第六話 試作型ゴーレム(下)
エトヴィンは地下を出ると、そのまま母の部屋へと向かった。部屋の前についた彼は、扉をノックする。
「母上、エトヴィンです」
「どうぞ」
エトヴィンが許可を得て部屋の中へと入ると、イスに座っていたクリスティーネは微笑みで彼を迎え入れた。ここ最近は彼が頻繁に部屋に訪れているため、彼女は落ち着き払っている。それでも、その表情は彼に対する慈愛と喜びがあふれていた。
クリスティーネはいつものように彼にイスを勧めると、そのまま紅茶を入れ始めた。
「それでエヴィン、昼食が終わって直ぐ来るとは珍しいですね。どうしたのですか?」
「実は研究が行き詰ってしまって……解決する為に欲しい物があるのです」
まるで叱られた子犬のようにしゅんとしてしまったエトヴィンに、クリスティーネは慌てた様子で彼を励ました。その様子は傍から見ればご機嫌取りをしているようにも見える。
「何がほしいのッ!? 本? それとも魔物の素材?」
「えっと……龍の逆鱗です」
「龍の……逆鱗……?」
彼女は一瞬自分の息子が何を言ってるのか分からなかったようで、再び聞き返した。
龍の逆鱗は、そうそう手に入るものではない。どの龍種から取れたものなのかによってその値段は変わるが、高いものになればその一枚で城が建つほどだ。
当然、エトヴィンが要求しているのは出来るだけ頑丈で魔法利用効果が高いもの――つまり、出来るだけ高価なものを要求している。
「はい。今やっている研究にどうしても必要で……お金は自分で出しますから……だめでしょうか?」
彼は九歳ではあるが、新しい魔法を公開したときの出る国からの報奨金によってすでに莫大な資産を築いている。その金を使えば、龍の逆鱗を買う事は確かに容易である。
「いえッ! エヴィンがお金を出す必要はありません。私が何とかして見せます」
「本当ですかッ!?」
サプライズ受けたかのように大げさに喜ぶエトヴィンの露骨な反応に、アスカは白い目を向ける。素の性格を知ってしまっている彼女は、エトヴィンがそんなことを絶対にしない人間だと知っているからだ。
「母上、ありがとうございます」
「いいのよ。エヴィンが頑張っていることは私もよく知っているわ」
当然、クリスティーネが知っているのは彼の表面上の研究成果のみである。奴隷を買って実験に使っていたことは彼女も把握しているが、自分の息子が買った奴隷を肉片になるまで解剖実験していたなど夢にも思っていないだろう。
エトヴィンは両親から買った奴隷がいなくなったことについて聞かれたことがあったが、「過酷な実験につき合わせてしまったため実験後開放してあげた」と伝えていた。事実、秘密にするような実験ではなく、なおかつ死ななかった場合には実際に奴隷を解放することもある。そのせいもあって、エトヴィンの両親が彼を疑うようなことはなかった。
「なんの龍のが必要なの?」
「モーント・ドラゴンかゾンネ・ドラゴン。無理ならば最低でもツァオベラー・ドラゴンのものは欲しいです」
「……」
彼の言葉に、流石のクリスティーネも笑顔のまま固まった。彼の要求しているドラゴンは、一流の冒険者達が複数のパーティで協力し、最低でも小隊規模のメンバーで討伐するようなものなのだ。安全第一で討伐するならば、中隊規模のメンバーを組むことすらある。
そんな一流の彼らが命を賭けて討伐した龍から一枚しか取れない逆鱗の価値は、青天井とは言えないまでも莫大である。
だが親馬鹿である彼女は、息子の初めてのおねだりを拒否できるほど人間が出来てはいなかった。
「やっぱり……だめですよね」
「いいえ、大丈夫よ。もしアルフが何か言って来ても私が説得してあげる」
「本当ですか母上ッ! ありがとうございます!」
