#1
はじめまして、阿諏訪朔太郎と申します。
そして実はお久しぶりです、以前は芥を名乗り、続きもしない連載小説と、よく分からん短編小説を、どうやら2019年にちょこちょこっと執筆していたようです。
これは続くといいな。自分が頑張れよって話だな。
読んでるよってサインがとても励みになりますので、是非とも。
初めて会った時、そいつは泣いていた。
時間は放課後、場所は駐輪場。
高校生だというのに人目もはばからず、清々しいほどわんわん泣いている。
なんだあいつ。
そう思ったのは私だけじゃなかったと思う。放課後だから、駐輪場には結構な人数がいて、みんなある一定の距離を置きつつもジロジロ見ている。誰一人として、決して声は掛けない。
私も少しだけ目線をやりつつ、何も無かったかのように振る舞おうと慣れた手つきで自転車の鍵を鍵穴に差し込んでいた。すぐ近くの先輩が言った。
「なにあれ、頭おかしいんじゃね」
「あんなやつ学校にいたか?」
私は基本的に、面倒事には手を出さない。でも、その存在を無視することは出来なかった。先輩の言葉よりも私の見て見ぬふりの方が、ダメだ。
私は、泣きじゃくるそいつの元へ駆け寄った。
「ちょっと、失礼」
そう言ってそいつの左腕をがしりと掴み、駐輪場から遠くに走った。走りながら後ろに声を掛ける。
「すみません、私と、走るの手伝って下さい」
もっと良い声のかけ方があったのではないかと自分でも思うが、今そんな冷静に反省できる余裕はない。周りに目を配らせつつ走り、選択科目の教室がある棟には人気がなかったので、一先ずそこの教室に駆け込んだ。
私は肩を大きく上下させ、息切れの合間で何とか話しかけた。
「あのっ、、大丈夫、」
相手は号泣している上に走らされているので、当然息は上がり、顔面はぐちゃぐちゃで大分苦しそうだった。
「じゃぁ、、なさそうっ、すねっ」
これは愚問だったなと反省し、2人して暫くゼェゼェ言っていた。
なんだこれ。
2019年のやつをチラと見たんですけど、まだ採血やってんのかと思いましたね。
現在の私は、国家試験を終え卒業式も終え、結果発表待ちの絶賛ニート生活を楽しんでおります。時の流れをここで感じるとは。いやはや。
まあこういう時にしか、ふと「あ、なんか物語作ろう」ってなりませんね。いやー、本当に空白の時間は頗る忙しかった。
それでは、今後ともお付き合いよろしくお願いいたします。