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この作品には 〔ガールズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

夕暮れの廃工場

作者: weapan

身内の所で上げたものを投稿したものになります。処女作!頑張る!

追記:

全体のストーリーと整合をとるためにリメイクと次回作の設計を急ぎます。

 これまで知らなかった暑さ。まだ7月も半ばだというのに汗が噴き出てしまう。

 このあたりは毎年そうなのか、温暖化のせいか、それともみっともなく息を荒げて走ってきたせいなのかは分からない。


 高校1年生を閉じこもって過ごした自分が恨めしい。

 約束の時間まであと5分、すぐそこの角を曲がれば――



「おはよう、柴木(しばき)さん」

 美少女が立っていた。


 上品なのに動きやすそうな黒のスカートに白のトップスが映え、澄んだ青い目と神秘的な銀色の髪は同性の私でさえもドキッとする笑顔。立花(たちばな)さんの柔らかい声が静かな路地裏に溶けていく。

「いったん座ろ?」


――――


「頼みって一体何、でしょうか?」

「敬語はいいよ、そんな大層なもんじゃないし」

「うう、わかったよ」


 財閥のお嬢様だし、護衛がつくような人なのに、どうして私に?


「実は昨日、幼馴染の子達と肝試しに行ったんだけどね、そこで変な影っていうか、何か黒い大きなものを見たの」

「大丈夫!? 怪我とかしてm、してない?」

 話してみれば深窓の令嬢、なんて噂とは大違い。


「それは無かったんだけどみんなで逃げるときに大切なもの、を落としてしまって」

「それは大変、その……大切なものって?」


「普段からつけてる白いペンダント。おばあさまの形見なの」

 あー、なるほど。家の人には頼みづらそう。


 高2の春に編入して来たばかりで関わりが薄いというのに、こんな美少女に頼られるなら”デカ女”の甲斐があったというもの。


「突然こんなことを頼んじゃって――」

「よし。今から行きましょう。場所はどこですか?」


「え?」

 驚きに染まった表情は、すぐに喜びに変わり。

「いいの!? 向こうの町外れの廃工場なんだけど――」


 こんな笑顔のためなら。

「勿論」

 焼けるように痛む嫌な予感も、平気だ。


 道すがら細かい状況を話したりしていく。


 妙に落ち着かなくって、結局私は敬語で話すことにした。


「そういえば聞いてなかったけど、幼馴染の子達はどうしたんです?」

「実は、帰った後急に体調が悪くなったらしくて。久遠(くおん)ちゃんたちもそうなんだよ。教室にも来てなかったでしょう?」


 仮病かと疑ったけど、あの人なら知ってる。


「確かに、あんなに楽しそうに生けられる人はなかなかいないって先生も言ってたね。」

 腕前は微妙らしいけど、あんなに楽しそうにしている華道教室を休むなら本当だろう。


 噂をすれば影というべきか、早速関係のある人物に出会った。

「あっ、久遠のおばちゃん! 蒼依(あおい)(みどり)は良くなった? 昨日調子悪そうだったけど」


「碧も蒼も風邪で寝込んでるよ、美桜(みお)ちゃんは平気かい?」

「そっか、私は大丈夫だよ。おばちゃんありがとう。」

 仲、いいんだなぁ。少し胸がざわめく。


「隣のあなたは先輩かい? 遊びに行くのなら気をつけてね。最近は失踪だ何だと物騒だから。」

「柴木さんだよ。ほら、春に引っ越してきた!」

「よろしくねぇ。」

「あはは……気を付けますね。」


 同い年だけどね。へへっ。


 久遠さんのお母さんに手を振り、町の外れへ抜けていく。


「姉妹そろって体調不良、案外本当に”何か”あるのかも知れませんね?」

「怖いこと言わないでよ……あっ、見えてきたよ!」

「ここが……なかなか雰囲気がありますね。」



 波型の屋根は半分森に埋まっていた。一体どれだけ時間がたっているのか、壁は一部ひび割れ、むき出しの鉄骨が覗いている。昼でなければお化けでも出てきそうな雰囲気だ。