まるで母と子の感動の再開といった様子でエトヴィンとクリスティーネは抱き合った。
そんな彼らの様子を部屋の隅に控えて立っていたアスカは見るに耐えないと言った様子で、片手で目を被い項垂れた頭を力なく振った。
目的のものを手に入れる約束を取り付けたエトヴィンは、クリスティーネとしばらく会話をした後、研究の続きがあるといって彼女の部屋を後にした。しかし、エトヴィンは自室へと戻ってきて何かを書き綴っていた。
「それで、私に見せたかったのはあの茶番劇なのですか?」
「母上のテンションに合わせただけだ。そう目くじらを立てるな」
「しかし、よくもまああんなに臆面もなく母親を騙せますね? ご主人様のそういうところは、素直に尊敬します」
「敬うべき主に対してなんて言い草だ。君はいつも私を悪者にしたがるが、あれはWin-Winな関係というものだ。私は目的のものが手に入り嬉しい。母上は息子から頼りにされて嬉しい。ほら、誰も損していない」
「そう言われるとそんな気がしてくるから不思議ですね」
通常の親子愛とはそういった利害関係の外側にあるものだろうが、そこに疑問を持たないあたりアスカもかなりエトヴィンに毒されてきているのが伺える。
「しかし、ご主人様が欲しがっていたものが龍の逆鱗とは驚きました。それもモーント・ドラゴンの……よく許可が出ましたね」
「いや、もともと断られるとは思っていなかったさ。アレくらいのものならば、私の貯めていた資金で十分購入出来る範囲のものだからな」
「今まで聞いたことがなかったのですが、ご主人様の資産は一体どれほどあるのですか?」
「そうだな……正確な金額は私も覚えていないが、家に入れた金を覗いても、城を一つ買って釣りが返ってくるくらいはあったかな」
「……なるほど。念のために聞いておきますけど、そのお城は小さなものですよね」
「そこは君の想像に任せるよ」
アスカはその余裕が垣間見える返事を聞き、おそらく相当大きな城を買っても釣りがくるのだろうと予想した。そして、その予感は的中している。
彼が公開した新しい魔法の半分ほどは、戦闘には利用しづらいものだ。しかし、もう半分の魔法は大幅な戦力強化を図れる魔法であり、その中には軍事戦略に大きく関わるようなものも含まれている。
前者の魔法の報奨金は多額ではあるが常識の範囲内なのに対し、後者の魔法の公開に与えられた報奨金は桁が一つ二つ違っている。
「これで良いだろう」
エトヴィンは何かを書き綴った紙をポケットへしまうと、そのまま椅子から立ち上がった。
「さて、今日中にやっておきたいことは……とくにないな。しいていうならアレか」
「アレ……ですか?」
彼の言うアレが示唆するところが何か分からず、アスカは首を傾げた。
「ああ、アスカ。研究室の机の上に小さな人形が二体置いてあるから、金髪の方を中庭まで持ってきてくれないか?」
「かしこまりました」
エトヴィンが言うアレの意味がアスカには分からなかったが、従者として命令されればただ粛々と従うのみである。彼女は綺麗にお辞儀をすると、エトヴィンの自室を後にした。
彼女はしばらく廊下を歩いていると、いくつもの視線が自身に突き刺さるのを感じながら、その嫉妬にも似た視線にある種の優越感を抱きながら、堂々と廊下を歩いて行った。すれ違う彼女の同僚であるメイド達は、すれ違うたびに彼女を避けるようにして歩いていく。
アスカがエトヴィンのお気に入りだというのは、この城では周知の事実となっている。それは、かつてエトヴィン付きのメイドを変えようという話があがった時、エトヴィンが強い口調で拒否したことに起因する。
その時の光景を、アスカは昨日のことのように思い出せるほど、強く心に刻んでいた。当時のことを思い出し恍惚としそうな自身を戒め、まじめな表情を取り繕いながらエトヴィンの研究室へと向かった。
