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……まあ、理由なんて――
「…………はぁ」
嫌というほどに月の輝く、ある宵の頃。
だらりとベッドに仰向けになり、沈んだ溜め息を吐く私。……本当は、良い日だったはずなのにね。久方ぶりに――およそ一ヶ月ぶりに登校できて、先生のお陰で想定したような視線も向けられずに済んで……本当は、頗る良い日だったはずなのにね。なのに、なんでこんなにも――
……まあ、理由なんて分かってるけど。ただ、気付いてしま……いや、改めてはっきりと認識してしまったから。私の気持ちが……この恋心が、決して叶わぬものであることに。




