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だって、彼は紛れもなく――
だけど、流石にそれが何かまでは分からない。少なくとも、昨日までは変わりは……いや、私のことで頭を悩ませてくれていたであろうことは分かっていたし、変わりはないと言うのもどうかとは思うけど……ともあれ、昨日までとは何かが明確に違うことは明白で。
……さて、どうしようか。あの様子だと、直接聞いたところで教えてはくれないだろう。だけど、当然ながらこのまま放っておくわけにもいかない。まあ、自身の苦痛すらどうにか出来ていないくせに人の心配している場合か、とは思うものの……それでも、やっぱり放っておくわけにはいかない。だって、彼は紛れもなく私の恩人なのだし。……さて、どうしたものか――
『…………ん?』




