【2】ゲイ校
こんにちは!さゆきちです!どうぞ、ゲイ校をお楽しみください。
〔次の日〕
僕はニコニコしながら登校していた。すると、後ろから誰かに押された。
ドンッ!
「うわっ!」
僕は心臓が止まりそうだった。僕を押した犯人は加月君だった。
「おはよ♡ここ!」
「お、おはよう。加月君..。」
かずき君はニコッと笑ってまるで女の子のように僕の手を握ってきた。
「え?加月君?!」
僕は急に手を握られたため、思わず裏声を上げてしまった。
「いいから♡おいで!」
すると、僕の手を引っ張って学校と真反対の裏の所へ連れてこられた。
「加月君...。こ、ここは?」
僕は驚いてしまった。
ドアらしきところの横には以前使われていたのか、『甲追中学校』と記してある。
そこはいままで使われてなかったぼろぼろの学校だった。
すると、加月君は中に入って行ってしまった。
僕は残された。
しばらくして、久弥さんが向こうからやってきた。
「あ!茲くん、もう来てたんだ。って、よくわかったね。..もしや。」
久弥さんは勘づいた顔でこっちを向いた。
「もしや、加月君ね?絶対。」
「え?何が?」
「はぁ、加月君ったら♪」
くみさんは、少しため息を吐いて学校の中に入って行った。
「ちょっと、久弥さん..。」
僕はまた残された。あぁ、寂しい。
すると、久弥さんがドアにかかっているカーテンのような所から顔を出して言った。
「茲くん。いいよ♪入っておいで!」
「う、うん。」
僕は不安だったが恐る恐る入って行った。中には僕と同じくらいの男女がいた。
すると、そこには髪がくるくるのワンピースを着た女の子がこっちを見ていた。
「茲!こっち!」
声をかけられたとき、気付いた。その子は...。
加月君だった。
僕は、こんなに男の子で女装が似合う子がいるのかと思ってしまう。
「か、か、加月君?」
「うん♡正解♡」
加月君はまるでお姫様ですごくかわいい。ってか似合いすぎ。
すると、久弥さんが言った。
「おどろいた?ここがゲイ校よ。」
久弥さんは、そう言いながら僕に席を聞いてきた。
「ねぇ、席どこが良い?もうすぐ授業なんだけど。」
「じゃあ..。」
ぼくは、教室のような部屋を一周回ってかずき君の隣についた。
すると、加月君は僕を見て言った。
「あ、茲!よろしくね♡♡」
「うん、よろしくね。加月君。」
周りにはアフロの子と眼鏡をかけていることかいろいろ。
この子たちもやはり加月君と同様、ゲイなのか。
しばらくして、誰かがカーテンの入り口から入ってきた。
それは僕も知っている先生だった。富田先生という。
「では、授業を始める。みんな席につけー!」
富田先生のその一言でみんなはスッと席に戻っていく。
(根はいいやつばかりだなっ。)
「では、今日はみんなに紹介したい奴がいる。保野倉!」
「は、はい?!」
「自己紹介、よろしく。」
「は、はい!!」
僕は、慌てて席を立った瞬間、膝をぶつけた。
「いててっ、あっ、えっと。僕は。」
僕が、自己紹介しようとしたとき、加月君が心配した顔をしていた。
「大丈夫?膝。」
「うん、大丈夫。ありがとう。」
すると、加月君はニコッと笑ってうなずいた。
「え、えっと。ぼ、ぼ、僕は..。」
周りを見ると、みんなの瞳には僕しか映っていなかった。
(緊張するな!茲!お前ならできる!)
「ぼ、ぼくは、保野倉、ここ、と、言います。あの..久弥さんに呼び出されて.。その..。」
ぼくは、口をカタカタさせながら言った。
すると、いつもならいつまでもおでこにしわを寄せている富田先生がにっこりと笑って言った。
「ありがとう。急に来てビックリしただろう。ゲイ校のみんなはみんな優しい。だから、心配することない。」
(心配することないって?おい、富田。笑ってんじゃねぇよ。ここは、ゲイたちの集まり場だろ?)
なんて、心の中では思っていたけど、そんなの口に出せるわけない。
「は、はい..。」
「では、保野倉のために説明を。久弥代表会長、お願い申し上げる。」
ぼくは思ってしまった。
(久弥代表会長ってくみさんのこと?)
すると、久弥さんは富田先生と変わってみんなの前に立った。
「茲くん。そして、みなさん、おはようございます!」
すると、みんなはくみさんの後におはよーと口を添えて言った。
「はい。茲くん、ビックリさせてごめんね。」
(ほんとだよ。)
「いえ、大丈夫です。」
僕が言った瞬間、くみさんはにっこり笑って、話し始めた。
「さて、ここは、ゲイ校です。このゲイ校の中にはゲイの子しか入れないようなシステムになっていて、私たち『ゲイ校特別本部』によってみんなの個人情報は守られています!」
(ほう...徹底してんのね)
「は、い..。」
くみさんは、ぼくがわかったことを確認してから言った。
「で、ここは、ゲイの子しか入れない。でも、ここくんはまだ実感ないわよね。」
(あたりまえだ。)
「でも、それはみんな同じ。最初はみんな同じなのよ。だから、少しずつ慣れていけばいい。」
(あぁ、そうだな。)
僕は、少し間を開けて「はい。」と言った。
「さてと、みなさん。今日も頑張りましょう!」
みんなは、テンションが上がったのか、イェーイ!とか言ってる。
(バカか、お前ら。ゲイでも静かにしろ。んぁ?)
すると、先生が言った。
「では、今から10分後に国語を始める。」
その合図のような富田先生の掛け声に合わせて授業の準備をし始めている。
それは、達人の技と言っても間違いではないくらいの速さ。
(あぁ、これからぼくは大丈夫か?なぁ、教えてよ。)
僕は、こんなことを思いながら国語の準備を誰よりも遅くする。
つづく
どうも!さゆきちです!
コメントで、いい点と悪い点と、あと一番面白かったところなど。
書いてくださると幸いです!よろしくです!
さゆきちでした。