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発見
2016年7月15日の日付。
18時を回る教室の時計。夕焼けの街の風景。
主人公の顔のアップ。荒く呼吸しながら顔の周りを拭う。
一人で歩いている。
登校前、父親との回想。
父親「今週は遅くなるから、これで食べておいてくれ。何かあったらいつでも電話して良いから。」
一時間前、学校の回想。
教室や図書室、独りで立っている人影。遠くに小さく見える運動部。無言で手を動かす文化部。
この後の予定を思い浮かべる。
重いカバンを持つ手のアップ。玄関で学ランから鍵を取り出す。靴を脱いで家に上がる。
薄暗い部屋。影に隠れる顔。
視線が左に動く。
主人公「おっ」
車道を挟んで向こうの竹林。
竹が掻き分けられて道のようになっている。足元には数本の折れた竹。
薄暗い一本道。涼しい風に竹が揺れる。
主人公「入るか...」
主人公の顔のアップ。前を見据えている。
竹林に踏み出す足。
まだらな影の中を歩いている。
何かを見つけた主人公の後ろ姿。
歴史の教科書。自信満々に回答する中学生。遺跡の発掘隊の映像。
顔だけで主人公より大きい土偶が、竹林に埋もれている。