61/242
……ただ、心做しか――
「――――違うんです、薺先輩!」
そう、叫びを上げる。そんな僕の視界には、燦然と星の輝く空と……えっと、夢? ……ただ、それにしても随分と柔ら――
「……いったい、なにが違うのでしょう? 由良先生」
「…………へっ!?」
そんな夢現の最中、ふと降りてきたひんやりした声にパッと身体を起こす僕。そして、おずおずと視線を向けると――そこには、正座をしながら満面の笑みを湛える蒔野さんの姿が。……ただ、心做しか瞳が笑ってない気が……それに……うん、何も違わないよね。




