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理由はどうあれ――
――そして、翌朝のこと。
『――昨日の事故について、皆さんもう知っていると思います。中には、現場を見た方も少なからずいることでしょう。ですが、警察の方々の捜査により不慮の事故ということが判明しました。なので、特定の生徒を非難するようなことは控えて――』
体育館にて、壇上から厳かな表情で語り掛ける学校長。結局、授業は通常通り――だけど、この朝礼は急遽開かれることとなったもので。理由はもちろん、昨日の事故についての説明――そして、生徒達に注意喚起をするためで。
……まあ、恐らくは私のためというよりは学校のため――間違っても、当校で殺人事件が起きたなんて噂を拡散されないようにするためだろう。
でも、別に悪いとは思わない。事実、警察は事故として処理したわけだから嘘は言っていないし、私としては学校に迷惑を掛けて申し訳ない気持ちもある。なのに、理由はどうあれ結果的に私を擁護しようとしてくれているのだから、感謝こそすれ文句を言う筋合いなどないわけで。




