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【22】海デート#4 海は広いな

こんにちは!さゆきちです。

更新がまたまた遅くなりました(ノ´∀`*)

すみません


前回、別荘に着いた僕達は付き人さんがそれぞれ付き、部屋まで案内された。目の前はオーシャンビュー!早く泳ぎたい!!


僕たちはとりあえず部屋全体を一通り確認した。テレビで見たことあるような広々としたリビングに大きい壁掛けテレビ、座椅子が二つ、奥の部屋に行くと落ち着いた畳、八畳。

その隣に部屋に、お風呂とトイレ。全体というとそんな感じだ。



「茲、荷物の整理も出来たしさ!」

「うん」

「海行こ!」

「そうだね!...でも久弥さん達はどうしてるんだろう?」

「っじゃあ!久弥達に会いに行こう!」


加月くんは僕の手を引っ張り襖をパタンッと開けて部屋を飛び出した。僕は彼について行くばかり。


大きな彼の手は冷たくて気持ちいい。


「加月くん、手ぇ冷たい」

「わたっ...、っ俺冷え性なんだ」

「無理して『俺』って言わなくていいよ?」

「...ありがとう。」

「我慢してたの?ずっと」

「いやぁ...、うん」

「なんでよ、わざわざ秘密にすることなんてもう無いでしょ?僕も久弥さん達もそれに蘭のおじ様達だってもう知ってるんだよ?」

「良く考えれば…そうだねっ」

「うん!無理しないで?せっかく遠出してここまで来たのに。もう自由になっていいんだよ?」

「...分かった!」


やはり彼はどこか無理していた。それに気づいたのは車の中。ここに来るまでの数分間、彼と会話をしている時何か無理しているんだなと思っていた。僕の予想はやはり間違ってはいなかった。


僕らはこれから何をしたいかを話し合いながら向かっていた。


「夜はバーベキューかな、やっぱ!」

「だね!」

「...そう言えばさ、久弥達の部屋ってどこなんだろう。」

「うーん...」



「その廊下を当たって左でございます」

「わっ!!」


後ろにはいつの間にか僕達の付き人、安藤さんが立っていた。


「あっ、安藤さんっ!?」

「驚かせてしまい申し訳ございません。お二人が急いで部屋を出たのを見かけたものでここまで2人の後をついてきました。」

「あっ!そうなんですね!」


(まぁ、そうだよなぁ。『付き人』だもんなぁ。)


「ええ!付き人ですから!」

と安藤さんはメガネの縁を軽く持ちドヤ顔。


「あははぁ...、そういえば安藤さん。なんでメガネかけてるんですか?」

「確かに!俺も、一瞬分からなかった!」

「あぁこれは、別室で事務作業をしておりまして、パソコンを使うためどうしても必要なんです。」

「そうなんですね!なんか事務作業とか、...かっこいいですね!」

「そうですかね?ありがとうございます。」


安藤さんは掛けていたメガネを内側の胸ポケットにしまった。


「それより久弥(くみ)様と愛弘(めぐ)様のお部屋に行かれるのではなかったのですか?」

「そうだった!茲!行かないと!」

「でも、どこだかわかんないな...」

「ご安心ください。(わたくし)がご案内致します」

「ホントですか!ありがとうございます!」


「いいえ、当然のことです。付き人ですので!」

とまたまたドヤ顔。眉毛がわずかながらクイッと上がっていた。


僕達は安藤さんに案内してもらった。よく見るとこの別荘は角が多く廊下の奥に廊下が横切ると行った設計で、なんせ部屋数が多いわけだから角も同様に多いのだろう。そういう原理だ。


