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【21】海デート#3 別荘到着

前回、愛弘(めぐ)さんと蘭の関係が明らかになったわけで...


っておい!!早く別荘行けよ!って話なんだけど。

ようやく動き出すよ!!


〔AM7:10〕

僕の家を出てからもう1時間もたつが..


「加月君の家って..こんなに遠かったっけ?」

「あぁ...確かに...。おじさま?そういえば気づいていなかったのですが、このリムジン、少し遅くありません??」

「あぁ、確かになぁ..」


すると愛弘さんが運転席隣に行き..


「おい!!運転手!!おっせんだよ!!どんだけかかってんだよ!!..って!!!」


すると、愛弘さんは少し立ち止まった


「どうしたの?愛弘。急に立ち止まって..。...えっ」



久弥さんは大声で

「加月君!!!!」




(えっ、えっっっっっ!!!)


「加月君!」

「あんたどうして運転してんだよ!ってかいつから?!」


「あっ..ははぁー!..」

加月君がそういうとかぶっていた運転手帽を取り、


「おはよう!みんな!」

そう言ったのだった



それから加月君は隣に座っていた本物の運転手さんと変わり、僕たちとともに話し始めた。


「加月君、いつからいたの??」

「茲~!♡♡おはよう!!」

「加月君っ、急に抱き着かないでよっ..。もうっ..♡」


「はいはいそこそこ!ラブラブはいいのだが、とりあえず!..加月君は、なぜ..というかいつからここに、車に乗ってるの?」

「あ..あぁ、実はね..」



〔今から1時間前〕


加月は家から蘭果家へと向かっていた。

そういえば、加月君がなぜ蘭果の家を知っているかというと、

お見合いの際に


『そういえば、加月さん?これ、わたくしの名刺ですの。よかったら、今度わたくしの家にでもご招待いたしましょうか?』

『あ..ははっ..そうですねぇ』

『こら加月っ!あっうふふ..!失礼しましたぁ..』



なんてことがあって...

その名刺に書かれていた住所に来たというわけで..



「ここであってるかなぁ..」


ピンポーン

インターホンを鳴らすと、メイド服の人が出てきたから


「あのぅ..俺、柿ノ葉加月っていいます。」

「あぁ、柿ノ葉様!ご無沙汰しております。」

「はい。..あのぅ、蘭果さん、いらっしゃいますか?」

「あぁ..少々お待ちください。あっ、どうぞおあがりください。」


大きなリビングに案内された加月は一人用ソファに座りじっと待っていた。


「やぁ、君が加月君だねぇ」


やってきたのは蘭果さん!...ではなくお、おじさん?


「かっ、柿ノ葉加月と申します」

「おお、聞いているよ!蘭果から!..いやぁ、君やっぱり話に聞くように..イケメンだねぇ..」

「あっ..、えっと..あっ、ありがとうございます..。」

「..って、はは!すまないねぇ!さて、自己紹介が遅れたね!僕は蘭果のおじの美薗高台だ」

「お、おじさま!!あなたが蘭果さんのおじさまですね!いやぁ、こんにちは!」

「こんにちは!..って、ははははっ!きみおもしろいねぇ!まぁまぁ、座りなさい。」

「はい!!」


「さて、こんな朝早くどうしたんだ?もう、出発時間なのに。」

「そのことなんです!!僕ほんとは蘭果さんとやろうって考えてたんですけど..、いいや!」

「おお..」

「あのぅ!おじさま!..いや高台さん!....ドッキリって好きですか?」




加月君は笑いながら話してくれた。

「それで、俺が運転手になって、みんなを驚かそうって話になってさ!」

「ほほう..。加月..おまえやるなぁ」

「でしょ?」


「はははっ!いやはや、蘭果!話に聞いていたより面白い子だなぁこの子は!はははっ!!」

「おじさまぁ!もう、私を差し置いてこんなこと考えて!もう」

「ごめんごめんって蘭果ぁ」


「加月君...正直言っていい?」

「うん!茲っ何でも言ってごらん?」


「...会いたかった」


「えっ」

「...こんな形じゃなくて..ドッキリじゃなくて..。」

「...なんかごめん..。」

「...でも、会えたから..!初めての..デートだから...僕が...僕からおはようって言いたかった。」

「茲..。ごめん..、いいよ!俺っ」

「加月君..ごめんね!こんなめんどくさいこと言って..。..でもちゃんとしてから..僕朝からでも元気いっぱいの保野倉茲でいたいから!」



ぎゅっ



「茲..今日めんどくさいよ」

「...ごめん」

「俺も会いたかった。茲に」

「うん..」


あぁ、なんでよ。まだ始まったばっかなのに。僕ってこんなにめんどくさいの?

