B:どうするんだよ!
王都に着くと、VRというのは凝っているようで門番が通用門に立っていた。だが、通ろうとする俺に特には反応しない。お金でも支払わせるものかと思ったのだが、違ったようだ。
ただリアルにするために立たせているNPCのようである。俺は門番を素通りすると、城壁の中へと足を踏み入れた。
城壁の中に入ると、まるで、中世のロンドンにタイムスリップしたかのような錯覚を覚えた。なぜ錯覚を覚えたかといえば、古風な石造りの建物が立ち並んでいるからだろう。
現代のコンクリート造りの建物と比べると、風情のよさは雲泥の差だった。なんかファンタジーだなぁ俺はしみじみと思いつつ、メニューを開きMAPを呼び出す。
MAPは便利なもので、検索すれば主要な建物の位置を教えてくれる。逆に言えば、NPCの家と打ち込んでみても、一切表示されなかったということだが。
で、俺は冒険者ギルドへと向かった。ちなみに、冒険者ギルドで委員長が待っているかはわからない。
は?アンタ馬鹿ぁ?と言われるかもしれないが、言わせてほしい、「遊ぶ時の約束に慣れていなかった」のだと。だって、俺ボッチだよ!!!友達と遊ぶ約束事なんてしたことないわ!!
俺は誰かに言い訳しながら冒険者ギルドに着いた。もちろん、普通ならここで探すわけだが探すこともできない。
なぜかといえば簡単で、ゲームで使っている名前もわからなければ、キャラもわからないからだ。しかも、向こうも俺のそういった情報を知らないのである。会うのは絶望的といえるだろう。
俺がそんなことを思った瞬間、FSの通知が上部に仮想ディスプレイで表示される。
(委員長)『大原くん、プレイヤーネーム教えて』
あれ?なんでFSの通知が表示されてんの!!?俺は数十秒考えるとある可能性に思い当たった。恐らく、FSでアカウントを登録したからそこの利用規約に通知を表示しますみたいのがあったのだ。
よく利用規約を読まない俺はそのことを知らずに、同意に押したに違いない。で、返信はどうやるのかな?
俺はまず、返信したいと念じた。
何も現れない。
文字のところを触ってみた。
何も現れない。
キーボードを出したいと念じた。
何も現れない。
くそ!!どうやったら返信できるんだよ!俺は少しヤケくそ気味になりながら、FSのマークを押してみた。押すと、名前の一覧が表示される。なにやらアカウント名の隣に名前がある。
もしかしたら、プレイヤーネームなのでは?俺はそう思い、委員長の所を見てみたが名前は無かった。どうすんだよこれ...
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