……うん、やっぱりこのままじゃ――
それから、およそ二週間経て。
――バンッ。
「……っ!! 二人とも、大丈夫かい!?」
四限目が終えほどなく、教室後方から鈍い音が届く。見ると、教室を出ようとしてたであろう一人の生徒が尻餅をついていて。
「……その、ごめんね蒔野さん! その、わざとじゃなくて……」
そして、その生徒――蒔野さんとぶつかってしまったであろう女子生徒、久谷さんが謝意を告げつつ蒔野さんへ手を差し伸べる。きっと、急いでいて周囲の確認が疎かになってしまっ――
「――ご心配には及びません、それでは」
すると、徐に立ち上がり、一言そう告げ去っていく蒔野さん。差し出された久谷さんの手は、一顧だにされず虚空に伸びたままで。それから、少し間があって――
「――大丈夫、彩香ちゃん?」
「あ、うんありがと美奈ちゃん。でも、ぶつかっちゃったのは私だから」
「……でも、それにしたってあの態度は流石にないよ。やっぱり感じ悪くない? あの子」
「だよね。わざとぶつかったわけでもないのに、完全に無視とか――ほんと、何様って感じ?」
「それにさ、なんかわざとっぽくなかった? あの倒れ方。だって、そんなに強くぶつかってなかったよね、彩香ちゃん」
「見た目はすげえ可愛いけど、あの性格は流石に無理だわ」
そう、次々と続く蒔野さんへの不満。……確かに、今の状況だけを見ると無理もないのかもしれない。ぶつかられたことを考慮しても、先ほどの彼女の振る舞いはおよそ好意的に映る類のものではなく……うん、やっぱりこのままじゃ――