第四十一話 強襲・ラファエル!
「サタン。上から見てどうだ?」
「これといって見当たらないねー」
上空からの探索をサタンに任せつつ、こちらはオフィエルとともに地上の視点からエテメンアンキを探す。所々瓦礫が転がっていたりもするが、この下にあったとしたら厄介だな。
「いいよねえ、サタンお姉ちゃんは~。オフィエルちゃんもまた飛びたーい!」
いや、待っててもらって良かったんだがな。一緒に行きたいと言い出したのはお前じゃないか。
「歩き疲れたのか? 疲れたなら休んでいていいぞ」
実際俺も結構疲れてきたところだが、サタン以外にはどうにも弱味が見せづらいものがある。
「そうだ! おんぶしてよお兄ちゃんっ☆」
無茶言うな。召喚当初より体力はついたが、流石にそれは無理な相談だ。
「私が運んであげようか?」
「やったー♪」
ナイスアシストだ、サタン。両手を挙げて喜びを表すオフィエルを抱え上げ、天使ーズは再浮上しようとする。そんな微笑ましい光景を眺めていると、突然俺を何かが襲った! 一瞬確認できただけだが、それらは雷撃、氷塊、棒状のもの二本、それに大鎌だった。危ないな、おい! 自動ガ-ドがなかった死んでたぞ!
「驚いたね! 話に聞いてた以上に硬いや!」
金髪優男風の天使が肩をすくめる。六枚羽根……セクンダディか! しかもとうとう一気に六人で来たのか。微妙に中途半端な人数だな。しかし、いつもと違ってお供の天使がいない。下級天使は本体の方に向かったのだろうか。まあ、下級天使相手なら二十九万の戦力と『獣』たちでどうにかなるとは思うが。
それにしても、こっちにセクンダディ六人が向かってくるというのは盲点だった。サタンも下を注視していたから気づくのが遅れた。被害がなかったからいいが、実に迂闊! このケースを計算に入れてなかった自分の見通しの甘さに歯を噛みしめる。もし最初の標的が俺でなかったら、誰かが犠牲になっていたかも知れない。
しかし、これはこうも考えられる。セクンダディ六人がかりでここを攻めてくるということは、神の側もエテメンアンキが現存していると考えているのではないかと。
細切れ状態で申し訳ないです。
作中ルシフェルが「エテメンアンキがある可能性が高い」とか地の文で言ってますが、ルシフェルは六人がまさか独断で襲ってきたとか思ってないので、こういう発想になったのですねー。




