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はじめてのヒロイン

はい。ごめんなさい本当ごめんなさい。1ヶ月近く投稿してませんでしたね。生きてます!!爺婆宗教は生きてます!!『はじめてのギャr…』じゃない、『はじめてのヒロイン』が出てきます!ようやく女キャラですね!楽しみにして見ていってください!!

「ただいま、現実世界」

 2人とも目を開けると霧のかかったように白い空間と道、奥にはうっすらと街並みが見えている。

「帰ってきたね〜」

 見慣れた街並みを見回しも寄り道もせず真っ直ぐ自分達の拠点である建物に向かう。

「この街は田舎なんだか都会なんだか、ねぇ」

「俺は都会だと思うなあ。意外とマンションとか高い建物あるし、低いけど」

「でも北の方行くと畑とかばっかじゃん」

「あ、まあね。俺らの母校の中学校も田んぼ埋めたんだもんな」

「すんごい昔の話だよなそれ。今の中学校とか謎に近未来感ガンガン出してるじゃん」

「でもうちの建物も割と近未来感やばいけどな」

「噂をすれば、建物が来たよ」

「建物は来ねぇよ!俺らが建物向かってたんだよ!」

 2人に見えている自分達の建物はビルのような外見、外装は白い塗装に窓が点々と、階数が上がるごとに外装がゴツくなっていっている形だ。

「着いたな〜」

 入口の顔見知りの警備員に軽く礼をし、パスワード16桁を入力。中に入り案内人のお姉さんに挨拶してから奥に向かうとエレベーターが見えてくる。内装は清潔感のある白い床で汚れが付くと自動的に取れる仕組みになっている。大きな汚れは清掃員の人たちが掃除をしてくれている。壁は背景の青に赤や紫のラインが入ったデザインで20日に1回のペースで壁のデザインが変わるので色々な模様が楽しめるようになっているので頻繁に訪れても飽きないのだ。関係者や来客者などに気に入った壁のデザインを入口のモニターで選ぶと再度壁のデザインに選ばれることがある。歩きながらそんなことを考えているとエレベーター前に着いたのでボタンを押してエレベーターを呼び出す。

「ここのエレベーター大好きなんだよなぁ」

「急にどうしたの大樹、エレベーターに求愛?」

「いや違うそういう意味じゃなくて。発進する時とか階に着いて止まる時にめっちゃ(なめ)らかじゃん?あと景色良いじゃん?」

「景色良いのは場所の問題だろ」

 2人がエレベーターの待ち時間を潰していると「パーン」というあのエレベーター独特の音で1階に着いたことを教えてくれた。

「ほら、ここの扉のとことか。挟んでも痛くないようにスポンジになってるとかさ」

「ドア閉まったあとは開けられないように硬くなるけどな」

 エレベーターに入り雅夜が18階のボタンを押した。

「ほら、クーラーもあるし!涼しい!」

「それはわかる」

「……ぅうおぉぉぉぉ!!!早ぇえ!!高速移動モード早ぇ!しかもあんま揺れねぇ!!あ!もう着いた!早ぇ!!」

 雅夜は大樹に軽くげんこつを食らわせた。

「いてっ」

「うるせぇ」

「何秒で着いた?」

「9秒」

「ほえ〜、階の半分の秒数で着くのかなぁ〜」

「いいから行くぞ〜」

 エレベーターを出ると右、左、前、に3つ道が分かれている。2人はその左の道を進んだ。道を進んでいくが窓は一切なく高い天井に連続して付けてある照明があるだけで床は跳ねても音が鳴らないくらいの赤いカーペットだ。そのまま進んで左、右、右、左と4回曲がって直線の先を見ると真っ黒なドアに『狂天邪(きょうてんじゃ)』と書かれている。狂と邪の文字は赤く、天は濃い紫という不気味な色合いをしている。

 そのドアの天の文字を押し込み、文字の色が黄色に変わり狂と邪の2文字を同時に押すと文字の色が黒に変わり天だけが黄色く光るとドアのロックが解除された合図だ。ロックが解除されると同時に上の方にドアノブが現れるのでそれを押しながら右へ回すとドアが開いた。

