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僕の公園  作者: tom
7/9

混乱

冒頭の『何もかも皆懐かしい』はヤマトの沖田艦長のパロディですw



『なにもかも皆懐かしい‥‥』

少年ー笹野光はベッドに倒れ込んだ。


ホコリが宙を舞う中、ひたすら笑い続けた。


『くくく‥‥ひひひひひひひひひひひひひっ』


身体中を小さく振るわせながら白い歯を噛み締める。


『やった、俺はとうとう成功した!!!!』



一人で喚きながら、その表情はいつもの光とは全く似ても似つかない様子であった。



『俺は昔の自分に戻ってきたんだ!!』


大声で叫ぶ光の様子を部屋の隅で怯えながら彼女ー柏桃子は眺めていた。


黒い帽子を投げられて彼女はすっかり萎縮してしまっているようだ。



 (桃子視点)


‥‥笹野君どうしちゃったんだろう?訳が分からないことばかり一人で叫んで‥‥

なんか私の知ってる笹野君じゃないみたい。



『さ、笹野君‥‥一体どうしちゃったの?』


勇気をだして聞いてみる。


すると鋭い目つきで私の方を睨んで来た。


ドキッとした。



『‥‥あー、桃子‥‥お前桃子‥‥』

とぎれとぎれに下の名前を呼ばれ、笹野君は自分の前髪を手でくしゃくしゃとし、なにか悩んでいるように俯いた。


どうしていきなり下の名前で呼んだのか?どんどん笹野君が私の知っている笹野君から遠ざかる。



ーサッ


すると突然光がベッドの上に立ち、柏桃子を下に見下ろしこう告げた。



『お前は死んだ』



言われた瞬間彼女はゾッとした。

光の冷たい眼差しとその言葉の音がなぜか嘘偽りのない風に聴こえたからだ。



『な‥‥なに言ってるの?冗談にしても酷いよそれ‥‥』


一言居士の彼女はそう答えた。



『‥‥冗談だと思うか?まあ、仕方ないか、いろんな意味で俺たちまだ餓鬼だもんな』




その言い方や雰囲気もまるで別人のようだと彼女は思った。


『ま、これからも仲良くしようぜ』と光は歪んだ笑みを柏桃子へ浮かべた。








『なにがどうなってるんだ‥‥』


どうして僕の姿があの兄ちゃんの姿に‥‥。


涼しげな目元をした全身黒一色の服の青年はしゃがみ込み涙をこぼした。



部屋はごちゃごちゃで目の前に居る『柏桃子』と名乗った大人の女性は息絶えてしまっていた。


『どうしたらいいか分からないよ‥‥ここも僕の家と違うし』


こんな時お母さんが居てくれたら‥‥。


でも遺体をどうにかしなければいけないというのはまだ中学生の光にも分かっていた。




こんなのは悪い夢だ。だってなにもかもおかしいじゃないか。


僕の身体はどこへいったのだろう?まさかあの兄ちゃんが‥‥?


怖くて怖くて怖くて怖くて怖い。


人の遺体を見るのだって初めてだし、自分が自分ではないことが何より恐ろしい。

それともこの姿が本当の自分だとでもいうのか?



それにこの女性の顔は傷や痣だらけだけど、柏桃子のあのキリッとした目元にどことなく似ている。


あの兄ちゃんがこんな酷いことをしたのだろうか?


混乱が一気に押し寄せる。
















 自分と他人が入れ替わるお話をよく見聞きしますが、この作品では未来の自分と過去の自分が入れ替わる感じです。


しかも、未来の彼はちょっとサイコっぽい人格で妻(柏桃子)にDVをしていたみたいです。そんな世界へ中学生時代の光が姿形が変わり、いきなりやってきてしまいます。そして未来の光はというと過去の中学生時代に戻ってなにかやらかしそうな予感がします><

これからどうなるか自分でも不安です(汗)

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