 崩れかかった出入口を眺めていると、立花さんの声がした。従業員用の小さいドアがあるらしい。

「昨日はここから入ったんだ。」


 声が、少し震えている。昨日のことを思い出しているのだろう。

「大丈夫、一緒ですから。それに、まだこんなに明るい。」

「そ、そうだね。行こっか。あっ、ライトはある? 2つ持ってきてるけど」

「助かります。」


 カチカチ、スイッチを押して確かめていると、立花ちゃんがドアを引っ張っている。重そうだ。

「あ、開けるの代わりますね。」


 ギィィ、と軋むような音を立ててドアが開く。

「うぅ、怖……こっちだよ」



 おっかなびっくり薄暗い工場の中を進んでいく立花さんの後を追う。

 この布陣は昨日通ったという経路を案内してもらうために、そして私に背後を守ってもらうためだそうだが、怯える立花さんを先頭に立たせるのは心苦しい。


「うーん、何も落ちていませんね。」

「誰か、それこそ昨日のあの影にとられちゃったのかな」


「とにかく探すしかないですよ。」

「そうだね。この後は、あれ? この階段を下りたはずなんだけど」

そこには何もなかった。


「妙ですね。……とりあえず他を探してみましょう」

 しかし一歩踏み出した瞬間、事態は急変する。



 沈み込む感触。足元には今までになかった影が広がっていた。

「うわぁ!? なにこれ! イヤッ! 沈んでっ!」

「ッ!? 何しやがるっ!?」

 過去の記憶、落とし穴の類か?

 思考がピリピリとしてつい荒い言葉が出る。


 飛びのいて、気づく。私よりずっと低い立花さんの背がさらに低く見える。


 彼女の靴が見えない。まるで影に沈んでいるかのようだ。


 影に懐中電灯を当ててみたものの、暗いばかりで照らすことができない。

 立花さんは必死にもがくものの、徐々に沈んで行っている。


 なんとか引っ張り出そうとしても抜けない。


「落ち着いて!」

「!?ゴボッ!ンー!」

 ダメだ!顔まで沈み始めてパニックになっている!


 そう思った時には、咄嗟に飛び込んでいた。なんとか彼女を持ち上げ、影から押し出そうとする。少し持ち上げて、顔を出すことはできた。しかし、さらに深いほうへ移動してしまったようで、苦しくなっていく。


 段々と影の端が立ち上がり、ドームのようにせり上がっていく。せめて離すまいと掴んだ裾までもがとろけて離れていくかのようで。


「待って!」

 そう叫ぼうとしたときには全部、影に沈んでしまった。




 暗闇の中、落ちていくような感覚。

 悪手だったかもしれない。それでも、そうしなきゃいけなかった。わかりやしないのに、そう確信している自分がいる。



 無限に落ちるような、しかし以前落ちた時のように加速するのでもないような不思議な時間。男とも女ともわからない声が響いた。



〈君は、坂口、だったか? いや違うな、血縁か。〉


(――なぜその名が出てくる!? 誰だ!)


 ゾッとするような嫌な気配、中学の時のような悪意の表出。咄嗟に、あの時のように強がって見せる。

 感じ取ったと同時に叫ぼうとしたが、声が出ない。


〈ちょっとした因縁、というのかな。君たちはいつも邪魔してくれるね……しかしまぁ君も、じきにこちら側(物の怪の世界)にくるはずさ〉


(何しやがった!?)




〈ふふ、取り繕うのをやめるかい? 怒り、坂口君とそっくりだねぇ。

 ま、せいぜい頑張りなよ。〉

 何を言って……



 疑問に思ったのもつかの間、不意に視界が明るくなる。

「いる――!? ぐえっ」


 背中を強く打つ。突然のことで受け身も取れず、懐中電灯が下敷きになって痛む。

 何が起きた?それにアイツ、どこまで知って……


 いや、今優先すべきは一つ。

「立花!立花さん!」


 あたりを見たが、いない。あの時手を離さなければ……

 赤い**夕陽**が差し込むばかりだ。夕、日? 気絶していたのだろうか?