石レンガの階段を下りて行き研究室へと入ると、目的の人形は直ぐに彼女の目に留まった。彼女はまるで何かに引き付けられるようにして、その人形へと近づいていく。
一方はエトヴィンが行ったとおり、小さな金髪の人形である。幼い印象のふっくらとした頬に小さな口、透通るような大きな碧眼の瞳に、薄暗い研究室内でも輝くように見える金髪。赤を基調とした、白いフリルが大量に施されたそのドレスは、一目で高級なシルクで仕立てられていることが分かる。実際に手にとってみるとその手触りから、おそらくアスカが持っている私服の数十倍も値が張るのではないかと彼女は思った。
アスカは何故かその人形から目が離せなくなっていた。その美しい人形は、しかしよく見てみると全く違った様相に見えてくる。
大きな瞳はギョロリと見開いているのに対し、その小さな口は両端がわずかに吊り上っており、そのアンバランスさに言い知れぬ不気味さを感じると同時に、その人形になんとも名状しがたき生々しさを彼女は感じた。
その不気味さと湧き上がる不快感から目をそらすようにして、アスカはもう一方の人形へと目を向けた――なぜか、今まで全く視界に入ってこなかったもう一方の人形へと。
その人形は、華やかな金髪の人形とは全く違い、とても地味な様相をしていた。
艶のある漆黒の長髪に、赤を基調とした落ち着きのある着物。白粉を塗ったように不自然に白いその肌は、薄暗いこの研究室の一角においても、とても浮きだって見えていた。
「ひっ……」
だが、その全ての特徴がどうでも良くなってしまうような、一等ひどく不気味な特徴にアスカは思わず悲鳴を漏らした。
その人形の顔には、あるはずの二つの瞳がなかったのだ。
後からえぐり抜いたのか、元から未完成のものなのかは判別がつかないが、その背筋に怖気が走るような不気味さから、アスカが前者を連想してしまうのは仕方ないことだろう。
グロテスクなものにはある程度の耐性がある彼女も、純粋な未知のものとたった一人で遭遇してしまう恐怖には耐え難いものがあったが、それでもエトヴィンに対する信仰にも似た忠誠心から、彼女は乱暴に金髪の人形のみを掴むとそのまま逃げ出すようにして研究室を飛び出していった。
「ウフフフフフフフフフフフ……」
黒髪の人形のみが残されたその研究室には、鈴を転がすような笑いが響いていた。
「ご主人様……お待たせして……申し訳ありません」
アスカは中庭へ来るや否や、そこで待っていたエトヴィンに持っていた人形を押し付けるようにして渡した。
「ここからだと少し距離があるからそれは構わんが……どうしたんだ?」
「いえ……なんでもありません」
エトヴィンはアスカの様子を疑問に思い口にするが、彼女はそれを誤魔化すしかなかった。何か明確な危険が迫ったわけではなく、ただ純粋に気味悪く思ってしまっただけなのだ。それも、その対象が自らの主が作ったと思わしきものならばなおさらそんなことは言えなかった。
「さてと、早速始めようか」
「えっと、ご主人様。その人形で一体何をなさるのでしょうか?」
「昼にやったのと変わらんゴーレム実験だよ。この人形も私が作ったゴーレムだ」
「えッ!?」
その人形がゴーレムという事実に、アスカは驚愕し主の手にあるその人形をもう一度まじまじと凝視してしまう。
ゴーレムといえば、土や鉱物で形作られているのが一般的である。というよりも、一般的に魔法で作られるゴーレムとは即席で作られる労働力という認識である。そのため、人がゴーレムを作る際は何処にでもある土を使うのは当然のであり、魔物として自然発生するゴーレムの場合も、当然自然界にある鉱物や植物が素体になる。
