【8】かずき君と僕・愛弘ちゃんと私
こんちは!さゆきちです!
今回は、新しい登場人物が出てきます。
トコトコ..。
「ちゅ!」
「うぇ?!」
加月君は、僕の耳元でそうつぶやいた。
「へへっ!ごめんね。」
と、僕から離れた。
「あぁ、うん..。」
「あ、そうだ。せっかくだから...ホントにしちゃおっか?」
「え?!」
「ふふっ♡ウソ!2回目!」
と、僕の目を見ながら言った。
「か、加月君...。」
「ん?」
「あ、いやっ。そのさ、ぼく、トイレ行きたくなっちゃった。」
「あ、行ってらっしゃい!」
と、手を振って僕を見ていた。
それから、僕はトイレで用を足し、トイレを出た。
「あ、早かったね。」と、加月君はトイレのドアの横によっかかっていた。
「うん。」
「じゃ、もどろっか。」
「うん。あ、加月君はトイレいいの?」
「うん。大丈夫。」
僕たちは、教室に戻った。
「では、ここで休憩だ。」
と先生が言う。
(なんだ。今からだったら、さっき行かなきゃよかった。今から休み時間なら。でもっ..。)
『ちゅ!』
『ホントにしちゃおっか。』
「わぁ~~!!」
「どうしたの?!ここっ。」と加月くんが話しかけてきた。
「あ、大丈夫。思い出してね。」
「何を?」
「え!っそれは...。」
「まぁ、教えてもらわなくてもいいけどっ。」
「えっ。」
「それとも、僕に関係あることとか?」
「うっ..!」
「そうなんだ。やっぱしここはわかりやすいね。」
「なんだ?」
と、僕の隣に座ってた、アオ君が言った。
「二人とも何の話してんの?」
「え?っあ、アオ君には関係ないよ。」
「...。」
「どうした?ここっ。」
と今度は、加月君が僕に言ってきた。
「加月と茲、なんのこと、話してたの?」
「え、僕もわからない。ここ、何の話?」
「え?あ...。」
(こんな時は、とぼける作戦か。)
「う~ん。何の話だっけ?」
「忘れたのかよ~。」とアオ君。
「仕方ないね。」とかずき君。
(はぁ~、危ないとこだった..。)と僕。
そのころ、保健室では...?
「うーん!!」
休憩と言うことで、私の期待をうらぎったあの女の子が背伸びをしている。
(今がチャンスだっ!)
「ねぇ」
と、私はその子に話しかける。
その子の名は、愛弘。大原愛弘。
「あ、どうも。」
「愛弘ちゃんだっけ?」
「うん。っあんたは確か..。」
「あ、私っ...くっ...。」
「ん?」
「く、くくくくくく、ふぅ~。...っ久弥です。」
「あ、久弥か。で、何?」
「え?あ、えっと、さっきはお手柄だったね。」
「あぁ、あれ?ううん。あんなのお手柄なんて言えないよ。」
「あ、そうなんだ。」
(はぁ?あんた、せっかくの私のチャンスを無駄にするの?)
「あ、そうだ。私これからトイレ行くの。一緒に行く?」
「え?!」
「そんな驚くことないでしょ。」
「あぁ、行くよ。行く。」
(あぁ、何考えてんだろ。)
愛弘と久弥は、トイレに入った。
「ちょっと待ってて。すぐ終わらせるから。」
と、愛弘は奥から二番目のトイレに入った。
ガチャッ。
ドアを閉めて、用を足している。
「あ、ねえ、久弥。」
「な、なに?」
「ペーパーが切れてるの。新しいの取ってくれる?」
「あ、うん。」
と、私は新しいのを取りに行った。
「どうすればいい?」
「えっと、ちょっと待って。上から投げて。」
「え?!大丈夫なの?」
「うん、大丈夫。早く。」
私は、上からポトンと落とした。
中からは『キャッチ』という声がした。
「ありがと。ナイスキャッチだった。」
「それは良かった。」
ジャー..!
ガチャ。
「お待たせ。ペーパー、ありがとう。」
「ううん。良かった。」
私たちは、トイレから出た。
「あら、二人とも。トイレで何してたのぅ?」
「っ美苦っ!!」
私たちの目の前には、うちのクラスで最もいじめっ子No.1の『プリンセス』。
美苦・雲母・湯女の三人だ。
ちなみに『プリンセス』とはこの三人のグループ名。
「美苦ちゃん。」
「どうも、久弥さん。あなた、このこと何やってたの?」
「この子じゃない。愛弘ちゃんだよ。」
「あぁ、これは失礼。愛弘さん。」
「むかつくんだよ。その、一言が。」
「愛弘ちゃんっ、やめなよ。」
「う、う、うえ~ん!」
突然、美苦は泣き始めた。
「ちょっと!あんたたち、なに美苦を泣かせてんのよ。」と雲母。
「うっさい!雲の上のお母さん!」と愛弘ちゃん。
「あんたたち、あたしらを誰だと思ってるの?!」と湯女。
「あんたも、うっさい!黙って、お湯の中にいな!」と愛弘ちゃん。
(あ~あ~、もうどうしよう!誰か助けて。助けてよ~~!!)
つづく
最後までご覧くださってありがとうございました。
次回をお楽しみに。さゆきちでした(*^b^*)