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恵まれた私
――あれは、小学四年生になって間もない日のこと。
『――ねえ、彩香。貴女も知っているように、舞香お姉ちゃんは生まれた時から病気なの。それも、すっごく重い病気……ねえ、可哀想だと思うでしょ? だから、貴女が――何の問題もなく健康な身体で生まれた恵まれた貴女が、そういう可哀想な人を助けてあげなきゃいけないの。分かるわよね、彩香?』
学校から帰ってきた後、リビングに呼ばれた母から改まった表情で言われた言葉。……恵まれた私、ね。
――あれは、小学四年生になって間もない日のこと。
『――ねえ、彩香。貴女も知っているように、舞香お姉ちゃんは生まれた時から病気なの。それも、すっごく重い病気……ねえ、可哀想だと思うでしょ? だから、貴女が――何の問題もなく健康な身体で生まれた恵まれた貴女が、そういう可哀想な人を助けてあげなきゃいけないの。分かるわよね、彩香?』
学校から帰ってきた後、リビングに呼ばれた母から改まった表情で言われた言葉。……恵まれた私、ね。
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