D:さあ、ダンジョンを改造しようか。
マップを見るとチュートリアルのダンジョンらしく真っ直ぐに、モンスターの湧きスポット、罠、宝箱が置いてある部屋となっていた。こんなんじゃ直ぐにゲームオーバーになるぞ。
ただ、ダンジョンコアといういわばダンジョンの心臓の前に、宝箱を置いてくれたのは良いけど。そしたらダンジョンコアが先にあるとわかっていない冒険者は、宝箱で満足して帰る者も多いだろうからな。
そして、今設置できるリストを見る。正確に言えば創造力でダンジョンに置ける物リストか。転移陣などというお馴染みのものすらないな〜〜
これは俺が素材を採れるということからして、素材を手に入れることによって開放されるものがあるかもしれないな。
なんかチュートリアルやってないからわからないことがあるな。まあ、あの人が助かったなら別に後悔はないけど。
俺はそんなことを思いつつ、残存創造力を確認する。
『600』
要するにダンジョンの通路60ブロック分である。こう考えると中々あるな。ちなみに通路はだいたい幅は四歩で、奥行きは90歩で歩ききれる距離だ。どうも、埋め立てることも出来るらしいので長さは自由自在に調整可能らしい。
待てよ、ということはこのコアを通路に設置して埋め立ててしまえばいいんじゃないか?確かに昔のゲームでは禁止されているが、リアルさを求めているVRMMOでは可能ではないだろうか。
俺はダンジョンコアに手を触れて移動したいと念じる。すると、半透明のウィンドウが甲高い音と共にポップアップする。
『移動不可能なObjectです』
ですよねぇ。あくまでもゲームだもんね、そんなに甘くないの知ってた。いや、まだ可能性はある!!この部屋ごと埋めてしまえばいいのだ。こうすれば勝ったも同然だな。
俺は本当にポイントを使って、黙々と部屋を埋めていく。そして60ポイントを使い、最後埋め立てられる!と思ったときに悲劇は起きた。
『ダンジョンの操作が一切出来なくなりますが宜しいでしょうか?』
え・・・・・・マジかよ。すなわち、埋めたとしたら自力で掘らないといけないことになる。しかも、掘れないようになる可能性もあるな。
ちょっと掘ってみるか。俺はそんなことを考えて思いっ切り手で土を削ろうとした。が、指が土に入ってくることも無く、空を切ったような感触が返ってきた。
『破壊不可能なObjectです』
Oh....これ、室内の土全部消さないといけない。しかも、設置したものを削除するのには創造力必要だし....
もう、このままにしよう。俺はきっぱりと諦め、別の場所に移住スペースを作ることにした。
そもそもなぜ、移住スペースを作るか?といえば、このゲームは立ちっぱなしだと精神的に辛いからだ。このゲームは疲労という概念があるし、麻の服は汚れなくとも体は汚れるのである。
しかも、空腹になるしね。挙げた二つは放置していてもバッドステータスになるわけではないのだが、我慢する気はさらさらない。そこまでガチプレイをしたいわけじゃないからな。
じゃあ、作りはじめますか。