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ベアーズロック-神々の晩餐-  作者: ゆる


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#71 【第三部隊ライラ班 ギーミャ村編】三騎士


現在ギーミャ村、サンケイ村、クシマ村は貧民村として指定されている。

貧しくなってからは生きていくのが困難になり、住民は減っていく一方であった。


【ギーミャ村】

かつてはゲンメイをすり潰して練ったデンゴという食べ物が有名であった。又、高級品として知られている肉も盛んな村で有名であった。

しかし、自然破壊により、作物は育たなくなり、動物達も充分な栄養を確保出来なくなってしまったのだ。


そんな中、三つの村には、騎士と呼ばれる者が三名いるらしいのだが…


「こんな物しか出せへんで。すまねぇなぁ。」


私達第三部隊は、ギーミャ村に到着してから村を彷徨っていた。そんな中、私達に村人を名乗る老人が声を掛けてきた。その老人は【ずんだ】と名乗り、自身の家へと招待してくれた。しかし、そこは家と呼ぶにはあまりにも程遠く、今にも潰れてしまいそうな状態であった。そして今、汚れた謎の容器に少し濁った水を出してくれた所だ。

「…いえいえ。お気遣いなく。」

恐らく、ずんださんに悪気は無い。

私は咳払いをした後、何故村がこんな状況になったのか訳を聞いた。


「…ちっと前まではこんなんじゃなかったんだけどな。ある日から作物が育たなくなってな。不思議なもんで、草木がどんどん枯れてくべ。それにこの村は雨は降るんだけど、陽が出ねぇもんでな。アキト村でゲンメイを分けてもらおう思ったけんど、金出さないと駄目言われて。アキト村の連中も昔はあんなんじゃなかったけんどな。まぁとてもじゃねえけんど払えなかったもんだから、諦めて昨日村へ戻って来たばかりなんだべさ。」

ずんださんは独特な話し方で状況を私に伝えてくれた。見た目だけでなく、足は更にボロボロな状態であった。皮は剥け、黒ずみ、至る所から出血さえしていた。

私の目線に気が付いたのか、ずんださんが足を擦りながら再び口を開いた。

「別に俺だけがこんな思いしてる訳じゃねぇぞ?サンケイ村もクシマ村も同じよ。なんでかソウモリ村とアキト村は栄えているみたいだけんど。呪い師じゃあるめえし、天気や自然を操れる訳でもないしな。まあ俺が何とか食べてるし、やっていけてるんだから他の連中も大丈夫。それに此処で生まれてここで死ぬ、それだけでも幸せなんじゃないかって最近思えるんよ。」

ずんださんは、決して落ち込んでなどいなかった。むしろ前向きに今を生きている。


「…ずんださん。これ少しですけど。」

私は自身の一食分のパンを手渡した。

「いやいや!こんな大事な物受け取れねぇべさ!」

「…貴方の味わった苦痛に比べたら、私の一食分の空腹なんて大した事ありません。今度はずんださんを私達の村へ招待します。それまで必ずお元気でいてくださいね。」

私がずんださんの手を握ると、ずんださんは泣きながら手を握り返してきた。

「…ありがとう…ありがとうな。」


「ずんださん、もう一つ伺いたい事があります。」

家の外、見送りの前に私はずんださんに尋ねた。

すると、ずんださんは「何かな?」と首を傾げた。

「東北に存在すると言われた【三騎士】について、何か存じ上げませんか?」

ずんださんはやや苦い表情をしながら天を見た。

「…古い言い伝えにすぎんよ。大昔東北に住んでいた【三騎士】は、三つの剣を使って、竜を封印したと言われとるんよ。ギーミャ村、サンケイ村、クシマ村の中間にその竜を封印した【竜の祠】があると言われとるけど、実際そこには誰も近づけん。いんや、正確には何処にあるか分からんのよ。その【三騎士】の剣も封印の時に使用したらしいし、その【竜の祠】にあるんだろうな。」

「そうですか…。ちなみにその【三騎士】の血縁者とかって…。」

ずんださんは半ば諦めたように溜息を吐き、私の方を向き直した。

「実は…一人は私なんです。」

ずんださんのカミングアウトに私達第三部隊は驚きを隠せず、軽く声を荒らげてしまった。

「残りの二人も存命ですよ。今はこの村にはおりませんが、会いたいのであれば共通の友人を紹介しますよ。」

私はずんださんの言葉に甘え、残る【三騎士】の血縁者の元へと案内して頂いた。

そんな中、第三部隊の隊員達は、皆不満そうな表情を浮かべていた。


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