さながら、私の時のように。
「……でも、ほんとに僕は大したことはしてないよ。そのことをみんなに伝えてくれたのは、僕じゃなくて校長先生だし」
「ええ、校長先生が朝礼にてお話ししていたと聞きました。ですが、そもそも校長先生にそのことをお伝えしたのは由良先生ですよね? 確かな信憑性を持った情報として、きちんと全校生徒に伝わるように」
「……その様子だと、知ってるみたいだね」
ともあれ、私の問いに苦笑しつつ答える由良先生。ええ、知っていますとも。休み時間、校長室に赴き直接お尋ねしましたから。
そういうわけで、続けて問い詰めると流石に白状してくれた。そして、彼の話をざっくり纏めると……どうやら、ある日ネットニュースで偶然ある情報――ある高校生が、ある年配の男性を救ったという情報を目にし、その出来事があった時間帯から私のことではないかと推測をつけ、お話を伺うべくその男性のもとを訪れたとのこと。
……うん、さらっと言ってるけど、どうせ必死に探したのでしょう? 手掛かりなんて碌になかったはずなのに、それでも必死に探してくれたのでしょう? さながら、私の時のように。




