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【26】海デート#8 Sって、なに

もうあとすぐ終わります

前回、事が一件落着した僕らでしたが……


「ねぇ」


後ろから声がした。声の正体は、さっきから後ろをうろちょろしている加月くん。


そっとちいさな微笑をこぼすと、彼はうしろからぎゅっと背中を抱いてきた。


「か、加月く」

「そんなとこいると、風邪引いちゃうよ?」


くすぐったくて、つい裏声が出た。


「んふふ、かわいいなぁ」


さらにうずめてくる。あつい、かお、熱い。


「だ、だめ…ほんとに熱でそうだから…」

「…ほんとに熱出ちゃえばいいのに」


突然回された手は腹の中心で遊び始めた。今度は本気でくすぐったい。

彼の指は筆先みたいにちょっと触れるようにゆっくり円を書いてくる。


「か…だめ、あはは!」

「こしょこしょこしょお~!」


だめ、このままだと溶けちゃいそう…。あっ。


その時、彼の後ろにあったあるものを見つけた。


「加月くん、それ」

「あっ、うん。お風呂入らなきゃだから」


 加月くんが離れてから部屋を出るまで、そう時間はかからなかった。

彼が用意してくれた着替えと替えのバスタオル。あいかわらず石鹸の臭いがする化粧水も。この数日で知った彼の事。


少し長い廊下を抜けると、いよいよ大浴場が現れる。この二日間、 海で遊んですぐ部屋の風呂に入って寝ていたから、ここに来るのは初めてだ。


「...誰も、いない」


脱衣場には僕達以外誰もいない。


「僕こっちで、加月くんは...」

「あたしも隣でいい?」


一枚一枚、身につけていたものを床に落とす。

隣で白い肌が現れたのが分かった。視界の端、歪んでいるにも関わらず、真っ白なキャンパスにポタリと薄い肌色が滲んだような。


「シャンプー変わってる!」

「あ、ホントだね」


入口を抜けて洗い場へ向かうと、昨日とはまた違った洗髪剤が置かれていた。

横のボディソープも同様に昨日とはデザイン仕様が変わっている気がする。


「二人いても...やっぱり広いんだねここ」

「確かにね」


端から2番目のシャワーを使用し、シャンプーを一滴手に取った。

両手にすり込ませ、洗髪していく。


「...っ」


横に座った加月くんの肌がやけに気になる。

真っ白で細い腕と息を吐きながら目を瞑っている。


「気になる?」

「えっ」


目は閉じたまま、意識だけこちらを見ていた。


ぼやけてよく見えないが、確かにそんな気がした。


「う、ううん。別にそんな...」

「だったら、見ないで。」

「えっ」


わしゃわしゃと荒ぶった髪から腕を抜くと、シャワーでそれを流して、持ってきたピンクの何かに何かがかかる音がした。


はっきりとは見えないが、きっとそれはボディソープ。


「我慢できなくなるから」


思わず掠れた声で固まる。

息をするのを忘れていたかのように、一瞬時が止まって、また動いた。


「なぁ、茲」


身体に白いものを纏ったまま、彼が近寄ってくる。


「誘ってる?」


「えっ...」


ドンっと、壁に追い詰められ、つるりと足が滑ってしりを着いた。


「あっ!...いたた...えっ」


凛々しく立つ煙突のような異物。

鼻先までそれは今にも触れそうに突起していた。


「あ...っ」

「見ちゃったか...」


巻いていたタオルがひらりと落ちたのだろう、近くには白いものが落ちている。


「茲」


つん、とその大きいものが頬にあたる。


「責任、取ってくれる?」


ぐいっと顎を持ち上げれ、それが口に当たったその時。


「やめてよ!!」


バシンッ!とその手を振りほどいた。


「え...ご、ごめん、俺何した、今」

「僕が見えない事をいいことに、そういうこと...っ」


顔が熱い、ああ、逆上せそうだ。


「あっ、茲!!」


もうここには居られない。



大好きな人に、無理やりされそうになるなんて...。


加月くんなら...大丈夫だと思ってたのに...。



シャンプーが残ってて気持ち悪い。


早く戻って、部屋の風呂に入ろう。


つづく

突発的におわります。

無理やりです、ごめんなさい。

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