 スマートフォンを見れば、時刻は1:00だった。おかしい。


 例え気絶していたにしても空腹具合や入る前の時間から考えればどんなに遅くとも11時くらいのはずだ。それに、こんなに赤い空なわけがない。しかしその意味をすぐに知ることになる。



 0:59――カウントダウンする表示、タイムリミットを示しているような気がした。


 ありえない。常識はそう判断する。でも、ここは、間違いなく

 『常識の通じない世界』。


 坂口おじさんの、『昔迷い込んだ』なんて言っていた狂言が妙にしっくりくる。


 予想が合っているかはわからない。でもとにかく立花さんを探すしかない。


 懐中電灯を握りしめ、転がっていた鉄パイプをお守り代わりに担いで、歩き始めた。





――――

 探索していて分かった。ここは、さっきまでの工場のようにボロボロだが、全く違う場所のようだ。構造がまるで違う。


 さらに、窓から見る外の景色は何もない平野に、赤い赤い夕陽が煌々と照っているものばかり。それも、**どの向きの窓を見ても夕陽が見える。**


 どの窓からも光が差し込んでいて、夕陽が決してまがい物ではないように思えてならない。崩れていた壁から外に出てみれば、空が視界にある限り必ず夕陽が見える。おかしくなりそうだ。



 とてもじゃないが何もない平野の先に街があるようには思えないし、立花さんもペンダントも見つかっていない。


『焦るな、すべての基本は冷静な洞察と分析だ』


 大丈夫。気持ちを落ち着け、工場に戻ると

 猫のような形の黒い影がいた。その影は白いペンダントを見せると、トンネルの中へ入っていく。


 さっきまで何もなかった壁に、山にあるようなトンネルが現れていた。

 驚く私をよそに、トンネルは徐々に小さくなっていく。


 あんな怪しいモノ、逃がすわけにはいかない。



 踏み込んだ途端に、懐中電灯の調子が悪くなる。それでも走るしかない。

「待て!」

 叫んだ瞬間、嫌な予感を前方に感じ、鉄パイプを振りぬく。


 喧嘩なんて馬鹿やっていた時の感覚は完治していないようで、鈍く、肉を打つ感触がした。

 確かな手ごたえ。それと同時に腹部に走る激痛。


 斬られた。爪のような跡。あの猫がやったのか?


 唸り声を上げていた猫は影に沈むように消えた。

追いかけようと手を伸ばせばそこには白いペンダントが落ちていた。


綺麗だ。優しい願いが込められているような感触。それに触れようとして――


 幻聴が聞こえる。

『金輪際その穢れた手で花を触るな! 出ていけ!』

 あの講師の声、こんな時に、最悪だ。


 新しい教室に通い、忘れようとしていた罪悪。人を殴ってきた手で、美術に触れるというのは。

『『ほら、やっぱりあの”デカ女”はニセモノだ!』』

 嗤う声……許せない。お前らが……



 怒りに呑まれそうになる私を止めるのもまた別の声。

『怪物に出会った時は、冷静さを取り戻すことから始めろ。』

 おじさんの声。


『真摯に、静かに、丁寧に向き合う。それができればいいのよ。』

 教室の先生の声。


 間違えるな。私。

「今は、そんな場合じゃないだろう……!」


 この傷をなんとかして立花ちゃんを助け出す。

 そう思った時、ポケットのスマートフォンが光った。

 見れば、



0:45

 カウントダウンが一気に進行して

0:38

――傷が癒える。

0:31



「は……?」

 理屈はわからないが、これで動ける。

 トンネルが消えて、出た先は書斎のような場所。

 机の上には本が置いてある。



“影生物の使役”

 表紙には赤文字で「緊急、報告、至急本部へ」などと殴り書きされている。

 導かれるようにその本を手に取り、パラパラと捲っていく。


 影の由来、陰陽、呪術的意味、実験記録……あるページに目が留まる。


 “影は光があって生まれる。ならばそこにたくさんの影があるとき、それに呼応する光が得られるはずだ。”


 “第1回実験は成功。影を重ね、強化することで、そのもととなった被験者の生命力は増大した。”


 “第2回実験では影の使役を試みた。部分的に成功。しかし、影が自立し被験者から離れたため、影を失った被験者は徐々に衰弱し、その後全員48時間以内に死亡した。”


