地獄への入り口
この山の近くにトンネルがある。そして、そこは地獄への入り口でもあった。
「ねぇ~、帰ろうよ!!」
「おいおい、怖いのか?俺らはこの場所を解き明かすために来たんだから今更帰れるわけないじゃん。」
「だって、怖いんだもん。」
「大丈夫だって、すぐ戻れば安心さ。」
「・・・うん」
私たちは大学生でこの場所を解明しに来た。
このトンネルでは、様々な人が行方不明になる。
そのため、解明したら一発で有名になると考えた私たちはこのトンネルにきたのだ。
「ほら、行くぞ!!」
「待って!おいていかないで」
「大丈夫、僕たちがついているから」
私は不安でいっぱいだった。なぜなら、私は霊感が強いからなんとなく危険がわかるのだ。
だけど、誰も信じてくれないからこのことは誰にも話さなかった。
今回は、奥のほうから邪気みたいなよどんだ空気が流れてくるからとても危ないことがわかる。
だけど、二人に言っても信じてくれない。なので、二人が危険に巻き込まれないかなんとかならないかと思いついてきた。
「ねぇ~、やっぱり危ないから帰ろうよ」
「たく、心配性だな」
「そんな怖がりだったかな?」
「怖くはないけど居心地が悪いんだもん。」
私は二人が何とかこれ以上進まないようにしながら言った。だけど、どうしようもなかった。
二人は私のことを気にしながらも進んでいってしまう。
このまんまでは、危ないことは明白である。
だから、私はある技を使った。
「イタタ!捻挫しちゃったみたい!!」
「それは大変だ!すぐ戻って病院に行かないと」
「お前は休んでいろ!俺は先に行って見てくる。何かあったら連絡しろ!」
二人は駆け寄ってきてくれた。しかし、もう一人がそのまま行こうとした。
私はあわてて止めた。
「行っちゃうの!」
「ああ、お前らは今すぐ戻ってろ!」
私はなんとか引き留めようとしたとき、こちらに何かやってくる感じがした。
私は邪気が近づいていることに気づき、二人に早く帰ろうと必死に袖をつかんだ。
二人は仕方ないなという感じで、帰りの方向に足を向けて歩き出した。
だが、戻るのが遅すぎた。邪気がそこまで近づいている。
「なんか来る!!」
「「来る?」」
「ギャギャギャ」
「ヒヒヒヒヒヒ」
「アアアアアア」
様々な異形の者たちが近づいてきていた。3人とも気づき、一人を抱え込みながら走っていた。
でも、遅すぎた。すぐに奴らに追いつかれてしまうだろう。そのとき、言ったものが現れた。
「俺のことはおいていきな、少しの時間稼ぎにはなるだろう」
「ダメです。そんな自己犠牲なんて許しません」
「そうですよ」
「いや、俺がもともと無理言って連れてきてしまったようなもんだからさ罪滅ぼしをさせてくれ」
そういって、きた方とは逆に走り出してしまった。
こうしたおかげで私たちは無事に帰れた。
だけど、一人戻ってこなかった者もいる。