ラルテ・ザリアへの道のり
本当にごめんなさい!!2話からかなり日にちが経ってしまいました!!ずっと寝てたりアニメ見たりゲームしたり……で結局小説全然書けてなかったんですよねwwいわゆる『サボり』ですね、もっとまともに書きたいですw
今回も戦闘シーン入りましたね、前回よりアクションが豊富だと思います!!こんな長々しく前書きをすみませんw
ではどうぞ!!
大樹は3人組のチンピラを倒し、ラルテ・ザリアへ向かっていた。何やら妙に視線を感じる、視線の正体はすぐわかった。戦っている時にどっちが勝つかを見ていた他の連中だと思う。戦闘の行動パターンを観察するには砂で見えないのでせいぜいわかるのは勝敗くらいだろう。3人で武器を持って襲ったにも関わらず1人で倒したので少し目立っている状況である。きっとすぐ次の連中が襲いかかってくるのでその前に何かしらの手を打たなければならない。大樹の戦い方は主に手足を使って戦うので近接戦闘は得意だが敵が遠い場合は近づかなければならないので危険が増す。その為遠距離攻撃のできる味方がいるととても心強い。もっとも、しっかり息が合うようなやつでないと悲惨なことになりかねないが。だが今は1人で異世界に来たので当然仲間などいない。どうにか遠距離攻撃への対策をとらなければ行けない。そこで大樹はバッグから自分の持ってきたチョコを取り出した。四角いチョコで、左右から引っ張ると中身が出る仕組みのキャンディによくある包みだ。一見何の変哲もないチョコ、舐めても美味しい味がするだけで特にこれと言った特徴はない。普通の人が舐めれば、の話だが。大樹は口に入れた物で効果が変わる能力者だ。包みを開いてチョコを口に運ぶとチョコは口の中で徐々に溶けていった。チョコはチョコでもホワイトチョコやビターチョコなどで効果が変わるが、今回舐めたのは普通の特徴のないチョコだ。このチョコの効果は───
「よぉあんちゃん、さっきの勝負見てたぜえ。なかなかやるじゃねぇかよ。ちょっち俺らともやんね?」
まためんどくさいのが来たようだ。大きな体に似合って声が低い。
「めんどくさいですよ……やって何になるんですか」
「やって何になるだぁ?金目のものとストレス発散以外に何があるんだよぉ」
大樹は「はぁ」とため息をつくと少し脚を伸ばして太腿の筋肉と脛の筋肉をほぐした。
「なんだ、やる気みてぇじゃねぇか。お前ら出てこぉい」
そう言って大柄の男は後ろを振り返って手招きした。すると奥から5人、そのうち3人は拳銃持ち、2人は蛍光色の緑の線が何本か入っている以外真っ黒という変わった靴を履いている。きっとこの靴は速度補助型の靴といって一般的には黒靴と呼ばれているものだと思う。走る時に足を踏み込むと靴に自動で魔法がかかり走る速度が飛躍的に上がるというものだ。こんなもので追われたら逃げ切れるわけがない。
さぁどうする、どうやって戦う。先に厄介な黒靴を履いた2人を倒すか?いやそんなことやっている間にきっと銃で撃たれる。だがそれよりも重要なのが真ん中にいる大柄な男の攻撃方法がわからないことだ。なぜあんなにも余裕そうに不気味な笑顔をしている?確かに拳銃持ち3人に黒靴を履いているのが2人、この時点でも普通に考えたらきっと敵の方が勝率は高いだろう。そんなことを考えていたら3人は既に銃を構えていた。
「マズい……!!」
右の人は右足の太腿を狙ってきている。真ん中は右腕を狙っている……?身体の中心を狙うには少しズレている。そして左は迷わず頭を狙っているようだ。これは左に避ければ全弾かわせることはすぐわかる。だがこれはわざと右を中心に狙っているのか?だとしたら狙いはなんだ?そんなことを考えていたら既に引き金を引き始めていた。悩んでいる暇はない、左だ。