 “第3回実験では影の生態を調べた。夕陽の下でもっとも強大になり、暗闇の中でもっとも弱体化した。光を失った影は安定性を損なうようだ”


 “第4回実験では影への収納能力を確認。およそ3Lの物品を収納できることが分かった。


 “第5回実験では影に実体を与えた。死体を影に沈めるとそれを再構築し、動物などのような姿を取った。ここではそれぞれの個体を影猫、影狼、影魚と呼称する。”



 "第6回実験では更に多くの影をささげた。素晴らしい力の波動を感じる。"


 “第7回実験では実態を得た後の性質について調べた。いずれの個体も第6回実験を通した影響か強大になり、闇を克服した。影絵の形で一部の物品を再現できるようになった。”


 “第8回実験は失敗。物理的損傷を与えたところ強い嫌悪を示し、影猫が暴走。影狼も脱走。影猫に関しては第5回実験の際の死体、第2回実験被検体であった子供の意識が見られた。「ごはん頂戴」などとを叫んでいた模様。これを使えば影人間を作れるかもしれない。待っていてね。昭泰。全部壊すから。”



 “第9回実験記録

晴天・屋内、室温摂氏17度、約500ルクス

目的:安定した自我を有する影人間の生成。


―失敗と判断。誕生した影人間は前回の実験で暴走し収容されていた猫型の個体を開放し融合し、更なる狂暴化が確認された。素体となった研究員の離反行為の恐れがある。

施設を放棄し、自閉処理を行う。時間がないため、この実験記録を以て報告書、並びに救援要請とする”



 “第1200号素体

上手くいった。唆した研究員は予定通り影猫と融合。素体となった少年態の分離、洗脳に成功、()()()の核として利用可能な状態だ。不躾な研究員風情に報告を上げられそうになった際は危なかった。未だに物理的に脆弱なのが気に食わない。期待はできないが魂を集め、自己強化に専念するよう指示を出すとしよう。




 支離滅裂な実験、吐き気を催すような文章。

 こんなものに、彼女が巻き込まれた?

