藤原兄妹は凄腕呪術師
こちら気が向いた時の不定期更新になります。まったり読んでいっていただければ幸いです
「橘殿ー!」
「また来やがったな疫病神兄妹!」
「まあまあ、そう言わずにー」
「私たちは橘殿が好きなのに、嫌われるなんて悲しいなぁ」
「自分の日頃の行いを思い返してみろ、二度とそんなこと言えないぞ」
橘殿と呼ばれた背の高い男は、疫病神兄妹と言われた双子に辟易した様子だ。
が、疫病神兄妹は気にする様子もない。
「それより橘殿ー、いい加減伊織殿って呼んでいい?」
「うるさい下の名前で呼ぶな!俺は貴様らと慣れ合う気はない!」
「またまたぁ」
「あ、僕らのことは若葉、紅葉って呼んでいいよ」
「誰が呼ぶか!さっさと帰れ!」
橘は嫌がるが、若葉と紅葉の兄妹はめげずにしつこく付きまとう。
そこに橘よりは背が低いものの、威圧感のある男が通りかかる。
「我が屋敷でなにを戯れている?」
「あ、お館様ー!」
「聞いてください、橘殿がいじめるんですー!」
「ああ、橘。また藤原兄妹に巻き込まれているのか」
「お見苦しいところをお見せしました、お館様」
頭を下げる橘。
お館様と呼ばれた男は即座に若葉と紅葉の猛抗議にあう。
「お館様ひどーい!」
「僕たちがいじめられたのにー!」
「普段の言動を思い返せうつけども。それより火鼠の皮衣は見つかったのか?竜の頸の五色の玉は?まだ燕の子安貝と仏の御石の鉢しか見つかっておらぬではないか。蓬莱山の宝の枝はまだか。」
「も、申し訳ございません。なかなか有力な情報を得られず…」
「あ、お館様ー!私たちそのために来たのー!」
紅葉が手を挙げる。
「良い、許す」
「はい、お館様に唐土の火鼠の皮衣!」
若葉が軽い口調とは裏腹に、恭しくお館様に宝物を差し出した。
「…ふむ、本物のようだな」
「ふふ、ご褒美ちょうだい!」
「なんのご褒美くれますか!」
「ふむ。この間の仏の御石の鉢といいよくやった。橘はまだ一つしか宝物を見つけられていないな」
「は、はい」
橘は縮こまる。
この後の展開は分かりきっていた。
「よし、ならば褒美に給与のアップとボーナスをくれてやる」
「やったー!」
「そしてこれから一時間だけ、橘を貸してやる。好きにせよ」
「お館様太っ腹ー!」
橘はこうして、若葉と紅葉に一時間ずっとおちょくられることとなった。
具体的に言うと、一時間くすぐり耐久させられた。
終わった後仕返ししようとした橘だが、あいにく若葉と紅葉の兄妹は呪術師であり蹴りを入れてもただの分身でしかなかった。
神の子扱いされている優しい義兄に気を遣ってたら、なんか執着されていました
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