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狂った針は戻らない  作者: 暦海


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ここ、どこ?

「…………あれ」



 ふと、ポツリと声が洩れる。そんな私の視界には、見慣れない白一面が広がって。……えっと、ここ、どこ? そもそも、私は確か――



「――あら、目を覚ましたのね久谷くたにさん。良かった」

「…………へっ?」


 すると、不意に届いた穏やかな声。見ると、そこには声音こえに違わぬ穏やかな微笑を浮かべる白衣の女性。そんな覚えのない光景に暫く茫然とするも、少しずつ戻ってきた思考を巡らせ状況への理解に至る。



 …………そっか、私……あの時、倒れたんだ。





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