トラウマ
最終話です。
しばらくして、玄関に現れたのは、黒縁眼鏡をかけた凛としたスーツ姿の女性だった。
『‥‥あなたがさっきの電話の鈴木さん?』
光が問いかけると
その女性は冷淡に頷いた。
『ええ。私が鈴木。‥‥あなたの担当医よ』
担当医?
『担当医ってどういうことですか?』
光は混乱した。自分が何かの病に侵されているのかと思ったからだ。
『あなた‥‥中学生の時の彼ね。とにかく私と一緒に病院へ行きましょう』
『待って下さい。あのそのっあのい、遺体は‥‥』
『遺体?‥‥ああ』
鈴木さんという女性は持っていた黒い鞄の中からファイルを取り出した。
『やっぱりあの時のことがトラウマになっているのね‥‥』
ひとり納得したように言うと、僕の手を引いて玄関を出た。
僕はなにがなんだか分からなかった。
後部座席に座らされ、車は発進した。
空は薄暗くいまにも雨が降り出しそうな天気だ。
『あなたが中学生の時、知らない青年に会った時の話何度も聞いたわ‥‥
あの時から人生がおかしくなっていったといつも言ってた』
僕には聞き覚えのない話だ。確かにあの青年‥‥つまり今の僕のこの姿に会ってから不可思議なことばかり起きているが。
『あの‥‥僕は一体どうしちゃったんでしょうか?』
運転中の鈴木さんは黙り込んだ。
『あなたは私の病院の入院患者なのよ』
女性はため息混じりにそう答えた。
『入院患者?』
『今のあなたに何を言っても通じないでしょうけど‥‥あなたは前科者なのよ』
キーーーーーーーーーーーン
その言葉を聞いた瞬間耳鳴りが酷く鳴った。
ーやめてっ
女の子の声がどこからともなく頭に響いた。
なのに黒い手は鈍器のようなものを握りその子に何度も何度も殴りつけていた。
その傍らにはあの本が落ちている。
幼い手のひらをよくよく見ると紅色に染まり、壁にもたれかかっている女の子はぐったりとしていた。
頭から多量の血が流れ落ちていた。
そうだ‥‥僕が柏桃子を殺したんだ‥‥。
うわああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!
叫ぶ。
『ちょっどうしたの?!』目をまん丸くして運転席に居る鈴木さんは振り向いた。
それと同時に車の正面に勢い良く何かがぶつかった。
僕の人生は終わった。
読んで下さった方、ありがとうございます。
正直に言います。これ以上続けられる気力がなかったので無理矢理終わらせました。
鬱展開で適当すぎてごめんなさい。読んで下さった方本当にありがとうございました。




