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狂った針は戻らない  作者: 暦海


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……うん、本当に――

 ……ただ、それはひとまず措いて――



「…………僕、もしかして寝ちゃってた?」


 そう、逡巡しつつ尋ねる。……いや、まあ疑う余地もないんだけど。ともあれ、そんな僕に対し――


「――ええ。察してはいましたが、ここ最近よほど眠れていなかったのですね。数十分ではありますが、ぐっすり熟睡していましたよ。大変可愛いお顔で」

「……その、ごめんなさい」


 そう、可笑しそうに微笑み話す蒔野まきのさん。と言うことは……その間、彼女は僕を起こすこともなく待ってくれていたということで……うん、本当に申し訳ない。それと……うん、本当に恥ずかしい。

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