僕は何に怒ってるの?加月君にドッキリされたこと?話してくれなかったこと?

会えなくて寂しかったこと?嫉妬..?


「俺らこれから海でいっぱいイチャイチャしようね♡♡」

「うんっ♡♡♡」


愛のか・く・に・ん♡



「久弥...」

「愛弘...」

「思ったこと言ってもいい?」

「あたしも思ったよ。同じこと..」




「こいつらとてつもなくめんどくさいカップルだ!!!」







そんなこんなでようやく海についた。


「海だーーー!!」



「加月君!海だね!」

「海だね!」




「うみーー!!愛してるーーー!!」


加月君と僕は海に感謝をしました。


「おじさま、荷物はとりあえずお部屋に運びますか?」

「そうだね」


リムジンの後ろからついてきていた車から5人ほどの付き人が出てきて、次々と僕たちの荷物を運んでいく。


「高台様。荷物はお部屋にすべて運びました。」

「おお、ありがとうね。さてみんな!早速別荘に入ろうか」


「はい!茲!行こ♡」

「うん!」


別荘は、見た目がとても大きくて、びっくりした。

「高台さん、この別荘って、何坪くらいあるんですか?」

「あぁ、どのくらいだったかな..。確か、5百坪だったかな。」

「ご..五百坪..」

「すげぇなおい..。なぁ、久弥、5百坪ってどのくらいだ?」

「...想像できない。まって..調べてみる。...やばいよ。東京ドームの31分の1だって」

「...よくわかんねぇけど、すげぇな。蘭果んちの別荘。」



立派な玄関は両開きのドアになっていて色は落ち着いた薄茶色の木目。

玄関に入ると、まるで旅館の玄関のような構造になっていて、靴棚は約10名くらいの

靴が入るのかなぁ


「まずはリビングに行こうか」

高台さんは僕たちを案内してくれた。

一つのダイニングテーブルを囲いながら置いてある二人掛けソファにそれぞれ座ると

高台さんの後ろに5人の付き人さんが並んだ。

「この別荘は部屋がたくさんあって迷うだろう。もし迷ったら近くにいる付き人に声をかけなさい。」

「はい!」

「よろしい。..ではぁ!早速部屋を紹介しよう。まず久弥ちゃんと愛弘ちゃん、付き人の相原(あいはら)についていきなさい。じゃあ相原よろしくな。大事なお客様だ。」

「もちろんです、高台様。それではお部屋にご案内いたします。」

相原さんはとてもしっかりしてそうな女の人だ。

愛弘ちゃんと久弥さんは「いや~お客様だなんて~、照れるなぁ..」とぶつぶつ言いながら行ってしまった。


「さて、茲君と加月君もご案内しよう。安藤、よろしくな。」

「もちろんです、高台様。おまかせください。さて、茲様、加月様、お二人の付き人になります安藤(あんどう)と申します。」

「よろしくお願いします!」

加月君とともに頭を下げた。

安藤さんは左目の下に小さなほくろがあるえくぼの素敵な男の人だ。



そのあと僕たちは安藤さんと富士(ふじ)()というお部屋に案内された。


「こちらがお二人様のお部屋になります。高台様からお二人一緒のお部屋にするようにとのお申しつけがございまして。よろしかったでしょうか。」

「はい!もちろんです!俺も茲と一緒に過ごしたかったので!ねっ!茲!」

「うん!僕もうれしいです。ありがとうございます。」

「それは良かったです。では、何かありましたら隣の部屋におりますのでお声掛けください。」

「わかりました。ありがとうございます。」


部屋から立ち去ろうとする安藤さんに焦って加月君が声をかけた。

「あっ、安藤さん!僕たちが呼ばない間は何してるんですか?」

「えっ..と申しますと..?」

「ひまじゃないですか?」

「あっ、あぁ、お気になさらず。(わたくし)は大丈夫ですので」

「あ..あぁ、そうですか..。じゃ、じゃあ!後で暇になったら呼びますね!」

「はい!承知しました。それでは失礼します。ごゆっくりどうぞ。」

すると安藤さんはゆっくりと(ふすま)を閉めて行った。




部屋はとても広く、押し入れには二枚の布団とまくら、枕カバーの掛け布団がきちんとたたまれてはいっていた。

よくみると消臭剤も置いてあった。


「なんか生活感あっていいなぁ。」



「茲!見て!!」

窓を開けていた加月君に駆け寄ると

「わぁ!!海だ!オーシャンビューだー!!」


目の前には広くひろがる海があった。


さて、これからこの海で泳ぐぞ!そうだ、他の部屋にも行ってみよう!


つづく

ここまでお読みいただきありがとうございます

次回からようやく海入ります!お楽しみに

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