……ほんと、何とも――
「……あ、これって……」
すると、ふと枕元に視線を移し呟く由良先生。そんな彼に、私はふっと微笑み告げる。
「うん、さっき皆がくれたんだ。ちょっと倒れただけなのに、皆ほんとに優しいよね。もしかして、先生も作ってくれた?」
「……あ、いや、僕は……」
「えっ、作ってくれなかったの? 先生。私のこと心配してくれてると思ってたのに……なんかショック」
「……えっと、その、ごめん……」
「……ふふっ、冗談だよ。ごめんね先生?」
すると、私の言葉にたどたどしく謝る先生。そんな彼の姿に、私は少し可笑しくなって……うん、ごめんね? 意地悪しちゃって。誰にも言われてないけど、流石に分かるよ? どうせ、出しゃばるべきじゃないとでも思ったんでしょ? 皆が――大切な教え子達が、友達のために進んで行動しているところに、自分が出しゃばるべきじゃないとでも思ったんでしょ? ……ほんと、何ともこの人らし――
「……ところで、久谷さん。その、単刀直入に聞くけれど……最近、なにかあった?」




