【14】お見合い
今回は強烈なキャラが登場です!
前回、突然母からお見合いの話を聞かされた加月。
「すみませんねー。遅くなりました。」
「いいえ。大丈夫ですよ。」
襖が開いた瞬間、一人のおばさんと一人の女の子が着物を着て入ってきた。
「それでは、失礼します。」
職員さんがそういってふすまをしめた。
一方の入ってきた二人は、いつの間にか俺の前に座っていた。
「まずは、自己紹介から。」
おばさんはそういって女の子の目を見た。
女の子は合図を受けたように自己紹介を始めた。
「私、美園蘭果ともうします。えー、年は14ですわ。未來女子中学校に通っておりますの。」
女の子は美園蘭果さんと言うらしい。さすが、お嬢様だ。
しゃべり方からして超上品。
「蘭果さんですか。とても美しいお名前ですね。」
「ありがとうございます。うちの蘭果は学校では一番の優等生ですの。」
「あら、それはすごいですね。」
母さんは、蘭果さんのおかあさんとよく話している。
俺はとにかく何も話さず回りを見渡していた。
チラッ
合ってしまった。目が合ってしまった。
蘭果さんはずっと俺を見ている。
(そんなに見んな。キモいな。だから、久弥とか以外の女は嫌いなんだ。)
「あ、ごめんなさいね。つい、お話に夢中になりすぎて。そちらのお子さん。」
「あ、はい。っ加月。自己紹介よ。」
「あ、うん…。私は柿の葉 加月です。えーと、中学に通ってる14歳です。…よろしく…。」
「加月さんと言うんですね。」
「は、はい。」
「とてもかっこよくていいお名前ですわ。」
「あ、どうも。」
「あ、あの、加月さん今までどのようなご活躍を?」
「えっ、えっと…。部活は入ってません。」
「あら、そう。では、他には…?」
「うーん。」
(他って言われても「ゲイ校行ってます!」何て言えるわけないし。)
「うーんと、母さんの手伝いとか…?」
「あ、そうなのですか。私、母のお手伝いはしたことありますわ。特にどんなことを?」
「えっと、普通に皿洗いとか洗濯とかですけど。」
(洗濯たのしー!)
「お洗濯?!そんなの、メイドがやるはずでは?!」
「あ、俺んち、メイド居ないんで。」
「えっ!?そうなのですか?!お母様。」
「あ、まあ、はい。居てもやってもらうことありませんし。」
「蘭果!一旦落ち着きなさい。」
「は、はい。すみません。」
蘭果さんは慌てていた。
メイドって、楽できるけど自分でしたいことできなくなるでしょ?
「どうも、すみませんね。うちの蘭果が。」
「いえ。こちらこそ、お嬢様に余計なこと言ったようで。」
(私がいつ、余計なこと言ったんだ!)
「わ、私、お手洗いに…。」
「大丈夫ですか?!」
「大丈夫ですよ。私も行ってきますので、少しお待ちいただけますか。」
「はい。待ってます。でも、私も行った方がいいかも。」
「本当に大丈夫ですので、お待ちください!」
蘭果さんとお母さんはお手洗いに行った。
「加月!お願いだから、ちゃんとして。」
「ちゃんとしてるよ!っていうか、嫌だったら嫌って言っていいっていったのは母さんだろ?」
「あぁ、そうね。ごめんなさい。」
「謝んないでよ。っ蘭果さん、大丈夫かな。」
「ホントよね。大丈夫かしら。」
〔その頃、蘭果たちは〕
トイレで、話していた。
「お母さん!あの人、自分でお洗濯してるのよ?!頭おかしいのかしら!」
「何いってるの?!ほんとはあなたもしなきゃいけないのよ。」
「うそ!何で私がそんなことしなきゃいけないの?!」
「もう!そんなことはいいから、とりあえず落ち着きなさい。」
「でもーー!」
蘭果は、ほほを赤くしながら鏡で自分の顔を見ていた。
つづく
今回はここまで。次話もお読みいただいたけるとうれぴーです!