そういったことに加え、この世界はそもそもこのような人形が発達していない。アスカは上質な服を着て人型を完全に模したゴーレムなど寡聞にして聞いたことがなかった。
「これがゴーレムですか……」
彼女は先ほどは慌てていて気付いていなかったが、よくよく思い返してみればその人形は人肌のようにやわらかく、その感触は実際の人間の皮膚を想起させる。
「ああ、試作品ではあるがね。いろいろ試したが、やはり素材には実際に人を使うのが手っ取り早かったな」
「ッ……ご主人様、それは……」
「恐らく君の想像通りだよ」
主の言葉を一瞬理解出来なかったアスカだが、その言葉の意味を正確に把握するとその余りに冒涜的な行為に身の毛がよだち、体が小刻みに震えだす。彼女は何かから身を護るように両腕で自身の体を抱きしめるが、その震えが収まることはなかった。
そんな従者の様子を見ても、やはりエトヴィンは咎めるようなことはしない。
「顔が青ざめ震えているな。そんなに私の行いは気味が悪いか?」
「い、いえ……そんなことは……?」
震える喉から必死に声を絞り出すアスカだが、やはりその声はか細く震えたものしか出てこない。
「いや、別に咎めているわけじゃあない。むしろその感覚を忘れないでくれると私としては助かるんだ。私はどうにも常人とは思考や感覚がだいぶズレているようでね。常識的な感覚を持つものがそばにいてくれると私としても助かるんだ」
この世界に生を受け、エトヴィンにもある程度常人の思考が理解できるようになったし、徐々に身についてもきた。だが、それでも彼の本質は斉藤裕樹という猟奇的な人形愛好者である。たかだか九年と数ヶ月の生で、二十年以上積み重ねられた彼の人格が完全に塗りつぶされることはない。十数年も経てば、また彼の人格は違ったものになるのかも知れないが――。
「少し長話が過ぎたかな。アスカ、気分が悪いというなら部屋に戻っても構わんよ。この実験で、さらに気分を害することになるかも知れんからな」
「いえ……私もご主人様の偉業をそばで見届けます」
吐き気すら催しそうなのを押さえ、アスカはそれでもエトヴィンのそばに付き添うことを選んだ。
「偉業か……それほど大げさなものではないんだがね。全く、君も変なところで頑固だな」
そんな彼女の様子を見てエトヴィンは呆れたようにため息をつくも、彼の言葉にはわずかな慈愛が籠もっていた。その表情もいつもよりも柔らかかった。
一息置いたところで、エトヴィンの表情も真剣なものへと戻り実験を開始する。
「さて、それじゃあ始めようか。『我が周囲に結界を敷き、外界と遮断せよ』」
その言葉で魔法が発動し、目に見えない結界が中庭全体を覆う。
結界は常時展開される魔法の代表的なものの一つで、様々な種類が存在する。その中でも彼が使ったのは、内外両方から結界の向こう側が見えなくなり、音を完全に遮断するという結界の中でもオーソドックスなものだった。
「『夢の狭間より、小鬼を召喚せよ』」
続けざまに発動した魔法により、エトヴィンの前方の空間が歪み始めた。見続けていると平衡感覚が狂ってしまいそうなその歪みから、這い出るように小鬼達が次々と姿を現してくる。
その様子を眺めながら、彼は持っていた人形を放り投げた。
投げられた人形は猫のように身軽な動作で一回転すると、そのまま綺麗に地面に着地し、スカートの端をたくし上げ一礼した。その所作は本職のアスカですら感心してしまうほど見事なもので、彼女は先ほどまで気味悪がっていたのも忘れたかのように見入っていた。
「殺戮人形アリスよ。初めてのお披露目会だ。観客は寂しくも二人だが、楽しませてくれよ?」
