【23】海デート#5 初めての...
今回、ギリギリR18要素が含まれています。
苦手な方はそこを抜かしてお読み頂けたらと思います。
前回、海の上で加月君と熱いキスを交わした。
「加月君、喉乾かない?」
「だねっ」
浮かび疲れて僕は浜辺に戻ってきた。
「あら、茲~!おかえり~」
「すごい対策してるね」
戻ってくると蘭がビーチベッドの上でパラソルをさしながら何かを飲んでいた。
「もちろん!日焼けは敵!!」
「ほう...」
「茲様、もしよろしければ」
「あっ!安藤さん、ありがとうございます」
安藤さんがビーチチェアを用意してくれた。
「ラブラブじゃないの」
「えっ!」
「遠くからだけど、見てたわ」
「はっ!恥ずかしい...」
「あははっ!..でもよかった」
「えっ?」
「ほら、私が茲からいなくなって正直茲が他の子を好きになって付き合ってってことができなくなってたら、私あきらめきれてなかったかもしれなかったから」
「それって...」
「でもいいの!茲には、もう大切な人がいて愛を確かめ合うことができるんだから」
「蘭..」
「安心した、よかったね!茲」
「..蘭..ありがとう」
「うん。..それより!これ茲も飲むでしょう?」
さくらんぼがちょんと乗ったサイダーをもらった。
「んっ!うまっ」
「当然よぉ!いいとこのやつなんだから」
「えっ!!...そんなに高いの?」
「..うふふ!!違うわ、これは普通のラムネよ」
「なんだ..びっくりした」
「あははっ!」
やっぱり、蘭果もそうだったんだ。僕も、蘭果と離れ離れになってからずっと思っていた。
蘭果との別れの原因は転校だった。家も家で小学生後半からはお嬢様学校に行くことが決まっていて、しかもその学校は恋愛禁止。遠距離恋愛もまだ小学生だった僕らには難しく、別れるという決断に至った。
それから再会した時には、思った以上に出来上がっていてびっくりしたけど、本当に頑張ったんだなと実感する。
「それにしても、そのビキニかわいいね」
「おっ!気づいたねぇ〜、いいでしょー?」
「似合ってる」
「ありがとう!相変わらず海パン1枚はさすがに着れないのね?」
「うん、僕も日焼けしたくないから」
その時、浮き輪を持った彼が熱そうに足をじたばたさせながら、走ってきているのが見えた。
「茲~」
「加月君」
「砂浜めっちゃ熱い..」
「あははっ」
「何飲んでるの?」
「特製の高級ソーダよ!加月さんも飲むかしら?」
「えっ!?高いなら..」
「うふふっ、冗談よ!これはただのラムネ」
「なんだ..」
「なによ、二人しておんなじ反応、うふふ」
「えっ、そうなの?」
加月君も一杯
「うまっ!」
「よかったぁ、うふふっ」
それからみんなで集まって、焼きそばを食べたり、ビーチバレーをしたりとたくさん遊んだ。
「そろそろ帰ろっかみんな!」
久弥さんの呼びかけでみんな片付けをし始めた。
「あっ、わたくしめがっ」
「いいから、やらせておきなさい」
「..高台様」
「これもあの子たちにとって、いい経験になる」
「かしこまりました」
ある程度片付いたところで加月君がみんなを呼び集めた。
「ねぇ、みんな」
「どうしたんだよ加月」
「夕焼けバックで写真撮らない?」
「おー、いいな!撮ろうぜ!」
安藤さんに1枚撮ってもらうことになった。
「お顔が見えませんが..」
「あー..そっか。どうしよう..」
「っなら、みんなで後ろ向いて空に高くピースすればいいんじゃね?」
「それでいこう!」
「それでは撮ります!はい、チーズ!」
パチッ
「うまくとれたかな..?」
「おっ、なかなかだな」
「ねー!」
なんだかいいなこの感じ。みんなで集まって思い出作り。
そういえば今までたくさんのことがあったな、憧れの加月君の恋人になれて、久弥さん愛弘さんと友達になれて。それに蘭果とも再会できた。
「黄昏てんのっ」
「あぁ加月くん、まぁね」
「..楽しいねっ」
「えっ?」
「ほら、実際こうやって2人で遊んだりするの初めてじゃない?」
「そうだね。会うとしても学校だけだったかも」
「いっぱい思い出作ろうね」
「加月くん...」
「星、綺麗〜!」
ふと見上げるとたくさんの星々がこちらに微笑んでいた。探せばきっと何個もの星座が見つかるだろう。この時間が、今の1番の幸せなのかもしれない。
それから僕らは片付けを終え、それぞれの部屋へと帰って行った。
「ふぅ」
「なんだかんだで、疲れたね」
「じゃあ、お風呂入って早く寝ちゃお」
お、お風呂...!
