表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狂った針は戻らない  作者: 暦海


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/242

お弁当

「――ここ、お邪魔しても良いかな? 蒔野まきのさん」

「……あの、由良ゆら先生。もう何度も申していますが、別に私に許可を取る必要はないのですよ?」

「ははっ、まあ一応ね」



 それから、二週間ほど経て。

 昼休み、例のごとく屋上にてそんなやり取りを交わす僕ら。もはや恒例のやり取りで、それがなんだか心地好くて。


「――それにしても、よほど私のことがお好きなのですね、先生?」

「……うーん、まあ否定はしないかな」

「……いや、そう返されると困るのですが」


 ――なんて、最近はお互いそんな冗談まで交わせるようになってきて。……まあ、別に冗談でもないんだけどね。実際、好きかどうかと問われれば間違いなく好きだし。



「……ところで、以前まえからお尋ねしようかなとは思っていたのですが……もしかして、いつもご自分で作っていらっしゃるのですか? お弁当」

「えっ? うん、そうだよ。蒔野さんは?」

「……私も、一応は自分で作っています。ですが、凄いですね由良先生」

「……いや、それを言うなら蒔野さんもだよね」

「私は基本的に暇ですから。ですが、先生はお忙しいはずなのに……」

「……うーん、そうでもないけどなぁ。実際、蒔野さんの方がよっぽど凄いと思うけど」



 ともあれ、食事開始から数分後。

 そう、感心した表情で言ってくれる蒔野さんに反論する僕。実際、蒔野さんの方がよっぽど凄いと思う。僕が学生の時は、自分で作ってなんていなかったし。


「……ところで、先生。もし宜しければ、今度……いえ、何でもないです」

「……? そうかい?」


 すると、少し目を逸らしつつ何かを話そうとするも、自身でとどめる蒔野さん。いったい、どうしたのだろ……うん、まあ良いか。言いたくなったら、その時にまた言ってくれるだろうし。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