エトヴィンのその言葉に答えるかのように、アリスと呼ばれた人形は顔を歪めて笑った。彼女はそのまま、背後で棍棒を振り上げているゴブリンの首を、どこから取り出したのか右手に持っているナイフで振り向きざまに切り裂いた。
「アハハハハハハハハハッ!」
噴水のように吹き上げる緑色の血をその身に浴びながら、アリスは高笑いを上げた。その様相に可憐さや愛嬌といったものは何一つなく、むしろそう思わせるような大きな瞳や小さな口元がゆがんだ笑みを作っているのが余計に不気味さをかもし出している。
そこから彼女の行動はとても早かった。小さな体で結果以内を縦横無尽に走りながら、すれ違うゴブリン達の首を瞬く間に刎ねていく。
半分も殺されるとゴブリン達も各々反撃を試みて棍棒を振り回すが、それがアリスに当たることはなく、当たりそうになるとゴブリンの手首を切り飛ばしてから首を刎ねていった。
エトヴィンが魔法の発動を停止し、歪みがなくなるとゴブリン達がそれ以上増えなくなる。そうなると、アリスがゴブリン全てを殺しきるのにそれほど時間は掛からなかった。
アリスによるゴブリンの虐殺劇が終わると、芝とはまた違ったおどろおどろしい緑色の血潮が周囲の芝を不気味に染め上げ、血液独特の鉄にも似た臭いが辺りに立ち込めていた。
「ゴブリン相手にはどれだけ数がいても遅れを取らないか。殺戮人形の試作は成功と行っていいな」
「あの……ご主人様」
アリスを拾い上げ、特に傷がないのを確認しているエトヴィンに、アスカは遠慮気味に話しかけた。
「どうした?」
「これは……試作品なのでしょうか? これほどの性能。戦場に数体投入したら戦況がひっくり返りそうなものですけど」
「ああ、そのことか。いくつか理由はあるが……例えばコアに安物を使っているとか、魔法に対する耐性が一切ないとかな。まあ後者が主な理由だな。実際、素体が小さくて脆い関係上、第一の魔法でも当たれば致命傷だからな」
「なるほど……あっ!?」
先ほどまでの凄惨な光景が強烈だったせいで忘れかけていたことをアスカは思い出す。
「そういえばその人形……喋りませんでしたか?」
「ああ、喋ったな。アリス、自己紹介しろ」
エトヴィンがそういうと、彼に抱きかかえられていたアリスはそのまま口を開いた。
「お初お目にかかります。エトヴィン様によって創造していただいた、殺戮人形のアリスと申します」
その耳元で囁かれているようなハスキーな高音の女声は、一般的な女声よりも遥かに美しかった。人形とは思えぬその音色に、アスカは思わず目を剥いた。
「――ッ、ご主人様、とうとう完成されたのですねッ!」
「ああ、ようやくな。ここまで綺麗な声を出させるのには苦労したが」
「最初のほうは本当に酷かったですからね」
最初のほうに行われていた実験を思い出し、アスカは思わず苦笑した。抑揚どころか一定の高さで淡々と喋る上に、音自体にもノイズが掛かっているように濁っており、まともに聞けたものではなかったからだ。
「まあ、これもアスカのアイデアのおかげだな。君は適当に言ったつもりなのだろうが、声帯の部分にあの素材を使ったのは君の助言のおかげだからな」
「ありがとうございます」
エトヴィンに褒められ、アスカは満更でもなさそうに顔を赤くして微笑んだ。
「さて、では戻ろうか……っと、その前に。『我が周囲の血液を浄化せよ』」
エトヴィンの魔法により、周囲に撒き散らされた血液が蒸発するかのように煙を上げながら少しずつ消えていく。しかしそれと引き換えに、先ほどとは比べ物にならないほど強烈な鉄の臭いが彼らの鼻を突いた。
「これで証拠は隠滅出来るが、流石に臭いがキツイな。服に染み付く前にさっさと戻るぞ」
急ぎ足にエトヴィンがその場を去っていくのに、少し恍惚としていたアスカが慌てて追いかけていった。