「か、加月くん」
「ん?」
「お、お風呂は...一緒に入る?」
加月くんの背筋はピンと張り、少し黙ったあと続けた。
「うん」
「じゃあ」
あまりにも恥ずかしかった僕は急いで布団を引き始める。
「えっなんで布団?」
「っほら、お風呂上がったらすぐに寝られるようにっ!」
「...そんなに私としたいの?」
その言葉に一瞬ドキッとして真っ赤に赤くなった顔を見られないように続ける。
「きゅ、急になに言い出すかと思えばっ...」
「あっ、顔隠してる!照れてるな?」
立ち上がりこちらに向かってくる彼を避けようとしたその時、僕は布団に足を取られ、彼と共に倒れてしまった。
「いたたっ...?!」
「...。」
目の前に被さる彼の身体。暖かく硬い、彼の身体。
「...んぅ」
「こ、茲...」
彼は強引に僕の唇をまた奪った。次第に、彼の手は僕のシャツの中を巡り、僕の弱い所を刺激していく。
「...んっ」
その手は大きく暖かく硬い。もしも今襲っていているのが彼でなければきっと逃げていただろう。というか通報しているレベルだ。あれ、いつからこんなに彼のことを好きになったんだっけ。
彼の吐息と僕の吐息が混ざり合い、視界には彼しかいない。
「か、づき、く、んっ」
「...茲、かわいい」
次第に彼の手は僕のモノを掴み離さない。
「そんなに声出したら、久弥達に聞こえちゃうよっ」
「ん、ん〜!」
それから1時間がたっただろうか。ついに僕達は疲れきって寝転がった。
布団で裸で寝るなんて初めてだからなんだか新鮮である。
「...茲、初めてだった?」
「...うん」
「...私も」
なんてことを言っていたが、結局二人は最後まではいかなかった。
「じゃあ、先に入るね」
お風呂へ向かう加月くんを見送ったあと、あまりの恥ずかしさに布団に潜った。
「うわぁぁーーー!!!...はぁっ」
加月くんの...凄かったな...でかk..、これ以上言わないでおこう。
「ふぁーさっぱり〜」
「おかえり」
「気持ちよかったよお風呂。茲も入ってきな」
「うん」
シャワーをしばらく浴びて浴槽に浸かった。少し窓が空いていたからそこまで暑くはない。
「...ついに、か」
ほんのさっき、自分はあんなことをして、あんな声を出していたなんて。まだ加月くんの顔が目に浮かぶ。
「はぁ...」
浸かっているせいか、ずっと顔が熱い。真っ白な壁をじっと見つめて、思い浮かべるのは、やはり彼のこと。
さっぱりしてリビングへ戻ってきた時、ふと彼を探したがどこにもいない。
「あれ...?」
もしやと思い寝室へ行くと彼はまるで5歳児の子供のようにすやすやと眠っていた。
僕は彼の横に寝そべり彼の心臓の音を静かに聞く。
ドクンッドクンッ
綺麗な音。綺麗な顔出ちの上にこんなに優雅な鼻息、ガチっとした身体、いつも包んでくれる大きな手。
「全部すき」
思わずそう口に出した。
彼を見つめていると、次第に瞼が重くなる。意識が朦朧とし、ついに眠りについた。
つづく
最後まではお読みいただきありがとうございます。
正直、官能小説系は表現が苦手なので書けませんでした。
現在、作者の進路などの方で忙しく不定期更新となり長くて2年空くこともあるかもしれません。
すみません。
次回は海デート2日目になります。