 そこにはネックレスの能力者、睦記とお胸が少し大きな白髪美人、雪稀がいた。

「あ、おかえり〜……ってか雅夜がいる。お前どこ行ってたんだ」

「異世界だよ」

「あら、おかえりぃ2人とも〜。異世界はどうだったかしらっ?」

 雪稀はウキウキしながら2人の元へ駆け寄る。

「めっちゃ襲われるからなかなか大量生産に来るよ……」

「え?大樹そんな疲れてたの?俺はまだ動き足りないんだが」

「雅夜くんは銃で戦うからあまり激しく動かないものねっ。それに比べ大樹くんは格闘系だから動き回らないとダメなのよねっ」

「そうそう……。雅夜ズルいわ……」

「知らねぇよ」

「あ、そういえばネックレスはどうだったよ」

 睦記はネックレスが楽しみなのが顔だけで分かるほどにこにこしながら大樹に聞くと「もちろん」と言ってバッグから3つネックレスを出し睦記に渡した。

「……お、うぉぉぉおおおおお!?!?!?お、お前ら3つもゲットしてきたん!?」

「なんか、ね」

「うん、1個目はモンスターからドロップで、2個目と3個目は外れた手すりの中に入ってた」

「マジかあ……!!すげぇなあ……。えーっと、3重丸の真ん中に緑の石のネックレスと、目の形をした紫色のやつと………………なにこれ、イノシシ?」

 イノシシに腕が生えたようなネックレスを不思議そうに見つめていると大樹が笑いながら答えた。

「ああ、それはね、モンスターからドロップしたやつだよ……くふっ」

「なんでこんな気持ち悪いの!?しかも天然で出来た感ないし!」

「いやモンスターからドロップしたし……多分人工物じゃない」

「ん、そうか。とりあえず能力の確認してくるわ」

「ほーい」

「私も行く〜!」

「いいけど危ないかもしれないから離れて見てろよ〜」

「は〜い!」

 雪稀はテンションの高いまま歩く睦記の腕に胸を押し当てた。

「ぎゅぅ〜っ!」

「……//////」

 睦記は顔を赤くしつつも歩き出し『威力検査室』という同じ階にある部屋に向かった。

 緑色の重い鋼鉄のドアをゆっくり開けると、中は広く3つに部屋が分けられている。1つは威力や能力を計る物が置かれている部屋。『能力計出室』2つ目はその様子を観察出来る場所、魔法加工のしてあるガラスなので相当なことがない限り割れることはない。そして3つ目は休憩室、回復薬などが常時置いてあり当事者、または見物者に何かあった場合はそこで簡単な治療が行える設備が整えられている。

「じゃあ雪稀姉はそっちの部屋で見ててね、危ないから」

「は〜い!」

 睦記は雪稀のいる部屋のすぐ隣の『能力計出室』に入り、ポケットからネックレスを2個出して地面に置き、3重丸の真ん中に緑の石があるネックレスを首にかけた。

「ん………こうか」

 装着するとネックレスを通じてどこをどう動かせばいいか脳内にイメージが湧いてくる。睦記はネックレスから伝わったイメージ通りに動く。右手の人差し指を立て、上に向けると人差し指の先から1cmほど離れて小さくて赤い……というよりはオレンジ色寄りの小さい球が浮いている。そのまま手を動かすと連動して小さい球も指先で動いている。睦記は右にある装置で設定して緩めの矢を自分に向かって飛ばしてみる。そして飛んできた矢に小さい球を合わせると触れる前に矢が焼け焦げて消えてしまった。

「お………焼けて消えたな」

「おー!」

「よくわかんねぇ、銃弾にしてみるか」

 装置を操作し、 銃弾を1発だけ撃つ設定にする。

「パァァ─ボォッ……」

 銃弾は睦記の右を通りあらかじめ構えていた指先の近くまで来ると弾は音を立てて消滅した。

「銃弾でも焼けちゃうのか」

「結局それどんな能力なのー?」

「今んとこ飛んできたものを焼き払うってことくらいしかわかってない」

「ふ〜ん、じゃあその球で自分から攻撃してみたら?」

「あ、その手があった。やってみる」

 装置で人型の人形を出現させ、そこに向かって指を向ける。

「ジジッ……」

「あれっ、全然ダメージない」

「自分から攻撃したらダメなのかなぁー……」

「なのかなぁ。守る専用かな」

「とりあえずそう思っとこ!」

 ネックレスを外し、ポケットに入れ地面から紫色の目の形をしたネックレスを首にかける。

「ボワァン…」と、どこからか──いや、睦記の身体のどこからか音がした。

「睦記!目が!目の色が紫になってるよ!!」

「え?」

 睦記には何も変わったような感覚は無かったようだが鏡で確認してみると綺麗な紫色になっている。

「なんだこれ……どんな能力なんだ?てかあれ、そういえば視力が良くなってるような……」

 元々視力が2.0、と結構視力は良いが、ネックレスをかけて目の色が変わった途端さらに視力が良くなったような感覚だった。

「どーおー?そのネックレスの能力ー!」

「え……あ、いやすげぇ。ズームも出来る。てかめっちゃ視力良くなってんだけど」

「おぉー!じゃあこのネックレスは目が良くなったり、ズームが出来るようになる能力かな??」

「いや、ずっと脳内にどう動くかイメージが残ってるから……それをやってみる」

「はーい!」

 右手を左目に当て眼球には直接触れずまぶたを指で回すような動作をすると視界内にいる人物、動物や物にロックオンが出来るようになる。ネックレスをかけている間はズームや縮小はいつでも行えるためズームしながら目を回しロックオンをすることが出来るためかなり小さいものにまで狙いを定めることが出来る。試しに出したままだった人型の人形をロックオンしておく。

