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僕に関しては正しくなく。
「……えっと、ただいま……うん、やっぱり未だに慣れないね」
「ふふっ、可愛いですね由良先生。まあ、かくいう私もまだ不思議な感じではありますが」
あれから、一週間経て。
夕さり頃、僕の業務が終わるのを図書室で待ってくれていた蒔野さんと共に帰宅。面映ゆそうな、それでいて楽しそうなその笑顔になんだか僕も嬉しくなる。
ところで、帰宅なんて言ったけど、僕に関してはこの表現は正しくなく。と言うのも、ここは由良家ではなく蒔野家――あの日以来、僕らは蒔野家にて共に暮らしているわけで。




