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重なる思い
「――先ほどの様子だと、もう大丈夫そうですね由良先生」
「うん、そうだね。本当に良かった。改めてだけど、本当にありがとう蒔野さん」
「いえ、お気になさらず。そもそも、私が勝手に申し出たことですし……それに、とりわけ大したこともしていませんし」
それから、ほどなくして。
黄昏に染まる空の下、和やかにそんなやり取りを交わし歩いていく僕ら。もう大丈夫、とはもちろんあの二人――久谷さんと舞香さんの、今後の関係についてで間違いないだろう。僕が抱いていた思いを、こうして彼女も抱いていてくれたことに何だか嬉しくなる自分がいて。




