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木がウザくなりました

投稿遅れましたね、2話目です!書いてるうちに戦闘シーンが入れられないような気がしてきたんですが入れられましたのでぜひ見ていってください!!前回より文字数が多めになりましたが許してください。m(_ _)m

 目を瞑った大樹はゆっくり一歩一歩地面を踏む感覚に集中しながら歩いている。

「長いなあ…もう30秒くらい歩いてんぞ」

 歩いてる途中に喋ることは問題ないが目を開いてしまうと視界が一気に暗転、現実世界と異世界の狭間(はざま)に転送されてしまう。戻れるには戻れるが戻り方が大声で叫びながら思いっ切り目を開いて後ろ向きに走りまくるという奇妙な戻り方なのでやりたくはない。なんてことを考えていたら脳内に流れていた音が消え始め靴に小さい何かが当たるような感覚がたくさんした。

「着いたかぁ〜っ!!」

 目を開くとそこには大草原が広がってる。木々が少しあるが人は全くいない。少し遠くに低めのビルのような建物がある。きっとビルの反対側に1人いるのだろう。この大草原に一度に存在出来る人数は2人で5分間以上いると現実世界に戻されてしまう。かと言って一度に異世界に行ける人数は2人というわけではなく、大草原は複数存在していて一気に行った場合は複数の大草原に分散される。一通り周辺を見回してから大樹はビルへ向かった。

「な、なんでドアが木の引き戸なの……。ビル自体は近未来感ハンパないんだけど……」前に来たときは普通の自動ドアだったのになぜだろうか。

「この度はお越しいただきありがとうございます。」

 ビルに入ると案内役のお姉さんが挨拶をして礼をしてきたのでこちらも礼を返す。

「本日はどのようなご要件で?」

「能力発動系のネックレスを探してるんです」

「それでしたら……少々お待ちください。あ、ここなんてどうでしょうか」

 と言って空間にタブレット画面を表示させた。

「モールルフィック……?」

「はい、こちら木材が中心の地域でして最近木製の物が流行ってるので人気なんですよ」

「マジっすか……」

 なんで今流行ってるんだ!?と全力でツッコミたかったが心の中に留めておこう。

「ショップなどで売っている作られたネックレスなどもありますが探索すると天然物の木製ネックレスも発見することも多々ありますね」

「それは良いですね!ここに行きます」

「わかりました、ではこちらにお掛けになってお待ちください。」

 入る場所は正面で、上下共に穴がない筒型の装置の中にあるとてもふんわりした椅子に座らされた。………………めっちゃ気持ちいいこのまま寝れるぞこれ。

 この装置は『魔法補助式転送装置』と言って外から転送魔法をかけて動かすというものなので必然的に転送魔法の使えるものが外にいるのが基本だ。

「では、閉めますね〜」

「は〜い」

 返事をするとすぐに上下から厚い扉のような何かが閉まって目の前が暗くなり何も見えなくなった。座りながら待っていると青白い縦線が見え始め、それと同時に外から少し声が聞こえる。

「転送しますね〜!準備は大丈夫ですか〜?」

 きっと大きな声で言ったのだろう、こちらも大声で返す。

「いつでも大丈夫ですー!」

「了解で〜す!では転送まで10秒前、9、8、7、6、5、4、3、2、1、行ってらっしゃいm………」途中で声が途切れてしまった。「カカココカカココ…………キュイィーーン!」といった最初は耳に響くような高い音が数秒毎に鳴るがだんだん音が低くなってくる。その音が消えて「ピシュゥーーー……スパッ」という空気が抜けるような音がする。その音がしたら転送先に着いた合図だ。すると目の前がだんだん明るくなり始めてきた。厚い扉のようなものは開くときは扉が薄くなっていき消えていく。

「んん…ああぁ〜〜っ!!」

 大樹は椅子から立って装置から出た。大きく伸びをして周りを見た。最初のビルと似たような内装だ。ただ違うのは若干広く深緑色をした花の入った花瓶が置かれていたり水色のふんわりとした見た目のソファがあったり………と室内の物を確認していくうちにふと気づいた。「……なんだこれ、木ばっかじゃん……。」花は流石に本物だが花が入っている花瓶も、ソファだと思っていたものも何もかもほとんどが木製だった。転送装置以外本当に木製しか見当たらない。一通り室内を見渡したところで転送先のビルにいる案内役のお姉さんに質問をした。

