筋肉晩餐会
首都レイヘルンにある大きな酒場では今日も冒険者達が賑わっている。
この酒場で飲む夜の一杯が冒険者達の一日を限りなく幸せなものへと近づけ、明日も頑張ろうと思わせてくれるのだ。同時に冒険者達のネットワークにもなっているため、この首都を拠点にしている冒険者で顔を出さない奴はいないと言ってもいいだろう。
6番テーブルから聞こえてくる。
「おい聞いたか?」
「ああ、あのギルドだろ?6人なのにあいつらはよくやってるよ」
「まだ若いだろ?」
「人数増やせばいいのによ。身内で固めたギルドだって聞いたが・・・」
「確か皆移転者なんだろ?」
「移転者だって言ってもたったの6人だぜ?」
この都市では最近少し話題になっているギルドがあった。
名は「筋肉晩餐会」その名の通りマッスルディナーパーティーだ。
作られた当初は完全なネタギルドだとされていた。
それもそうだろう。ギルド構成、というよりパーティー構成が悪い。
どこからどう見ても普通の構成ではないのだから。
普通ギルドやパーティーにはもっとヒーラーと呼ばれる回復役やバッファー、デバッファーと呼ばれる補助職がいるものだ。
「それにしたってなんであんな構成なんだ?」
「それは俺も気になってたわ!」
「俺は聞いたことあるぜ?」
確か―――
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