「あ、すごいよ雪稀姉。ロックオンも出来る」

「おぉー!何か発射とかは出来ないの?」

「まだイメージが残ってるから試してみる」

 ロックオンをしたままネックレスの目の部分を人差し指と中指で挟んで力を加えるとその部分に赤く揺らぐ球のような何かが出現し「ギュィィ」と音を立て、指を離すとロックオンした標的に向かい、球が飛んでいく。

「ボォン」

「溶けた……?」

「溶けた……ね」

 球が当たった時球が消えると同時に人形も当たった部分が消滅したのだ。

「人形だから溶けたのかな」

「あ、そーかもね!」

 にょきにょきっと人形が消えたところから再度人形が生えてくる。

「まだあるっぽいからやってみる」

「ほーい」

 さっきの同じように指で挟むようにして、今度は片指ずつ触れるように手を上下に動かす。

「ズバババババババ」

「おおぉぉぉ〜!!!」

「連射だねぇ〜!」

「このネックレス万能だな」

「あ、連射が出来るってことはまさか……チャージして発射、とかも出来るんじゃない?」

「そうなのかな?試してみよう」

 またネックレスを指で挟み今度は長く挟んでみる。

「ギュィィィィイイイイイイイ」

「おおお……溜まってる溜まってる……」

 指を離すと同時に室内に爆音が響いた。

「ビシィィィィィィィィ───バゴォォォ!!!」

「……………………うっわ………威力やっば…………」

「人形どころか周りの床少しエグれてんじゃん……」

「と、とりあえずこのネックレスはここまでにしとくか……まだあと1個残ってるしな……」

「そ、そうね……」

 首にかけていたネックレスを地面に置き、イノシシみたいなネックレスをかける

「ん……これは…………。は?なんだこれ」

「どうしたの?」

「脳内に出てくるイメージのモーションが、腕と脚を大砲で撃ち抜かれるモーションなんだよ」

「え………怖いっ……」

「あ、一応あれやっといてよ。『身体修復術(しんたいしゅうふくじゅつ) 範囲型』」

『身体修復術』とは、術式を発動した時に対象の身体(からだ)の状態をコピー&記憶し、身体に傷や怪我などを負った場合に身体を術式発動時の状態に戻す、という魔術系統の技である。1人に対象を絞ったりして修復速度を早める方法もあるが対象を絞って発動するのはかなりの技量が必要なので完全に修復されるのには1分はかかるが時間さえあれば確実に修復出来る範囲型を使わせることにした。

「おっけー!ちょーっとまっててね〜。……ん〜っと、これでっ、こうか!出来たよ〜!」

「ありがと〜、んじゃやってくる」

「い、一応気をつけてねっ!」

「はいよっ」

 そう言って睦記は装置を操作し大砲を自分の右腕に向け、セットしてから10秒後に発射されるように設定した。

「ポチッ」

 雪稀は修復されると分かっていながらも、もしも治らなかったら、と考えてドキドキしながら手で顔を覆い指の隙間から睦記のことを見ている。

「10、9、8、7、6、5、4、3、2、1──バゴォォォォオオオオオオオン………………」

 爆音。大砲の爆発で煙が立ち雪稀からはよく見えない。3秒後くらいにすぐ見えるようになったが雪稀は()()を見た時、言葉を失った。

「はっ…………………………」

 ガラス越しの目の前に腕が落ちている。すぐさま睦記のいた場所に目を向けるが爆風で飛ばされ少し遠くの床に転がっている。もちろん右腕はなく、肩からポタポタと、血が(したた)っている。

「バァンッッ!!!!」

「ひゃっ…!!」

 ガラスの目の前にあった腕が爆発したのだ。あのネックレスの能力は腕や脚がが飛んだ時に爆発する能力なのか、と雪稀が考えているとふと違和感に気づく。

 普通だったら身体修復術が働き、対象の相手の周りが緑色に光るはずなのに睦記の周りには何もない。

「えっ…………」

 雪稀は急いで身体修復術を発動させた装置を見に行く、が………そこにあったのは。

「電源……オフ……?」

 緑と赤のボタンが隣同士で配置してあり、緑を押せば発動するものの、赤のボタンは装置の電源をオフにするボタンなのだ。どうやら赤のボタンを押してしまったらしい。

「睦記っっ!!!!」

 めいいっぱいの声で叫ぶが睦記は目を開いてにこっ、と笑うが、その光景に雪稀は顔を真っ青にして絶望するのだった。

どうだったでしょうか!

これからはあまり忙しくなくなると思うので投稿頻度は少しは多くなると思います!貴重な読者を大切に……。これからもお願いします!!

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