***

花道の間。そこが久弥さん達の部屋だ。

途中で気づいたのだか、僕らの部屋富士の間が2階なのに対して、花道の間は1階なのだ。これはどういう振り分けなのか…。


「着きました。こちらが久弥様と愛弘様のお部屋、花道の間になります。」


早速入口を開ける。僕達の部屋と同様、襖を開けると靴箱とその上に花が置かれていた。


「お邪魔しまーす」


「はーい」


と奥から声がした。


内側の襖はゆっくりと開き、久弥さんが出てくれた。


「えっ!!二人とも早いなぁー!」

「うん。僕達、荷物の整理出来たからそろそろ海行こうかなって思って呼びに来たんだ!」

「そうだったのね!ありがとう!あっ、もう少しで片付け終わるから...。そうね、あがってて!」

「いいの?!ありがとう」

「ありがとう、久弥」

「いいえー!こちらこそ呼びに来てくれてありがとう!」


僕達は部屋にお邪魔した。富士の間とは少し違い、木そのものがよく生かされている。



「茲様、加月様」


と、後ろから声をかけられた。


「ん?どうしました?安藤さん」

「わたくしは隣のお部屋にいますので何かありましたらおっしゃってくださいね」

「わかりました!案内、ありがとうございました!」

「いいえ、では失礼します」


今度もまた静かに襖をパタンと閉めた。


僕らは部屋へと入る。


「いい匂いだね」

「でしょー?私も最初入った時そう思った!」


「あっ、愛弘さん」

「よっ!茲」


あぐらをかき、ちゃぶ台に肘をつき何かを食べていた。


「何食べてるの?」

「んー?のりせんべい〜。食べる?」

「うん」


愛弘さんから海苔せんべいを1枚貰った。


「ちょっと、愛弘!支度は終わったの?」

「んー、まだ...バリッ」

「もー、あと愛弘の荷物用意できたら終わりなのに。せんべいなんか食べてる場合じゃないでしょ?」

「ごめんなさいぃ」


久弥さんに怒られながらせんべい片手に荷物の整理をする愛弘さん。なんか、お母さんとその息子みたい。


「そういえばここって『花道の間』って言うんだよね?俺らは『富士の間』っていうとこだったよ!」

「そうなんだ!じゃあ、富士山見えたでしょう?」

「えっ...あぁ見えるのかな?」

「窓開けて外見てないの?」

「見たよ!でも、海が広がってるだけで富士山は見えないと思うけどな…?」

「そうなのかな…?うちは、ほら『花道の間』って言うじゃん?...ねぇ加月くん、庭先見てみてよー?凄いんだからぁ」


加月くんは庭先に繋がるだろう襖をスーッと開け、窓の外を見た。


「うおぉー!」

「凄いでしょう?」

「すげぇ!茲っ、来てみ!」


僕は加月くんに手招きをされたため、ゆっくり立ち上がり窓の外を見てみた。


「これはっ!」


そこには大きな庭があった。


「めっちゃ綺麗...」

「でしょー?」


露天風呂のような形で大きな池の周りはまんまるい丸石が円状に置かれていて、池の真ん中に小さい橋がかかっている。きっと小人くらいの大きさなら渡れるだろう。

よく見ると奥のほうに花壇が何個か置いてある。それもいろんな種類の花がいっぱい。色とりどりでつい見とれてしまいそうだ。


「やっと終わった~」

「二人ともお待たせしました!準備終わったんで行きましょうか!」


僕たちは蘭のおじさんイ許可を取ると、海に向かった。


「うわぁぁー!!」

「海やぁーー!」


久弥さんと僕は真っ先に向かっていく加月君たちを見てクスクスと笑っていた。


「そうだ、茲くん」

「..?」


久弥さんは持っていたカバンからカメラを取り出した。


「カメラ?久弥さん、いつの間にそんな」

「へへっ、みんなの思い出を写真に収めたいじゃん?」

「..頭いい」

「でしょ~?うふふ」


僕は海で遊んでいる二人に目を移した。


「茲ー!」


振り返ると、日傘をさした蘭が向かってきていた。


「蘭っ」

「はぁ~い!楽しんでる~?」

「...なんかキャラ変わってない?」


「いやぁ、今年も良い海日和じゃなぁ」

「うわっ」


いつの間にか蘭の隣におじさまがいた。


「おじさまぁ?今年も海は美しいですねぇ」

「そうだなぁ、はははっ!」


すると、おじさまも海パン1枚で海に走っていった。


「そうだっ、二人で一枚!」


久弥さんはカメラを構えていた。


「いいわねぇ!茲、もっと近づいて」


