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ベアーズロック-神々の晩餐-  作者: ゆる


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#81【第四部隊 ルイ班 サンケイ村編】怨みの炎


【サンケイ村】

此処は温泉の栄えている村。

有名な食べ物は、甘みと酸味の合わさった果物。赤く小さな球体が二つ並び、緑色のつるで繋がっている。その果物は、サッカンボと言う。

他にも山寺や五重ノ塔など有名な建物が幾つもある。

しかし、四方八方何処を見ても…


「山山山山山山山山山山山山山山っっ!!!」


(うわっ…また荒れてるよルイ隊長…。)

俺の名はキム。四番隊ルイ班に所属している。

「……おい…何であんな荒れてんの?」

俺は小声で隣の隊員へ声を掛けた。

「……話し掛けるな…見つかったら面倒だ。」

彼はこちらを見る事なく、ルイ隊長を見ながら返答した。彼の名はラテ、チーム一真面目で勉強熱心な男だ。四番隊に配属されたのも、技術を知識で補えているからだとか。

「四番隊、全員いるか!キム、ラテ、カノン、フォミ!」


「「「「はいっ!」」」」


(…どう見ても四人いるやろ。)

「ルイ隊長っ!キムがどう見ても四人いるやろ…と言いたそうな顔をしていますっ!」

「ばっおまっ!ふざけんなっ!」

同じく隊員のフォミが俺の心を通しした上に告げ口をした。

「キィィィムゥゥゥゥゥッ!?」

ルイ隊長の殺意の視線に耐え切れず、俺は全力で謝罪をした。


訓練後、俺達は宿舎へと戻り、各自自室で過ごしていた。

深夜、中々眠れない俺は外の井戸で顔を洗っていた。

「大変だったね。」

冷水で顔を洗っていると、右脇から三つ編みの美少女が布切れを渡してくれるのが見えた。

「ありがとう。」

「どういたしまして♪」

彼女は満面の笑みで答えた。


──────かわぁええぇぇぇぇぇっ!?

俺は心の中で叫んだ。

そんな彼女も同じく四番隊の隊員のカノン。彼女とは普段あまり話さないのだが…

「キム君って何でベアーズロック入ったの?」

そのせいか、これを機に話そうとしているのか、彼女は間髪入れずに質問を投げ掛けてきた。

「うーん…人気者になりたかったから…てか、キム君て。」

我ながら子供みたいな解答だと言ってから後悔した。

しかし、彼女が笑う事は無かった。


「キム君はキム君だよ!それにしても、凄いね!ちゃんと入った理由があるって素敵だと思う!私なんてさぁ、美味しい食べ物が食べれるかもしれないからって理由で入ったんだよ?」

俺と大差なかった。

「…てか、カノンは何で此処に居るんだ?眠れなかったのか?」

話を振ると、カノンはゆっくりと立ち上がり、宿舎に手を向けた。

「…期待外れだったの。」

「…期待外れ?」

すると、カノンの手から大きな炎が舞い上がり、球体となった炎は宿舎に放たれた。

「なっ!?」

宿舎は一気に炎に包まれ、内部から多くの人達の悲鳴が聴こえた。

「お前、何やって…」

「あっはっはははははははははははっ!!!」

カノンは声が裏返るほど高らかに笑っていた。

宿舎には隊長やラテ、フォミ、数名の村の住人がいる。彼女の奇怪な行動に俺は困惑していた。

「隊長っ!皆ぁっ!」

俺は宿舎に入ろうとした。しかし、段々と炎の威力は強まり、内部には入れそうになかった。

「クソッ!どうしたらっ!」


大水鏡(だいすいきょう)ッ!」

突如、宿舎の上部から大量の雨が降り始めた。

雨は炎の威力を弱めるほどに勢い良く降り続けた。


「!?何が起こったの!?」

カノンだけでは無い、俺にも何が起きたのか全く理解出来なかった。

「状況を説明して貰おうか、キム。」

宿舎とは真逆の方向、森から現れたのはルイ隊長だった。

「…隊長。」

俺は声が出なかった。

「カノン。どういう状況だ。」

ルイ隊長は諦めた様子でカノンへ話を振り直した。

「と、突然、宿舎が燃えたんですっ!私が皆を助けに行こうとしたら…キムが行かせてくれなくて…。」


──────はっ?この女、何を言って…。

「それが本当であれば由々しき事態だ。キム、もう一度聞く。何があったのか話せ。」

僕はカノンの言う事を全力で否定をしようとした。





しかし、言葉以前に口を開けることが出来なかった。

俺は両手で口を開けようとするも、口は固く閉ざされていた。

「…答えられないのか?」

俺は全力で首を横に振った。

「そうか、わかった。」

イケ隊長がそう言うと、俺は首根っこを掴まれて連れて行かれた。そして、宿舎の裏へと回り、地下へ続く階段を降りて行った。

地下に降りてすぐ左の牢屋、俺はそこへぶち込まれた。

「隊長っ!話を!」

隊長は何も言わず、冷酷な目を向けて立ち去った。

「…俺は…何も。」

隊長に声が届く事は無かった。

俺は泣き喚き、次第に疲労で眠りについた。

目が覚めると、今は朝なのか昼なのか夜なのか全く分からなくなっていた。


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