「案内所ってどこにありますか?」

「ここですよ」

「あっ、ここですか。では聞きたいんですが、天然の木製ネックレスが採掘出来る場所ってありますか?」

「ありますが、効果はどのようなものですか?」

「能力発動系です」

「わかりました。では、こちらはどうでしょう。《ラルテ・ザリア》と呼ばれる穴がたくさん空いている場所があるのですが〜……非常に危険でほぼ人が立ち寄らないんですよ……。」

 こ、この人急に危険なとこ紹介してくんのか……。

「マ、マジっすか……危険というのは、どのような危険なんですか?」

「まず、ラルテ・ザリアに向かう途中に砂が吹いてくる場所があるんですよ。そこに窃盗団や暴力団など危険な連中が縄張りにしているところなので、人が通れば襲いかかってあらゆる物を盗んでいくんです。なので50人くらいのチームで行けばあまり襲ってきません」

「そんなに危険なんですね……。他の場所はないんですか?」

「あるにはありますが〜……ほとんど他の人に取られていると思います」

「……わかりました、アドバイスありがとうございます。ラルテ・ザリアに行くことにします」

「あっあの、あと1つ言い忘れたんですが、ラルテ・ザリアにもかなり強いモンスターなどが出現しますので……」

「行くまでの道のりも危険なのに着いても危険なんですね……」

 大樹は苦笑いをすると相手も「はは」と苦笑いを返してきた。

「じゃあ、行ってきますね」

「はい、気をつけてくださいね。無事を祈ります」

 お姉さんに軽く礼をして扉に向かう。……うん、やっぱり木の引き戸だよね。扉を開けるとそこには………色とりどりの現代感溢れる景色が広がっていた!古くさい木の街、みたいなものだと思っていたから思わず「お、おぉ〜……」と声をあげてしまった。地面はカラフルな色使いがされていて建物も緑色や青色、薄い黄緑やとても濃い緑………なんか緑多くね?ふと右前方を見ると『看板だよ』と青文字で殴り書きされた看板があったのでそちらの方向へ歩いていくが、途中で地面を踏む感覚と音に違和感を感じた。

「まさか……」

 地面も木だった。踏む感覚はコンクリートのように固くはなく、音も木の板を踏むような音だった。この街に慣れるのは少し時間がかかるかもしれない。コンクリートに見える木の地面を歩いて看板の前に立つと『看板だよ』の文字は消え電子地図が浮かび上がった。

「ええっと……ラルテ・ザリアはどこだ。てかこの街ビル多いな。お、あった。」

 ラルテ・ザリアは現在地から右前方の方向にあるようだ。そちらへ向かおう。

「なんだろう、この変な感覚。普通の街にいるような感じなのに木の匂いがする。てかさっきの看板も木だったなあ」

 呟きながら歩いていたらコンビニのような施設を見つけたので入ってみる。中は普通に現実世界のコンビニと同じような内見だ。ほとんどのものが木製というのを除けばだが。普通に食料や飲料水もあったが即効薬というのが気になったので1個買ってみる。コンビニを出て即効薬の説明を読むと、軽い傷なら液状のジェルを傷口に塗ればすぐ治るらしい。重症だと治りが早くなるらしい。3回分入って4500円、高いのか安いのかわからないが痛い出費だったことには間違いない。お金は現実世界から異世界に来るときに同価値のコインに変わるので問題ない。

 即効薬を持ってきた肩掛けバッグに入れて再び歩き出した。

 歩いている途中何チームかに誘われたが全て断った。50人くらいのチームで行けば安心、的なことを言ってたが大樹にとってテキトーなチームメンバーなど邪魔にしかならない。相性のあった人じゃないと調子が出ないので1人で行くことにした。だんだん建物の数が少なくなってきたころ、傷だらけで街に戻る人達と多々すれ違った。きっとチームで向かったが返り討ちにあったのだろう。そんな人達が多くなってきた時にシャツ1枚にパンツ一丁、やや小太り、本当にちょっと。普通よりほんの少しだけ太った体型の街に戻る人に話しかけられた。

