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   3.俺とメイド

『それにしてもこいつ、一言も話さないなぁ…』


俺達は今、始まりの森にいる。


始まりの森は魔王の城までに続く道のりの言わば最初の関門。


出てくるモンスターはスライムばかりだ。


不安なんだろうか…やっぱりここは男の俺が元気付けるべきか?


とりあえず爽やかに笑顔で話しかけてみよう…


『不安かもしれないが、俺に任せとけ、俺が守ってやるよ』


『はぁ…』


ん…? 何故ため息を…


『王から派遣された私が、そんなへなちょこにみえるんですか?…目、節穴ですか?』


『心配してあげたのにヒドイ言われよう!?』


何故、ここまでズタボロに言われるのだろうか傷つく…


『…私に心配など無用です。むしろあなたのほうが心配です、へなちょこ』


『もう、へなちょこ認定!? 早すぎない!?』


『じゃあ、私に認めさせればいいじゃないですか』


『具体的には?』


『そんなことも思いつかないんですか?、頭の中身あるんですか?あ、中身が腐ってるのか…』


『もう止めて…俺の豆腐のように繊細な心がもたない…』


くそっ…よくも俺の豆腐メンタルをズタボロにしてくれたな…


『その心外みたいな目を止めてください、さっきまで遭遇したスライムから逃げてたじゃないですか』


『うっ…そりゃそうだけど…』


俺達はさっきからスライムに遭遇するが戦ってはいない…だって俺弱いもん!


俺が地面に膝を付き、落ち込んでいるとローゼがこんな提案をしてきた。


『…しょうがないですね、ではスライム討伐で勝負しましょう』


『いいぜ、やってやるよ。ただ俺が勝ったらどうするんだ?』


『その時はへなちょこの名前の変更をして差し上げましょう。』


『いや、それじゃたりねぇな…』


『は? 他に何かあるんですか?』


『俺の言うことを一つだけ聞く…ってのはどうだ?』


『別にいいですけど?、だって負けませんし』


こいつ、完全に俺を舐めてるな…


『では、先にこの森の主のキングスライムを倒したら勝ちです』


『OK、OK! やってやるよ!!』


こうして俺達は森の更に奥へと走って行った。



第4話『遭遇』に続く

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