 最後の2つはそれまでとはまるで違う人物が書いたようだ。

 本を読むのに夢中になっていて、背後の警戒が疎かになっていた。




「何をしているの? 今日のごはんじゃないでしょ?」

 ボーイソプラノが聞こえる。この記録が本当なら、背後に【影猫】がいる。


 恐る恐る振り返れば、被験体だったであろう少年。やせぎすで、今にも折れそうな細い体。その眼には生気がなく、口は黒く裂け、吐息のように闇が零れていた。


「おかあさん、どうだっけ?」


 少年が問いかければ猫が鳴く。あの時の影だ。

「昨日は2つ食べたね。明日には消化されるんだよね。逃げられた子も、もうすぐ食べられるようになるんでしょ?」


「立花さんを返せ。久遠さんの影も。」


「どうして?ごはんを食べるのは”いいこと”、ご飯を残すのは”わるいこと”なんだよ?それに、」

 少年は邪悪な笑みを浮かべる。





「あの二人、すっごく美味しかったのに。」


0:25


 直感的にわかる。こいつは駄目だと。


「そうか。ならいい。」

 覚悟はできた。闘争本能、思考が一段加速する感覚。


「私は柴木志乃!いざ、勝負!」

 気合を入れて鉄パイプを振るえば、影猫が少年を庇った。


 ヤツは苦しそうにうなり、影に潜った。なるほど道理で急に消えるわけだ。

 私の背後からくる殺気に蹴りを合わせる。ジャストミート。

 軽く煽りを入れる。

「返す気になった?」


 勿論そんな気はないだろう。うなりを上げ巨大化する影猫。


「影の能力も巨大化も、やられ役の技だっての!」

――切り裂く。その確信に従い、鉄パイプは自然と刀のようになる。


0:21



 素人刀ながらその刃は対象にまっすぐ通った。


 まだ反撃が来るかもしれない。こちらから追撃する。


 背後の空気が揺らぐ。でも影猫は目の前にいる。これが最初のカウンターと同じ技。



 今度は槍が左手に現れる。

「うおおおおおお!」

 気迫を込めて投げつければ、そのまま両手にグローブがはまる。

0:14


 最後のあがきというべきか、喉笛を裂くように放たれた斬撃。鎧のようなものが弾いてくれる。

殺す。

**0:02**


 全力のラッシュ。見た目はもういい。全部壊す。

 10、20、30発に及ぶ打撃は3年前よりずっと強烈な手ごたえ。気持ち悪い、でも、止めない。



 影猫は、とうとう力尽きて消えていく。

 集められた影は霧散し、少女二人の影が立ち去る。残されたのは美しい銀髪の眠り姫。


「立花ちゃん!」

 思わず抱き寄せる。暖かい。


 立花ちゃんの生存を確認した私はついぞ動かなかった少年のほうを振り返る。

 蹲り、泣いている。しかしそんな体も徐々にチリと消えていく。


〈期待外れだよ、1200号〉


「!?」

 また、あの声。


〈それはそうと、やはり君は変化によく馴染むようだ。君は導かれる素質がある〉


 強い緊張感。すべてを押しつぶしそうな存在感に圧倒される。


〈だが異世界の核を作るには少々手狭だし、何より核が壊れていて不安定だ。〉

 一体何を……

〈何、私は帰るよ。また近いうちに。〉


「だから何を!」

 問いかける間もなく、あれは消えた。


0:01


 空間が、揺らいでいるような感覚。差し込む光。あれが”出口”だとはっきりわかった。

 引き留めるような力の流れ。暗い、昏い、恨みがましい思いなんかに捕まるものか。


 立花ちゃんをお姫様抱っこして、私はまっすぐ歩いて行った。



 そして光に包まれ。

 はたと正気に戻った私は立花ちゃんを膝枕していた。


 彼女の目が開く。

「「っ!?///」」

「私たち、一体どうして」


 二人そろって、顔が真っ赤になる。


「鎧を着た志乃ちゃんが助けてくれたんだっけ……あっ!」

「わっ」


 言われて気づく。さっきまでの武具、汚れや痛みが消えている。

 あれは何だったのだろうか。


「「どうしてたんだっけ……」」

 声がハモって、また思考が空回る。



 握った手には、白いペンダント。伝えなきゃ。

「ありましたよ! ペンダント!」


「ありがとう! 志乃ちゃん! 大好き!」

「っ!?///」

 さっきまで戦ってた時は一周回って冷静なくらいだったのに、胸がドキドキしてしょうがない。


 美少女が首をかしげる。

「嫌……だった?」


 全力で首を振る。もちろん横に。

「わ、私も立花ちゃん大好き!」


 抱きしめる。あれ、私は一体何を……

 見れば、立花ちゃんも真っ赤になっていた。


「美桜って、呼んで?」




 「美桜……さん。」

「あはは、恋人みたい!」

 そう言って、また、真っ赤になる。


 ああ、これまで知らなかった熱さ。


 これはきっと目の前の美少女のせいに違いない。





Q&A(本編で示せなかったあれこれの一部)

主人公の来歴が意味不明!→中学2年生まで華道をやっていたが、顔や背丈、挙句の果てには教室まで馬鹿にされ、怒り狂い、暴力沙汰になり、ちょっと喧嘩の道に踏み込む。それがばれて教室を追い出され、精神がぽっきり折れて引きこもり化。

 近くの高校には合格したものの、結局トラウマを感じ引きこもる。荒事慣れした親戚のおじさん、坂口に助けられ、遠くの高校に転入、続けて暴露療法的に新しい華道教室に通い、ヒロインたちと出会う!


変化・導きis何? 異世界とは?

→神秘や魔力に満ちた空間に影響されて部分的に人間をやめること

→怪異が持つ固有の空間のこと、今回の常に夕陽が見えて構造が変化する工場もその1つ


あの〈謎の声〉はどうなったの?

→空間の持ち主(少年)が死んだから異世界が崩壊し始めて、巻き込まれてはたまらないと逃げ出した。

まだ主人公を虎視眈々と狙っているので続編が生えてくるぞ!


なんで謎の声は坂口知ってるの?

→荒事をいろいろやってたら事件に巻き込まれた坂口がイライラして異世界ぶっ壊したぞ!

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