おまけボツシナリオ 七大天使・セクンダディ
これは当初、第二話として掲載していたものです。ご覧になったことのある方もいるかも知れません。某所で相談してみたところ、「ブラバポイントになる」というアドバイスを受けたため、ボツにしました。
淡い光に包まれた、雲の上の純白の円卓を、男四人、女二人という構成の六枚羽根を持つ天使たちが、取り囲んで座っていた。席が一つ、空いている。
「まさか、ジュデッカに封じたルシフェルが復活し、あのウリエルを破るとはな……」
燃えるような逆立つ赤髪の天使が口を開く。
「ウリエルちゃん、カワイソー」
金髪をツインテールに纏めた、幼女姿の天使が脚をぶらぶらさせながら言うが、表情はまったく深刻さを感じさせない。むしろ、陽気でさえあった。
「まあ、ウリエルは所詮その程度の器だった、ということだろう」
黒髪ボブの陰湿そうな天使が、クククと忍び笑いを漏らす。
「オフィエルもサマエルも、もうちょっと彼の死を悼んだらどうかしら。ザカリエルとラファエルもそう思いません?」
緩いウェーブのかかった、長い青髪を持つ豊満な胸の女天使が、二人に苦言を呈す。
「安心しろ、ガブリエル! ウリエルの仇は俺様が取ってやる!」
筋肉質の浅黒い肌を持つ短髪の天使が、怒り心頭という様子で、彼女の言葉を受けて応える。
「ミカエル、僕たちセクンダディは七人で一つだ。欠員はどうするのさ?」
金髪の優男風の天使が、最初に口を開いた赤髪の天使に質問した。
「それについては、主が後任をお決めになられた。アナエル!」
雲を突き破って緑髪の四枚羽根を持つ天使が現れ、六人の前で恭しく畏まる。
「不肖アナエル、お呼びにより参上致しました」
「アナエル。いまこの時を以て、貴公もセクンダディの一員である!」
ミカエルの言葉とともに、アナエルの頭上より一条の光が降り注ぎ、彼に五枚目と六枚目の、一対の羽根を与えた。
「有り難き幸せ!」
「もはや貴公は我らと同格。そう畏まらなくてもよい」
「私のこの姿勢は、生来の性分にございますれば」
ともすれば、慇懃無礼なアナエルの低姿勢を改めることを諦めたミカエルは彼に着席を促し、アナエルはそれに従う。
「では諸君、会議を続けよう」
七人は、この先どう人間を滅ぼすかについて、会議を再開した。




