謝する」


 恭しく一礼するレイ。すると、それまで黙っていたアンが突如立ち上がり、レイの手を取る。


「レイ()。客人用の民家があります故、そこを使って下さい。いいですよね? 族長様」


「勿論じゃぞよ」


「待て、アン。そのレイ様ってなんだ?」


「命の恩人ですからレイ()で当然です! さ、行きましょう。レイ様」


 そんな部屋を出ていくアンとレイの様子を、族長のお付であるエルフが訝し気な様子で見つめるのであった。



◆◇◆


 案内された民家で、アンと共に食事をするレイ。質素だが、素材の味を活かした野菜のスープやきのこのソテー、黄金色に光る輝身の鱒(ティンクルマス)の岩塩焼きを堪能したレイ。


「質素な食事ばかりですいません」


「そんなことない、これは美味いよ」


 レイの満足そうな表情を見て、パッと笑顔になるアン。事実レイは、数日振りのまともな食事に感動を覚えた程であったのだ。


 (三日間、水と野生動物の野焼きだけで過ごして来たからな。こうして部屋で食べる温かい食事がありがたい) 


【何か言いたそうね、レイ】


(気のせいだ、ルシア)


 エルフの里へ入った辺りから、暫く脳内へ語りかける事のなかった闇精霊が、レイの心中へ突っ込みを入れる。レイは気を取り直してアンへ別の話題を振る。


「アン。替えの服はあったりするか? 実は、諸々の事情でこの鎧しか持っていなくてな……」


「あ、それなら男性エルフのローブがありますから、お持ちしますね。あ、そうだ! よかったら里自慢の露天風呂がありますので、疲れを癒して下さい」


「それは嬉しいな。じゃあ御言葉に甘えようか」


 三日間お風呂にも入っていなかったため、全身汗と泥だらけになっていたレイには嬉しい提案だった。アンに着替えを渡され、露天風呂へと移動。エルフの少女が赤の暖簾を潜ろうとしたところでレイへ補足する。


「わたしはこっちです。あ、男女別ですからねっ! レイ様は青の暖簾ですよ?」


「え? 嗚呼。勿論わかっているさ」


 チューブトップから溢れるメロンが揺れている。乙女に実ったメロンの主張に、思わずレイは目を逸らすが、彼の視線に気づいたアンの頬が桃色へ染まっていき……。


「……え、えっちぃのは嫌いです!」


彼女はそう言い残し、颯爽(さっそう)と女湯へ入っていく。

そんな彼女を見送った後、レイも男湯の脱衣所へと向かうのである。


誰も居なくなった脱衣所にて、ゆっくりと息を吐くレイ。


【ふふ。私とあなたはひとつになっているから、あなたの気持ちはよく分かっているわ】


(おい、ルシア。勝手に人の心を読まないでくれ)


 どうやらルシアはエルフの果実(メロン)含め、一連の流れを観察していたらしい。そして、レイが彼女へ突っ込みを入れたその時だった。レイの身体を纏っていた漆黒の軽鎧が靄となって消滅し、二つの果実部分と大事なところを黒い靄で隠したルシアが突如彼の前に顕現(けんげん)する。


融合していた筈の彼女が姿を現した事に驚くレイ。


「待て? ルシア? どうやって!?」


「だって露天風呂に入るんなら、レイも裸にならないとでしょう? あ、融合していても一定の距離内だったらこうやって姿を現す事は出来るのよ? ほら、ちゃんと触れる事も出来るでしょ?」


 ルシアはレイの手を握る。闇精霊であるルシアの手は冷たかったが、その感触ははっきりと伝わって来た。


「私はこのままレイと一緒に入ってもいいんだけど……」


「だが断る。此処は男湯だ。ルシアは入ったらダメだからな」


 タオルで下半身を隠した状態で、ルシアを置いてそのまま露天風呂へと向かおうとするレイ。そんなレイへルシアはとんでもない発言をする。


「そうね、融合している私はいつでもレイとお風呂に入れる訳だし、私はアンちゃんの果実(メロン)を堪能してくる事にするわ」


「なん……だと!?」


「だって、女の子同士だもの。お風呂でのイチャイチャは当然でしょう?」 


「いやいやいや、その当然意識おかしいから。てか、ルシアが突然現れたら、アンが驚くだろう」


 レイがそう思うのは無理もない。彼と融合している闇精霊(ルシア)の姿を、アンは認識出来る筈がないのだ。少なくとも普通はそう思うだろう。しかし、ルシアの見解は違ったのだ。闇精霊は契約した少年へこう告げる。


「何を言っているの? 彼女、最初から私の存在に気づいている(・・・・・・)わよ?」

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― 新着の感想 ―
[良い点] おっぱい! [一言] 更新お疲れ様です! さっそくおっぱい!を堪能できそうでできなかった回ですが、アンちゃんまさかの氣付いていたとは!? 次回も楽しみに待ってます
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