懐かしい、こんなに蘭と近づいたのは付き合っていた時以来だ。


「...。」

「茲?」

「あっ」

「ほらっ、ポーズって」


「はーい、撮りますよ~!はい、チーズ!」


パチッ


「いいねぇ、次はピースじゃなくてほかのやってみて~」


「他の...」

「茲、久々あれやる?」


昔、まだ僕らが付き合っていた時、必ずやっていたポーズ。


「あははっ、なにそれ~」

「みさちゃんポーズよ」

「みさちゃんポーズ..」


それは僕が今でも好きなアイドル、みさちゃんの決めポーズ。蘭も好きで二人でよくテレビの前で応援していた。頭の上でピースをクロスするだけの簡単なポーズだ。


「はい、チーズ!」


パチッ


「うんうん、いいの撮れた!ありがとね!」

「いいえ~、久弥の頼みならこれぐらいのこと」


僕は海に目を移した。海は広い、海の境目なんて全然見えない、あぁひろい。


「茲~!」

「うわぁ!」


加月君が飛びついてきた。


「びっくりしたっ!てか、冷たっ!」

「ごめんごめんっ」

「愛弘さんとはたくさん遊べた?」

「うん!でももう疲れたぁ..茲とも遊びたい♡」

「うんっ」


忘れよう、さっきの感情は。


それから僕たちは海でたくさんあそんでイチャイチャもした。


「とりゃ~!」

「やめてよぉ」

「やだぁ♡」


「あたしらも混ぜろよ~!」

「愛弘さん!」

「うりゃあ!」


バシャバシャ


「やったな~、加月君!お返ししてやろう!」

「茲マジじゃん!あはは、いいぜ~」

「や、やめろぉ~!」


バシャバシャバシャバシャ


「ひどい!愛弘、攻撃ー!」

「うぉぉー!」


腕がパンパンになるくらい遊んで、途中から蘭やおじさまも加わってみんなで遊んだ。


「ふあ~、浮き輪最高~」

「加月君と一緒に乗れて最高~」

「俺もだよ~茲~♡」


ぎゅ~


「そうだっ」


ジャバンッ


「うりゃっ」

「えっ!?」


浮き輪の下からひょっこりと顔を出して僕の腰に足を回した。


「あははっ、なんかいいねこういうの」

「うん..」

「なに?照れてんの?あはは」

「ん..」

「...。」


お互い目が合うと、僕も彼も少しずつ顔が熱くなった。


「あはは..暑いね..」

「あちーな..な、夏だし!」

「う、うん!」

「久弥達はどこだろ..、あっ」


少し離れたところで、久弥さんたちは浮かんでいた。

僕はめがねを外しているためよく見えなかったが、加月君は何やら驚いていた。


「加月君?」

「..あれ」

「どうしたの?」

「茲.見えないの?..そっか」

「えっなに?」

「あぁ..、今久弥たち、き、キスしてた」

「えっ」


キス..?


「そ、そうだよな..付き合ってるんだし..」

「...。」


僕たちは..?


「加月君...」

「..ん?」

「そういえば最近、キスしてくれないね」

「えっ..いや」

「学校で、たまにしてくれたじゃん」

「それは、..付き合う前じゃん」

「うん」

「だからっ」

「だからしないの?..僕にはもうしてくれないの?」

「いや..、あの」

「なに?」

「していいかも、分からなかったし、したくてもみんなの前じゃ..」

「...じゃあ言ってよ」

「えっ」

「今日、二人きりに慣れる時間、たくさんあるから!」

「..うん」

「その時でいいからっ...して」

「...わかった」


しばらくして、自分がものすごく恥ずかしいことを言ったことを思い出し、また顔が熱くなった。


「茲..」

「..うん」

「こっちむいて」


...?!



「...。」


優しく唇にふれる感触はまるでマシュマロのようでほんのりいいにおいがした。


「..んっ」


「ごめん」

「...ううん」

「でも、ずるいよ。そんな顔で言われると、本気になるじゃん」

「...ん」

「ごめん」

「..ううん、うれしい」

「茲..」


「...もっかいする?」

「..うん」


何度も、唇をかわし、何度も彼の肩をつかんだ。それでも僕らの応用編はあともう少しかかりそう。


つづく

最後まで読んでいただきありがとうございました!

次回、夜の方も進めたいです(*ノωノ)

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