【15】まさかの再開
こんにちは!
ゲイ校もあと半分。お楽しみください♪
前回、かずき君が美園 蘭果さんという方とお見合いしたのですが..。
俺は母さんと料理を食べながら待っていた。
しばらくしてふすまの開く音がした。
「すみません。先ほどはお見苦しいところをお見せして。」
そう言って蘭果さんのお母さんは入ってきた。
「大丈夫ですよ。それよりお嬢さんは大丈夫ですか?」
「はい..。なんとも..。」
蘭果さんはそういったが本当に面白い子だ。顔は笑ってるのにどこか迷惑そうにしている。隠してるのが見え見えだ。
「さぁ、蘭果さん。無理せずにでいいので、召し上がってください。」
母さんがそう言った。心の中では『払ってるのはこっちなんだから、食えよ。』って言っているんだろう。(ちがうかな..?)
「..んぅん!」
母さんは俺に「話せ」と言っているのか。
「あ、えっ..えっと。」
「はい?」
「蘭果さんは..おうちでは何をしてるんですか..?」
俺は笑顔で蘭果さんに尋ねた。いつもの茲に向かっての笑顔とは全く違う、普通の笑顔。
「そうですわね..。資料管理とか..、あとは会議に参加したりとか..。」
「すごいですね。特にどんな資料に管理をしてるんですか?」
「そーですわね..。政府のこととか..?(嘘)」
「じゃ、教えることは難しいですね..。」
「ええ。企業秘密ですのでね。」
蘭果さんは微妙な顔をして答えた。
まるで、もう話さないでくれ、とまで言いたそうな顔である。
...。
それからしばらくしーんとなって空気を読んで母さんが言った。
「あ、あの、うちのかずきはですねっ」
母さんがそう言った途端、フロントのほうで何かもめてる声がした。
「なんでしょうねぇ。」
「あ、俺、見てきますよ。」
俺は気になって襖を開けて顔を出した。
フロントのほうに行ってみるとそこには知っている顔が三つあった。
「茲っ?!」
驚きで口が開いたままになってしまった。
「あ、加月君..。」
「あ、加月!来ちまったぜ。」
「加月君ったらお見合いなんて..。教えてよ。もう。」
「愛弘、久弥まで..。」
後ろから「なになに?」と蘭果さんと母さんたちとがやってきた。
「お友達?」
「あ、こいつらたちは..。」
そういったとき、蘭果さんは三人に近づき..。
「えっ..嘘..!..こ、茲..?」
その言葉に引き寄せられるように茲が言い返す。
「その声は..蘭..?」
「..やっぱりっ。こ、茲と会えるなんて..」
蘭果さんはそう言いながら茲をそっと抱きしめた。
「蘭..。」
茲も答えるように涙を流しながら抱きしめた。
「茲..蘭果さん..。」
俺は茫然としてしまった。
つづく
まさかの再開でした。どうでしたでしょうか。
次話では茲と蘭果の関係が明らかに。では(^*^)/




