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いくら時間があっても――
――連絡をもらったのは、一ヶ月ほど前。可能であれば、夏休みにこちらを訪れても良いかというもので。突然のことで驚いたけど、喜びの方が断然大きくて。もちろん、断る理由は何もない。どころか、仮に予定が埋まっててもどうにか空けるくらいで。
ともあれ、蒔野さんと二人で食事を用意――みんなで食卓を囲みながら他愛もない話に花を咲かせた。主に、お互いこの三年間について――それは本当に楽しく、いくら時間があっても足りないくらいで。
その後、閑談も一段落した辺りで少し居住いを正す僕。そして――
「……その、改めてだけど……あの時は本当にありがとう、二人とも」