大樹は身体を左に移動させる。予想通り全弾避けられた。だがそこで違和感に気づいた、黒靴の2人が目の前から消えている。消えたことに驚いている途中、左から何かが迫ってきている。黒靴の1人だ。拳を真っ直ぐこちらへ向けている。きっと加速した勢いで殴り飛ばすつもりだ。だが特に工夫もないパンチなので少し後ろに移動して避けると綺麗に目の前を駆けていった。が、その直後何やら背中に突き飛ばされる感覚と痛みを同時に感じた。もう1人の黒靴が大樹の背後に回って 走ったスピードを使ってそのまま拳で大樹の背中を殴り飛ばしている。「ドンッ」という鈍い音のあとに「……っあぁ!!」と痛みを感じた大樹の声が聞こえ、前へ真っ直ぐに飛ばされていく。飛ばされた先は最初に話しかけてきた大柄な男だ。………丸い、球?水色の丸い球を胸の前で手のひらに置いている。
「さぁ!俺の力でくたばれぇ!」
水色の球から同じ色の槍状の物が出現しこちらを向いている。
「マズい……このままいったら刺さる……。」
アレをやるしかない……。自分の胸、正確にはみぞおち付近に一瞬、強く念じる。すると身体は下から風が吹いてきたかのようにふわりと跳ね上がりマンションの3階くらいの高さまで上がった。身体は下を向いていて無防備だ。もちろん何の考えもなく跳んだのではない。
「良い、戦いだった……」
そう言い残して大樹は少し微笑みながら空中で目をゆっくり閉じた。
「………───ッスパァァン!!」という大きな音がした、それと同時に大樹は既に地面に到達していた。目を閉じた瞬間に急加速し、瞬く間に地面へ到達した。胸に念じて跳ね上がり、目を閉じて一瞬で地面に着く、これが先程舐めたチョコの能力『フローゼント・レイ』だ。この技を使って地面へ着いた直後、硬直や反動がなく即動けるのが利点だ。問題は空中は無防備、というくらいだと思う。
地面に着地すると衝撃で砂ぼこりが舞う。それを目くらましにして黒靴の1人の後ろに回る。この状況での勝つ確率は絶望的だ、だが……。
「……ああっ!?」
黒靴の1人が小さめな声を漏らす。敵の背後に回れた大樹はそのまま……膝カックンをした。それに驚き声を漏らした敵はそのまま跪いた体勢となり大樹に無防備な姿を見せている。その背中に容赦なく全力でかかと落としを入れると骨の砕けるような音と共に地面に倒れ込んだ。次の標的……残りの黒靴の1人以外ありえない。黒靴を使って間を詰められたらどうしようもない。
そうして大樹は足に力を入れ息を吐く。するともう1人の黒靴の2m前に瞬間移動した。『自分から50m以内の目視確認が出来る生物を対象に相手の2m前に瞬間移動が出来る』これがフローゼント・レイのもう1つの効果だ。ただ2mとなると少し距離が空いているのでそこも対策が必要だ。
「パァン!」
手を伸ばし敵の顔の前で猫だましをして相手を怯ませその隙に足を強めに踏みつけた。痛みに悶える中左手で敵の左手首辺りを掴み引っ張ると前傾姿勢になりバランスを崩した。大樹は敵の左肩に自分の肩を合わせ倒れてきた勢いを使ってそのまま前へ投げ飛ばした。
残りは拳銃3人と大柄な男1人で4人。目くらましにした砂ぼこりは風に流され大樹の姿は敵からハッキリ見えるようになっていた。既に3人ともこちらに拳銃を構え大柄な男は水色の槍状の物を数本出現させている。大樹を中心に10mくらい離れ4人が円形になって囲んでいる。“……これはあまり使いたくなかったが、使うしかない”。バッグに手を伸ばすと大柄な男は水色の槍を5、6本を大樹の約2m頭上に構えいつでも刺せる状態、3人は同時に大樹に向かって銃を撃つ。それを地に伏せるように屈んで避け同時にバッグを開け、ここに向かう途中に会った男の人にもらった赤くて丸いガムを手に取り口に放り込んだ。右の奥歯で思い切り噛むと全身に力がみなぎり身体が軽くなったような感覚になった。
