表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

人の心を読めても尚、平常心でいられるのか!!!

作者: ケイゴロウ

突然ですが、皆さんは他人の心が読めたらどう思いますか?最初は嬉しいと思う人も少なくないでしょう。ですが、それを何年も続いたらどうでしょう。平常心を保てるでしょうか?

この物語は、生まれつき心を読むことができる少年の物語である。






ある日の学校のこと。一人の女生徒が俺に話しかけてきた。


「ねえ海斗君、何しているの?」


彼女の名前は貢木(みつぎ)優奈(ゆな)。俺のクラスメイトだ。


「特に何も。勉強をしているだけだよ」


俺は視線を机に向けながら言った。

嘘だけどな、俺は人に視線を向けると勝手に心を読めちまうんだ。だからなるべく見ないようにしてるんだよ。

「人と会話をするときは人の目を見てするの!」


優奈は俺の頬に両手をあてながら言った。


バカヤロウ、そんなことすると心の声が。


((まったく海斗ってば、せっかく勇気を出して話しかけているのに目を見なさいよ。))


見えちまったよ。


俺は優奈の手をすぐほどいて再び机に視線をやる。


「また目を逸らした。まあいいわ、そのままでいいから聞いてよね。今日の放課後、一緒に買い物に行ってほしいの」


「なんだ、デートの誘いか?いいぜ」


まったく、普通にデートって言えよ。回りくどい言い方してどうしたんだよ。


「ちょっと!声が大きいわよ、周りに付き合ってるって思われたらどうするのよ!」


「なんでだよ。デートくらいで付き合ってるなんて思わねーよ」


「そ、そうかな。それならいいけど。じゃ、じゃあ放課後ね!」


何を今さら買い物くらいで気にしてんだよ。


だけど、付き合ってると思われるのは確かに照れ臭いかもしれないな。



~~~~


学校のチャイムが鳴り俺は一足先に校門で待っていた。


「お待たせ海斗。買い物いこっか」


学校を出てすぐ、前から歩いてくる女性二人と目が合った。


((何あの美男美女カップル!!ちょーお似合いなんだけど!!))


((あんなにお似合いなカップル見たことない!!))


まじかよ、本当にカップルに思われてるよ。


「ねえ海斗、なんでそんなに静かなのよ」


「お、おう」


やべ、変な声出ちまった。


「何よ変な声出してどうしたのよ」


「な、何でもねえよ」


早く用事を済ませて帰らねえとな。


俺たちは、足早に目的地に向かった。




買い物の場所って、デパートかよ。


よりにもよって人目の付く場所かよ。


「な、なあ優奈、目的地ってデパートなのか?」


「そうよ、期間限定の服がデパートにしか売ってないのよ。何、もしかして嫌だった?」


「別に嫌じゃねーよ」


しまった、顔を見て話しちまった。


((嫌だったのかな...。今からでもやめようかな。))


嫌な感情を読んじまった。


泣きような顔はやめろよな、もう。



「嫌なんて言ってねーよ。だ、大体嫌だったらデートなんかしねーっつーの...」


「ならよかった。でも最後が聞こえなかった、なんて言ったの?」


頬を赤く染めながら優奈は言っていた。


((やばいもう一回言ってほしいな))


このやろう、聞こえてやがったな。


「なんでもねーよ、それより早く行かねーと売り切れちまうんじゃないの?」


「そ、そうだった!早く行かないと!!」


優奈は走ってデパートの中に消えていった。






しばらくして、優奈はデパートから出てきた。


「どうだった優奈、目当てのものは買えたのか?」


「うん!付いてきてくれてありがとうね」


「よかったな。っていうかさ、俺ついてきた意味あったか?」


「た、確かに」


((意味はあったんだよ海斗君。私はね、こうやってあなたと話したり、一緒に買い物をしたり、一緒に帰ったりするだけで幸せを感じられるからさ))


なんでそんな嬉しいこと言ってくれるんだよ。まったく、こういうことがあるから俺は心を読めるようになった十数年、今でも平常心を保っていられない!!!



最後まで読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