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勇者今から考える

「在皇和軍のアラハギ大佐より即位礼の延期要請がだされました」


アルケーレは青年らしい美しい気配を纏ったまま、

冷静にはっきりと言った。


「陛下、どうやら在皇和軍は本土からの独立を画策しているようです」


また、

新しい事態か? と、頭がついていかなくなる。


うーん、

この場合、

対処するのは天勇皇国政府のはず。


一応、この国に普通選挙があり、

貴族院と平民院、

さらには独立した裁判制度、

金融制度がある。


文化・技術程度は前にいた世界の中世と近代が混ざったような感じか。


だとすれば、

「政府はなんていっているのかな?」

と一応は訊いてみる。


アルケーレは顔色を少し嫌そうにした。


「陛下のことは、国民が口をだすことではないと」


なるほど、

体裁上は敬っている感じたけれども、

どうでもいいということか。


まぁ、

300人の勇者の内。

誇れる活躍をした勇者は十人前後、

ここ三百年では一人か二人では、

そんな扱いか。


品位保持のための莫大な経費と、

次世代勇者を産むための人身御供のような女の上納(?)という前近代的な風習に対する批判も考えると、

政府も実はアラハギ大佐と共謀して勇者自体の抹殺を考えいるのかもしれない。


うーん、継承した知識をもとに考えてみた。


「即位礼は延期したとして、

議会の開会宣言や政府文書に対する署名はどうするの?」

と私が訊くと、

アルケーレは不快さをいよいよ深めた。


「筆頭行政官をおいて対処するようです」


筆頭行政官か。


勇者が首都を離れている間、

勇者が行うべき仕事を代行する臨時職だ。


「でも、即位礼がなくても勇者の権能は自動的に継承されるはずでは?」


この辺は会社組織と違うな。


会社で社長が急死しても、

子息や副社長が自動的に役職を継承することはできない。


「そのはずなのですが」


「わかったよ。アラハギ大佐が私のことを勇者として認めていない、ということだね」


そういうことなら、というか、大佐が私のことを勇者として公式に認知される前に抹殺するつもりなら、

こちらにも考えがある、というか今から考えよう。



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