「あんた、ラルザリに行くのか?」

 声は少しガラガラだ、きっと戦闘で喉にダメージを受けたのだろう。

「ラルザリ、というのはラルテ・ザリアの略称ですか?」

「ああ、そうさ」

「これから採掘に行くところです」

「チームの人はどこ行った」

「いえ、俺1人で行くつもりです」

「あ、……あああんたバカか!!!死にたいのか!」

 声が少しばかり震えながら怒鳴られた。

「えっ……あっ」

「あんなところに1人で行くなんて自殺行為だ!普通50人くらいで行くってのが常識だろ!」

「え、あ、いや……少し偵察をしてその後にチームで行くつもりです……」

「あんたさっき採掘行くって言ってただろ!!!」

 完全に忘れてた……。

「な、仲間とかは息が合わないと調子狂っちゃうんです……」

「ふん、まぁいい。あんたの勝手だ。……これ持ってきな、あっちで結局使わなかったから上手く活かしてくれよ」

 赤い丸いガムのような食べ物を1個くれた。噛むと一定時間攻撃力と瞬発力が上がると言う。

「あ、ありがとうございますっ……。」

「死ぬなよ、少年」

 そう言ってその人は去っていった。あとは目的地まで歩くだけなのだが、その前に案内所のお姉さんが言っていた、砂が吹いてくる場所で敵が待ち構えているはずだ。まずはそいつらを倒さないとラルテ・ザリアにはたどり着けない。

 そんなことを考えているうちに砂が吹いてきて地面が砂で見えなくなってきた。

「おいおいー、兄ちゃんこんなとこで何してんだぁ??」

 早速チンピラ3人組が絡んできた、さてどうしようか。

「とりあえず、金だそっか」

 金髪の強面が顔を近づけて言ってきたが強気で反論してみる。

「嫌ですよ、誰が金なんてあげるかよ」

 語尾で盛大に笑って煽ってみる。

「……あ゛ぁ?おい、こいつやるぞ」

 予想通りキレてくれたのでこちらもやりやすい。

「了解ですっ」

 と言って両サイドの2人が短刀をこちらに向けている。この3人組のリーダー的存在なのだろうか、金髪の強面は銃を向けている。

「やれ!!」

 号令がかかった瞬間、短刀を持った右の男が横から襲いかかってくる。右の相手が短刀を振り下ろしてきたので左手の甲で振り払うようにして横に払った。そして半身のまま相手の懐に潜って肘で腹から胸にかけて3連発、「ドンッ ドンッ ゴンッ」と強く突く。腹と胸に肘打ちを食らって苦しみ悶える中、軽く突き飛ばして残り2人を確認する。1人は走って短刀で刺しにこようとしている。もう1人の金髪の男は銃をこちらに向け引き金を引こうとしていた。大樹は右足で地面を蹴り猛スピードで金髪の男のところまで駆け寄った。距離は5m強くらいだったので一瞬で間合いを詰めれる。少し手を伸ばせば当たる距離になった時に銃弾を放ってきた。銃口は胸に向いていたので撃たれる寸前に右膝の力を抜き屈んで銃弾を避け、そのまま左足を前に出し体を横にしながら右手を地面につき、足の裏で相手を押すように腹を蹴飛ばした。かなり強めの威力で蹴ったので口から血反吐を吐いていた。後ろにはまだ1人、短刀を持って刺しに走って向かってきている。大樹はまだ体勢が地面に右手をついて左足を右足の後ろに着地させてある状態だ。そこで右手と右足の間右足の前に左足を移動させると右足が自由になる。少し前進しながら低い体勢のまま右足を滑らせるように動かし相手の足首の上部分にヒットさせる。相手はそのままバランスを崩し体が斜めになっている。大樹は右足を動かした遠心力を使いそのまま回転して斜めになっている相手の腹に左肘を思い切り打ち込む。当然腹筋に力を入れられる状況でもなかったので素で肘が入り苦しみ悶えている。最初に肘で3発突いて突き飛ばした相手は恐怖で腰が抜けて立てないようなのでこれ以上やる必要がないと思ったので3人組は放置して歩き出した。

「ここ、あまり大したことないかもな」

 大樹はそう言ってラルテ・ザリアに向かった。

読んでいただきありがとうございます!!どんな感想でも何でもお待ちしておりますので遠慮なくどうぞ!!引き続き読んでいただけたら幸いです!

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