「死ねぇぇあ!!!」
その叫び声に応じて槍が容赦なく大樹を刺した…………かのように思えた、が実際は砂の地面を突き刺していてその頃には大樹は既に大柄な男の出っ張った腹に向かって低い姿勢から真っ直ぐ右ストレートを放つと腹は思い切りへこみ血を吐きながら鈍い音を残して勢いよく飛んでいった。振り返ると3人共引き金を引く直前だったが引いた頃には既に1人の敵の横に立って蹴る構えをとり、右足を上げボールを蹴るように敵の横っ腹を蹴り飛ばす。蹴った反動で少し後退したのでその勢いを加速させてもう1人の銃持ちの肩に後ろ向きのまま肘を入れた。入りどころが良かったのか綺麗に吹っ飛んでいった。残りは横に1人、少し楽しませてもらおう。敵の顔は一瞬の出来事に驚きながら恐怖で強ばっている。それでも震えながら銃をこちらに向けているから大したものだ。
左足を踏み込み地面を蹴ると一瞬で敵の目の前まで来たので右足で銃を思い切り蹴り上げると空高く……ではなく威力が強すぎて粉砕した。銃を握っていた指も何本か一緒に粉砕してしまったようだ。
「ぐっ……がぁぁっ……!」
相手は呻き声を上げるが大樹は目の前で目を大きく開いて歯を見せながら笑い、こう言った。
「っふふ。じゃあね、さようなら」
苦しみながら膝を地面に着いている目の前の敵の真後ろに回り背中合わせになるような形の状態から両手を前の地面に着き両足で後ろの敵の両肩を蹴り飛ばすと勢いで顔を地面に埋めた。地面は砂なので強打しても顔の骨が粉砕、などとはならないだろう。丁度このタイミングでガムの効果が切れ身体が重くなり全身の力が少し抜けたような感覚がした。
「このガム効果切れた後めちゃくちゃ疲れるな……。この状態でラルテ・ザリアに行くのか……」
だが留まっていてもまた襲われるかもしれない、向かうしかないな。
そうして大樹は再びラルテ・ザリア向かい重い足を動かしていった。
歩いてる途中急に脳内にノイズ音と共に声のような音が聞こえだしてきた、これはなんだ?
「──き〜、大樹〜、聞こえる〜?もしも〜し」
「ん!?」
声を聞いてビックリした。
「睦記か……?」
「おー聞こえてる!!そそ!睦記だ!そっちでの調子はどうだぁ〜?」
「いやいやいやちょっとまてよ、どういうことだよ、これ」
「ついさっきね、雪稀姉が来てね、お土産だって言ってネックレスくれたんだよ。」
「へぇ〜」
「心配すんな、お前のもあるってさ」
「お、そりゃラッキーだ」
「それでネックレスの効果が、通話したい相手の顔を思い浮かべると口に出した言葉が脳内に音声が流れるんだって」
「そりゃ便利だな」
「便利どころじゃないよ、異世界にいるお前にも繋がったんだから」
「あっ確かに、すげぇな!」
「だろ!んで、そっちの調子はどう?」
「散々だよ、とんでもないところ来ちまった。既に2連続で集団に襲われたよ」
「マジか……そりゃ災難だな。ま、大樹ならなんだかんだで大丈夫だろうな」
「普通に危なかった」
「てことで引き続き異世界での冒険頑張ってくだされ、俺は雪稀姉と待ってるわ」
「どっちかっていうと冒険ってより探索だな。おうおう待っとけ」
お互いの脳内に「ブチッ」という音を最後にネックレスの能力は消え、何も聞こえなくなった。
楽しんでいただけたでしょうか!
ヒロインらしき人物がやっと出てきました!!これまで男キャラしか出てこなかったので初めての女キャラですね!見てくださってる方々、これからも暖かい目で見てくれると嬉しいです!!
次も頑張って早く書きますねw